読み込み中です...

2019年6月27日(木)

沖縄から世界へ!愛好者1億3000万人の"KARATEの世界"

東京オリンピックで初めて正式種目に採用された空手は、世界中に1億人以上の愛好者がいる世界的な人気スポーツです。世界で愛されるKARATEの魅力と競技の見どころとは?

KARATEは、優劣は帯の色(実力)だけの平等な世界

日本発祥の武道・空手は、かつての琉球王国・沖縄県に古くから伝わっていた格闘技「手(ティー)」が、日本の武術と中国から伝わった拳法の影響を受けて独自の発展を遂げたもの。第二次世界大戦後は海外でも普及し、今では、およそ200か国に約1億3000万人もの愛好者がいると言われています。この数字は、世界のテニス人口に匹敵するほど。KARATEは、日本発祥のグローバルスポーツなんです。

空手が世界に広まった背景にあるのは、道具を使わず、場所も選ばず、貧富に関わらず楽しめる競技で、優劣は帯の色(実力)だけという平等な世界だからだと言われています。エジプトのように、国をあげて青少年の育成に取り入れる国もありますし、空手には寝技がなく男女一緒に学べることから、女子の競技人口が増えているという現実もあるようです。

写真提供:月井新

こちらの写真は、ミャンマーで空手を学ぶ人たち。ミャンマーに空手が普及したのは、1960年代、日本から指導者が訪れたのをきっかけに空手愛好者が増え、今では20万人以上の愛好者がいると言われ、サッカーに次いで競技人口の多い人気スポーツになっています。ミャンマーのナショナルコーチとして空手指導の経験があり、現在はフィリピンナショナルチームコーチを務める月井新さんに聞きました。

月井新さん

ミャンマーに空手が広く普及したのは、空手の持つ精神性や厳格なマナー、規律がミャンマー人のまじめな国民性に合っていたからだと思います。ミャンマーは人口の7割を占めるビルマ族の他に、100以上もの少数民族が暮らしていて貧富の格差もあります。そんな多様な国の中で言葉も民族も関係なく平等に切磋琢磨できる空手は普及しやすかったのではないでしょうか。

東京オリンピック 日本はメダルラッシュ!?

「形」清水希容選手

東京オリンピックの空手競技は、演武で技のスピードや正確性を競う「形」と、相手と技の攻防をする「組手」が行われます。
男女の「形」と男女3階級ずつの「組手」を合わせると8種目です。
男子組手の荒賀龍太郎選手、西村拳選手、女子組手の植草歩選手、男子形の喜友名諒選手、女子形の清水希容選手は、日本空手界のいわばビッグ5。果たして、日本はいくつ金メダルが取れるのでしょう。思い切って、全日本空手道連盟メディア広報委員会の井出將周さんに聞きました。

井出將周さん

3〜4個ではないでしょうか。男子組手において、過去20年間の世界大会の金メダルは70個ほどありますが、日本男子がとったのは4個です。空手は全世界に広まっているだけに、どの国も実力がきっ抗しているのが現状なんです。

「組手」西村拳選手(右)

日本のライバル国は、フランス、イラン、エジプト、トルコ、アゼルバイジャン、スペイン、ドイツなどですが、空手は個人競技だけに、突出した選手がいきなり現れて、優勝候補を破ってメダリストになる、なんていうドラマティックな展開になる可能性もあります。

世界に君臨する選手の「静」と「動」

「組手」植草歩選手(右)

日本人選手のメダル獲得シーンはもちろん楽しみですが、世界中から有力選手が集結する東京オリンピックの空手の見どころは、どんなところにあるのでしょう。井出さんに尋ねると、速攻で答えが返ってきました。

井出將周さん

1cm打ち込む角度を変えただけで相手の防御の反応が0.1秒遅れると言われる空手ですから、研究が進むにつれて、技はどんどん進化していきます。
組手ではまばたきできないほどの一瞬の攻防が展開されると思います。東京オリンピックでは、スピードやパワー、技など、すべてがバージョンアップされているはずですので、お見逃しなく。

井出さんによると、空手ならではの観戦のみどころは「静」と「動」だそうです。「形」では会場全体の空気がピンと張り詰めて、息をのむほどの緊張感に包まれます。一方、ダイナミックな技の応酬となる「動」の組手では、選手の一挙手一投足に歓声があがります。世界1億3000万人のトップに君臨する世界的選手の「静」と「動」の妙技をぜひご堪能ください。

早わかりQ&A5 教えて!オリンピックの空手ルール

「組手」荒賀龍太郎選手

Q1.「組手」では実際に相手を蹴ったり殴ったりするの?

A:決められた攻撃部位をねらって突き、蹴りなどを繰り出しますが、目標部位にヒットはさせません。軽い接触か攻撃部位までが5cm以内であることが、技が有効になる距離です。実際にポイントを取るためには他にもいくつかの要素が必要になります。


Q2.「組手」の勝敗はどうやって決まるの?

A:勝敗は次の4つのいずれかで決まります。
① 8ポイント差がついた場合
② 棄権・反則・失格の場合
③ 競技時間を終了したとき取得したポイントの多い者
④ 競技時間を終了して同点の場合は先にポイントを取った「先取」の権利を持つ選手が勝ち。「先取」の権利を持つ選手がいない、または0対0の場合は判定


Q3.「組手」の試合時間は、何分間?

A:男子、女子ともには3分間です。試合の途中で主審の「やめ」の声がかかると時計を止め試合は中断されます。


Q4.「形」ではみんな同じ形で演武をするの?

A:世界空手連盟(WKF)が定めた形、約100種類の中から選手が選択し、演武します。トーナメントにおいては、1回戦から決勝まで異なる形を演武しなければなりません。


Q5.「形」では、審判は何を評価ポイントにするの?

A
:「演武する形」の持つ意味の理解、突き・蹴りの力強さやスピードなどを競います。勝敗は技、タイミングなどを評価する技術点とスピード、力強さなどを評価する競技点の合計で競われます。

写真提供:公益財団法人全日本空手道連盟/空手道マガジンJK Fan

                   
※NHKサイトを離れます

関連記事

    人気の記事ランキング

      記事ランキングをもっと見る

      最新の記事