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2019年6月24日(月)

プレッシャーを力に!車いすラグビー日本のエース・池崎大輔

東京パラリンピックで金メダルの期待が高まっている「車いすラグビー」は、車いす同士のタックル=激しいぶつかり合いが認められている競技です。2018年8月、日本代表は強豪オーストラリアを破って初優勝、オーストラリアやアメリカと渡り合えるその実力を世界に示しました。東京パラリンピックで再び世界の頂点をめざす日本の車いすラグビー、その絶対的エースの池崎大輔選手に東京2020に向けた思いを伺いました。聞き手は、ラグビー元日本代表の大畑大介さんです。

ど迫力の激しいタックルと緻密な戦略が魅力

挨拶もほどほどに、池崎選手が大畑さんにタックル。もちろんデモンストレーションですが、取材陣一同、車いすラグビーのタックルの激しさにビックリ!

大畑大介さん

車いすで受けた衝撃が足元から上がってきて、目の前に星が飛ぶような感じですね。

池崎大輔選手

ラグビー元日本代表選手に手を抜いたら失礼かなと思って激しく行きました。大畑さんは体幹がしっかりしているから受け止められましたけど、僕が初めて海外選手とぶつかった時は吹き飛ばされました。

大畑大介さん

車いすラグビーというと、車いす同士の激しいぶつかり合いが魅力ですが、それだけではありませんね。試合を見ていると、本当に緻密なスポーツだと思います。

池崎大輔選手

車いすラグビーは、両手足に障害を持った選手が一つのチームになって戦う競技です。選手の障害の程度は、それぞれ違いますから、選手によって体の使い方や技術も違ってきます。障害の重い選手が障害の軽い選手を足止めできれば、有利に試合を運べます。一人ひとりがそれぞれの役割を果たすことで、初めてチームとして点を取れる。そこは15人制ラグビーとの共通点かもしれません。

ここで、車いすラグビーについて、簡単におさらいです。1チームは男女混合で最大12名。コート上には4名が出場します。交代の回数制限はありません。障害の程度によって選手ごとに持ち点(0.5~3.5点の7クラス分け)が設定されていて、同時にコートにいる4名の選手の持ち点の合計が8点以内になるよう編成します。コート上の4名に女子選手が含まれる場合、合計点に0.5点が加算されるので、女子が2名含まれているとチームの持ち点は9点で編成できます。

ラグビーという名前がついていますが、ボールはバレーボールのような球体のボールを使います。前方へのパスも認められています。ボールを投げたり手で打ってパスをしたり、膝の上に載せて運んだりします。ただし、膝の上に載せて運ぶ場合は10秒に一度ドリブルをするか、パスをしなければなりません。

池崎選手の車いす。傷だらけの金属製パーツが、接触の激しさを物語る

車いす競技の中で唯一、タックルが認められていているため、ど迫力の激しいぶつかり合いが頻繁に見られますが、その一方で、攻撃側が40秒以内にゴールしないと相手にボールが移る40秒ルールや、ボールを持ってから12秒以内にセンターラインを越えなければならない12秒ルールなどがあって、緻密な計算と戦略が問われるスポーツなんです。

リオ五輪で感じた世界との差をバネに金メダルをめざす

大畑大介さん

2016年のリオデジャネイロパラリンピックでは銅メダルを獲得しました。金メダルのオーストラリア、銀メダルのアメリカとの差はどこにあると感じましたか?

池崎大輔選手

オーストラリアやアメリカには、メンタルの強さを感じました。諦めない、気を抜かない、常に迫ってくる。日本代表もそういう気持ちで臨んでいますが、世界は一枚も二枚も上手でした。選手層の厚さも感じましたね。日本代表はまだまだ強化できるところだと思います。

大畑大介さん

世界トップレベルの実力を持っている日本の車いすラグビーは、世界からの注目度も凄く高いですね。

池崎大輔選手

正直、注目される、期待されることは自分たちの力になります。そういうプレッシャーはマイナスになりませんね。

大畑大介さん

「自分が注目されている」と受け止められれば、間違いなく選手の力になります。注目されることは、確実にエネルギーになります。だから、いまの池崎選手の答えを聞いて「いまが充実しているんだろうな」と感じますね。

池崎大輔選手

すごくうれしいです。逃げるのは簡単ですけど、期待に応えるために前に行く勇気を持つのがアスリートだと思っています。僕がアスリートとして前に行くことで、見た方に「すごい」と思ってもらう。そうすると世のため人のため、自分のためになる。実現できれば選手だけではなく、みんなが充実感を得られると思っています。

大畑大介さん

日本で開催されるパラリンピックを現役のアスリートとして迎えられる池崎選手は、幸せですね。

池崎大輔選手

東京2020パラリンピックに向けて、自分たちの力を十分に発揮できるようにすることが何よりも大事だと感じています。ミスをしないように自分たちをコントロールしていくことで、戦術・戦略的にも精度を上げていきたいと思っています。そうすれば、東京2020パラリンピックで良い結果が出せると思います。金メダルを取って次の世代につなげて、車いすラグビーという競技をもっともっと広げていきたいです。

■プロフィール/池崎大輔

1978年、北海道出身
車いすラグビー日本代表として世界選手権、ロンドンとリオのパラリンピックに出場。エースとしてチームをけん引し、2018年8月に開催された世界選手権で、強豪オーストラリアを決勝で破り、史上初の世界一に。障害が上から2番目に軽いClass3.0で、日本代表のトライゲッター。TOKYO SUNS / 三菱商事株式会社所属。

■プロフィール/大畑大介

1975年、大阪出身
日本代表として、ラグビーワールドカップに2度出場(1999年、2003年)。代表通算69トライの世界記録を打ち立て、2016年に日本人として2人目のワールドラグビー殿堂入りを果たす。現在はラグビーワールドカップ2019アンバサダーとしてラグビーの発展・普及に尽力している。

                   
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