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2019年6月18日(火)

ねぇ~知ってる? 空飛ぶ皿を撃ち抜くクレー射撃"隠れた魅力"

突然、静寂を貫いて辺りにこだまする乾いた発射音、それ以外は何も聞こえない。選手は無言、そしてものすご~い集中力。結果にも動じず冷静に決まったルーティンを淡々とこなす。クレー射撃といえばそんなイメージかな~?孤独に己と闘うソルジャー、ライバルは「自分自身」って感じね。

空中に飛び出した皿の形をした標的を散弾銃で撃ち抜くクレー射撃は、タレントのヒロミさんや加藤浩次さんなど芸能界にも愛好者が多い競技で、東京五輪の会場は埼玉県にある陸上自衛隊朝霞訓練場で行われます。自分を見つめ自分と闘う究極のメンタルスポーツ、その隠れた魅力をご紹介しちゃいますよ~๑•᎑•๑)

鋭い反射神経と精密な動作で、空飛ぶ標的を射抜く

クレー射撃は、1900年の第2回パリ大会からの正式競技という伝統的な競技。ヨーロッパの人たちが毎回たくさん金メダルを獲得しているんだけど、日本にもメダリストはいるのよ。1992年のバルセロナの大会で渡辺和三選手が銀メダルを獲得!日本人選手の実力も負けていないわよ~。といってもクレー射撃を見たことない人も多いと思うので、まずは動画をみてね!

クレー射撃の標的は、直径11cm、厚さ2.5cm、重さは105gの素焼きのお皿。秒速30mで空中を飛んでいるそのお皿を秒速300mの散弾銃で撃ち抜くの。標的が飛んで行く方向を瞬時の判断力で察知。鋭い反射神経で、銃身を構えた体全体をその方向に向けて的確なタイミングで引き金を引く。一瞬で獲物をしとめる狩人、いやいや、スナイパーって感じ?\(◎o◎)/!

動画は、左右の2つの装置から2枚同時に射出されるお皿を半円状に設置された8つの射台から順番に撃つ「スキート」という種目ですが、クレー射撃にはもう一つ、15m先の装置から遠くに飛び去るお皿を直線に並んだ5つの射台から順番に撃つ「トラップ」があるの。

オリンピックの出場枠は各国各種目2名までですが、日本は開催国なので、各種目1名の出場は保証されているの。メキメキと力をつけている若手選手に加えて、卓越した集中力でメンタルコントロールに秀でたベテランの選手の活躍も期待されていますよ!

東京五輪で使われるお皿は、約1万8500枚!?

それにしても、選手が撃ち抜くクレーって、半端ない数。東京オリンピックで1人の選手が1試合(予選)に使うのは125枚、出場選手は合計120人だから予選だけで1万5000枚、決勝まで入れるとおよそ1万8500枚も使う計算になるの。
結構な量よね。(・◇・)

でも一体「クレー」って誰がどうやって作るの?というわけで気になって調べたら、福島県にクレーを作っている工場があることが分かったので、見に行ってきました(^_^)

福島県須賀川市。工業団地の中にその工場はありました。早速、工場内をみせて頂きましたよ。製造工程にそってご紹介しますね。まずは、地元福島県産の石灰にピッチと呼ばれる石炭の一種を混ぜ込んで、それをクレーの形に焼き上げます。次は、色付け。国産の塗料を吹き付けて、30m以上あるベルトコンベアで1秒に1枚のペースでお皿を乾かしていきます。う~ん、蛍光オレンジがまぶしい~。ずら~と並んだお皿はなんだか迫力があるわ~。

最後は、お皿が割れていないかどうかをチェックして箱に詰めて完成!
この工場では、1日に2万枚のクレーを生産して東北と関東の射撃場に出荷しているんですって!

梅津宣弘さん

こちらの散弾銃を持ったシブ~イ男性が、今回工場をみせて下さった梅津クレー製作所の社長・梅津宣弘さんです。梅津さんは、福島県内でクレー射撃の練習場を経営されています。
「はい!」っていう掛け声を合図に飛び出したクレーを撃ち落とす梅津さんは、28歳の時全日本選手権で最年少優勝を果たし、日本代表として世界選手権にも出場したすご腕。梅津さんにかかれば、せっかく作ったクレーもこんな無残な姿になっちゃうのよね。

クレーの破片は回収して産業廃棄物として処理されるんだそうですが、回収が大変でしかも大量の廃棄物を出すということで、最近は環境に配慮した「エコクレー」が普及しているそうよ。「エコクレー」には生物分解性のある素材が使用されていて、そのまま放置しても自然に土に還るので、環境に悪影響を与えないんですって。オリンピックや世界選手権では2017年から「エコクレー」の使用が義務づけられているそうよ。

梅津宣弘さん

国際大会などではエコクレーの使用が主流になると思うので、今後は競技場でもエコクレーが多く流通するようになると思います。コストも国産のクレーとほとんど変わらないと思うので、時期をみて販売してみようかと思っています。国産のクレーは処理が大変だけど、エコクレーは環境にも優しいし処理をする必要がないので楽ですよね!

ヨーロッパ貴族がルーツの射撃ファッション

そもそも、クレー射撃は、ヨーロッパの貴族の間で行われていたハトを鉄砲で撃つハンティングゲームがルーツのスポーツ。貴族が始めただけあって、とっても洗練された雰囲気が残っているの。例えば銃の持ち方もそう。人に銃口を向けないように選手はみなさん散弾銃を肩にかけて移動。危険な銃だからルールをきちっと守って安全に取り扱うんだけど、見た目がカッコいいわよね~ (*^o^*)

次はサングラス。オレンジ系はクレーの色が強調されてくっきりみえやすく焦点が合わせやすくなり、イエロー系はお天気が曇っているときなど、背景が暗いときに使うと全体的に明るくなって見えやすくなるらしいの。格好つけてサングラスしているわけじゃなくて、標的を見やすくするためなのね!それにしても、形も色合いもオシャレよね~。

お次は、選手が身に着ける射撃ベスト。左右のポケットにそれぞれ25発の装弾が入るの。

素早く装弾するために必要不可欠なベストなんだけど、獲物を狙うハンターっていう感じで、これもやっぱりかっこいい~♡☆彡♡

一応、ユニフォームには上の図に示したような決まりがあって、音の衝撃で鼓膜が破れないように耳栓などの着用が義務付けられているんだけど、膝上15cmより長いなら、なんとスカートもOKなんですって!獲物を追うハンターの面影を残しながら、エレガントな貴族の装いも受け継いでいるようなクレー射撃のファッション。クレー射撃って、円熟した紳士淑女が醸し出す“オトナ感”いっぱいのスポーツなのよね♡♡♡

銃の発射音と火薬の匂いが漂う競技場は緊張感に満ちあふれます。世界トップ選手が創り出す伝統競技ならではの荘厳な空気、ぜひ体感してくださいね~*^o^*)

(写真・文)東京オリンピック・パラリンピック実施本部スタッフ

                   
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