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2019年8月5日(月)

ゴルフ全英女子 渋野日向子が優勝 日本勢42年ぶりメジャー制覇

女子ゴルフの海外メジャー最終戦、全英女子オープンで20歳の渋野日向子選手が通算18アンダーで優勝しました。日本の選手が、海外メジャー大会で優勝したのは、男女を通じて42年ぶり2人目の快挙です。

一時3位に後退も・・・ 最終ホールで決める!

今シーズン国内ツアーで2勝をあげ、初めて海外での試合に出場した渋野選手は、現地時間8月4日行われた全英女子オープン最終ラウンドを通算14アンダー、2位と2打差の単独首位でスタートしました。

渋野選手は、3番でパットが決まらず今大会初めてダブルボギーをたたき、5番と7番でバーディーを奪いましたが、続く8番でボギーをたたいて前半でスコアを1つ落とし、この時点で3位に後退します。

それでも大会を通じてスコアを伸ばしている後半に入ると、最初の10番で長いパットを決めてバーディーを奪い、12番、13番と連続でバーディーを奪って通算16アンダーとして再び首位に並びました。

さらに15番でもバーディーを奪い、アメリカのリゼット・サラス選手と首位に並んで迎えた最終18番でバーディーパットを決め、この日バーディー7つ、ボギー1つ、ダブルボギー1つでスコアを4つ伸ばし、通算18アンダーとして優勝を果たしました。

日本の選手が海外メジャー大会で優勝したのは、男女を通じて、樋口久子さんが1977年に全米女子プロ選手権で優勝して以来、42年ぶり2人目です。

海外メジャーの高い壁乗り越える

女子ゴルフでは、1977年に樋口久子さんが全米女子プロ選手権で優勝したあと、多くの日本のトップ選手が海外メジャー大会に挑んできました。

全米女子プロ選手権優勝の樋口久子選手(1977年)

1980年代から90年代は、日本選手で初めてアメリカツアーで賞金女王になった岡本綾子さんがたびたび優勝を争い、小林浩美さんもアメリカツアーで5勝をあげましたが、海外メジャー大会での優勝はなりませんでした。

2000年代に入ってからは、日本選手で初めて世界ランキング1位になった宮里藍さんが2006年と2010年の全米女子プロ選手権と、2009年の全英女子オープンで3位に入ったほか、宮里美香選手が2012年の全米女子プロ選手権で2位となりました。

全英女子オープン(2009年)での宮里藍選手

最近では、アメリカ女子ツアーで日本選手最年少で初優勝した畑岡奈紗選手が、去年の全米女子プロ選手権で最終日にトップで並んでプレーオフに進んだものの、敗れて2位でした。

アメリカ女子ツアーで初優勝した畑岡奈紗選手(2018年6月)

樋口さん以来、日本女子の歴代の名選手が越えられなかった海外メジャーの高い壁を、去年プロテストに合格したばかりの20歳の渋野選手が乗り越え、初出場で優勝したことは歴史的な快挙と言えます。

英国メディアも驚いた「スマイリング・シンデレラ」

イギリスの公共放送BBCは、ニュース番組の冒頭で「驚くべきドラマです」と、渋野選手の快挙を伝えました。

スポーツコーナーでは、ゴルフ担当の記者が渋野選手について、笑顔が印象的なことから「スマイリング・シンデレラ」と呼ばれていると紹介したうえで、まだ20歳で海外の大会は今回が初めてであることから、ほとんど彼女の名前を耳にしたことがなかったと驚きをもって伝えました。

“スマイリング・シンデレラ”

そして、プレー全体を評価し「すばらしい勝利で、これを機に多くの人が関心を寄せることになるだろう」と述べました。

樋口久子さん「自然体のプレーが印象的」

42年前に日本選手として最初に海外メジャー大会で優勝した樋口久子さんは「伸び伸び、自然体でプレーしていたのが印象的です。随所で得意のパッティングがさえていました。信頼を置くコーチがキャディーとして支えたことも大きな力になったと思いました。日本人のメジャー優勝、本当にうれしいです」と、日本女子プロゴルフ協会を通じてコメントを出しました。

樋口久子さん

宮里藍さん「みんながこの笑顔に引き寄せられた」

女子ゴルフの元世界ランキング1位の宮里藍さんは自身のインスタグラムに動画を投稿し「おめでとう!本当にすばらしい!みんながこの笑顔に引き寄せられたと思います。最高すぎる、本当におめでとう」などとコメントを載せ、渋野選手の快挙を祝福しました。

宮里藍さん(写真は引退会見時)

20歳 海外初挑戦で制覇

渋野選手は岡山市出身の20歳。

8歳の時に友人に誘われてゴルフを始め、小学生の頃はソフトボールもしていましたが、中学時代にゴルフに専念しました。

去年、プロテストに合格してことしから本格的にツアーに参戦し、安定感のあるショットと勝負強いパッティングですぐに頭角をあらわして、5月にツアー初優勝を国内メジャー大会で果たしました。

国内メジャー大会でツアー初優勝(2019年5月)

これは日本選手では史上8人目の快挙で、さらに7月に神奈川県で行われた大会でもプレーオフを制して優勝し、ツアー2勝目をあげました。

この2勝以外にも10位以内に6回入るなど安定した成績を残し、国内賞金ランキングで現在2位につけています。

トレードマークの笑顔絶やさず強気のプレー

海外メジャー大会での優勝争いという極度のプレッシャーの中でも、笑顔で、中継のテレビカメラに向かって食べ物をほおばったり、次のホールへ移動する時にギャラリーとハイタッチをしたりする姿は、イギリスのギャラリーの心をつかみました。

ギャラリーに応える渋野選手

「前半はちょっと緊張していたが後半はあまり緊張せず、キャディーをしてくれたコーチとべらべらしゃべりながらできた」と最終ラウンドを振り返った渋野選手。

青木翔コーチと(大会3日目)

笑顔を絶やさない一方で、クラブを握ると引き締まった表情に変わり、みずからのスイングに集中して、終始、強気な攻めのプレーを貫き、初出場で海外メジャー大会優勝という快挙を成し遂げました。

「鳥肌立ちすぎ言葉にできない」

日本選手で42年ぶりとなる海外メジャー大会優勝を果たしたゴルフの渋野日向子選手は直後のインタビューで今の心境を聞かれ「鳥肌が立ちすぎて、言葉にできないです」と笑顔で語りました。

そして、前半でスコアを落として後半に入り最初の10番でバーディーを奪った場面について「切り替えるためにはここでバーディーを取らないとなと思っていた。切り替えられてよかった」と振り返りました。

首位を2打差で追うパー4の12番で第1打をドライバーでグリーンに乗せたプレーについては「ここはねらわないと悔いが残るなと思ったので、めっちゃ振りました」と話しました。

そして「本当に日本でやっているような雰囲気だったし、日本人の声も聞こえていた。前半はちょっと緊張していたが後半はあまり緊張せず、最後のパットもそこまで緊張していなかった。ここで決めるか、スリーパットするか、と思って強気で打ちました」と優勝を決めたバーディーパットを振り返りました。

渋野日向子選手の母校、岡山県津山市の作陽高校でも喜びの声が聞かれました。
渋野選手は高校のゴルフ部で平成27年の全国大会に団体のメンバーとして出場し日本一に貢献しました。
 
岡山県の伊原木知事は渋野選手の優勝を受けて急きょ、県庁で記者会見を開き、岡山県民に夢と感動を与えたとして、「岡山県スポーツ特別顕賞」を授与することを発表しました。

                   
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