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2019年6月4日(火)

車いすラグビー 池透暢「"キャプテンシー"を高める挑戦」

車いすラグビー日本代表のキャプテン、池透暢選手。来年の東京パラリンピックに向け自らの力をさらに高めようと、半年間、世界最高峰のアメリカリーグに参戦しました。

そこで、目指したのは、チームをまとめる力を高めること。あえて低迷したチームに所属して仲間の力を引き出そすことが、自らの"キャプテンシー"を高めると考えたのです。その戦いに密着しました。

"世界一のロングパス"で世界選手権初優勝に導く

日本代表キャプテン、池透暢選手。19歳のとき、交通事故によって瀕死の重傷を負い、左腕のひじから先の感覚を失いました。

車いすラグビーに出会い、必死に磨いたのが、右腕一本で繰り出すロングパス。

その精度はいまや世界一と言われ、去年、日本を世界選手権初優勝に導きました。池選手には、障害を負って以来、胸に刻む信念があります。

車いすラグビー世界選手権 (2018年)

池透暢選手

可能性をあきらめない。“これ乗り越えないと”ということを乗り越えた先に新しい考え方ができたり、学びが多いので。

仲間の可能性を引き出し上位を目指す

車いすラグビーの世界最高峰、アメリカリーグ。世界各国の有力選手600人以上、44チームが戦い、全米一を目指します。このリーグに去年11月から参戦しました。

所属したのは、昨シーズン17位の中堅チーム。仲間の可能性を引き出して上位進出を目指しました。

チームの中に気がかりな選手がいました。ベン・トムリンソン選手です。脊髄損傷で、胸から下の感覚がなく、チームで最も障害が重い選手のひとりです。

試合では、守りを専門にしますが、障害の重さもあって、運動能力で勝る相手についていけず、トライを許す場面が目立ちました。

ベン選手に自信を取り戻してもらいたい!

ベン選手に自信を取り戻してもらいたい。自宅を訪ねた池選手は、思わぬ事実を知りました。

ベン・トムリンソン選手

僕はアフガニスタンで銃撃を受けたことがあって…。

ベン・トムリンソン選手 (左)

かつてアメリカ軍の兵士だったベン選手は8年前、戦地で首に銃弾を受け、障害を負いました。絶望からの歩みが、池選手自身のたどった道と重ったのです。

同じ境遇を持つ仲間へ。運動能力で勝てないならば、相手の動きを先読みする力を磨こうと、励まします。

ベン・トムリンソン選手

池はぼくと似た経験をしていると思う。だからどんな困難も乗り越えられる気がしてきたよ。

"自分に残された可能性をあきらめない"

半年の戦いを経て迎えた、シーズンの最終盤。司令塔の池選手、厳しいマークを受けながらも、ロングパス。トライにつなげます。

そして守りの要、ベン選手。「相手の動きを先読みしよう」という助言どおり、タックルを次々に成功させます。

守りが安定したことで、攻撃にも弾みがでて、チームは5位に躍進。自分に残された可能性をあきらめない。異国の仲間と思いを共にした半年間の挑戦でした。

ベン・トムリンソン選手

池のおかげでとても成長することができたよ。家に来てくれて本当にうれしかった。

池透暢選手

間違いなくいい出会いになりました。


障害を持った人って、育ってきた環境も、いろんな考え方が特に大きく離れている可能性もあるので、たくさんの学びがありましたね。

日本代表は、10月に東京で開かれる国際大会に出場します。池選手がどんなリーダーシップをとるのか、楽しみです。

山嵜雄大ディレクター

2006年入局。鹿児島局→スポーツ番組部を経て2016年より高知局。リオデジャネイロパラリンピックを現地で取材し、パラ競技のすごさを実感。

石井良周記者

2011年入局。熊本局→前橋局を経て2016年より高知局。行政・スポーツを担当。取材をきっかけに車いすラグビーに熱中。

                   
※NHKサイトを離れます

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