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2019年5月21日(火)

広島 床田寛樹「手術乗り越え」 ~担当記者が語るキラりと光る活躍シリーズ⑨~

ここまでキラリと光る活躍を見せている選手の思いに番記者が迫るシリーズ。第9回は広島の床田寛樹投手です。

救世主 3年目の床田投手

5月になってようやく調子を上げ上位争いに食い込んできた広島ですが、開幕から苦しみました。

「どうしたカープ」

開幕から5カード連続の負け越しに、勝利に慣れてしまった広島市民は戸惑い、街からは活気がなくなり・・・。そんな中、広島ファンにとって救世主に見えたのが3年目の床田投手でした。貴重な左の先発ピッチャーとして頭角を現した床田投手の活躍の裏側に迫ります。

癒やしは“セナちゃん”

今シーズン、開幕ローテーションを勝ち取った床田投手。5月17日時点でチームトップに並ぶ4勝を挙げ防御率も2点台、プロ初完投もするなど、抜群の安定感を見せています。

表情を変えず、強気にぐいぐいインコースを攻めるピッチングが印象に強く残りますが、ふだん話をしていると「穏やかな24歳の好青年」。

例えば、床田投手にリラックス方法を聞いたとき。思わず顔をほころばせ「犬と戯れるですかね。名前はセナ、女の子なんですけど。甘がみがひどくて、痛いけど、めちゃくちゃかわいいんですよね」と笑顔で応えてくれました。

次は猫を飼うことを検討しているそうです。

左ひじの手術乗り越え

床田投手は平成29年に中部学院大学からドラフト3位で広島に入団。1年目で開幕ローテーションを勝ち取り、2試合目で巨人相手にプロ初勝利。

DeNA戦 先発の床田投手 (2017年)

しかし、その1週間後の3試合目、左ひじの違和感で4回でマウンドを降ります。

そして7月に左ひじのじん帯の再建手術に踏み切りました。そこからボールを投げられない我慢の期間が続きましたが、その間の積み重ねが今のピッチングを支えていると振り返ります。

床田寛樹投手

投げられないときは、ずっと下半身のトレーニングなどをしていたんですけど、そのおかげで土台がしっかりできた。


いつか自分が投げる日を想像しながら、1日長いけど頑張っていこうとコーチやトレーナーがずっと言ってくれていたので、ダレずに練習を続けられた。

ストレートが変わった

走り込みなどを徹底して行い下半身を鍛え直したことで、特に効果が現れたのがストレートだといいます。

これまでは「ファールになることが多かった」というストレートにキレが増し空振りが奪えるようになったことで、「自信が出てきた」というツーシームや持ち味のスライダーなどの変化球がさらに生きるようになりました。

佐々岡真司投手コーチも次のように評価していました。

佐々岡真司投手コーチ

ストレートにスピード・強さがあり、変化球の出し入れが出来ている。


まずストレートを強い球が投げられているというのが今シーズンの結果につながっており、ケガなくローテーションを守ってくれれば、2桁は勝てると思う。

2年ぶり勝利に同学年の絆

4月6日の阪神戦で勝利を挙げた床田投手

チームが不振に苦しむ中、2試合目の登板となった4月6日のマツダスタジアムでの阪神戦。床田投手のストレートが走りました。ストレートを軸に強気に押して6回2失点で今シーズン初勝利。手術を乗り越えて実に2年ぶりの白星でした。

「何とか早く勝ちたいと思ってやっていた」という床田投手の初勝利を援護したのが4番の鈴木誠也選手。

鈴木誠也選手

床田投手と同学年にあたり、この試合、2本のホームランで白星を大きく引き寄せました。

2人並んでのヒーローインタビュー。鈴木選手は「トコ(床田投手)がしっかり投げてくれていたので、少しでも援護できればと思って、いい結果が出たのでよかった」と絆の強さを見せました。

このときのことを振り返った床田投手は・・・。「誠也はヒーローインタビューにやっぱり慣れているけど、ちょっと僕はオドオドした感じだった」と苦笑い。

それでも「僕が投げている試合はいつも誠也が打ってくれる。ほんまに頼りになる。刺激を受けるというよりは『すごいなー』という感じ。野球に関してはめちゃくちゃまじめで謙虚。尊敬できるし、なんとか近づいていけたら」。

新時代の左のエースへ

大野豊さん 川口和久さん

広島一筋22年で通算148勝138セーブの大野豊さん。広島と巨人で通算2092奪三振の川口和久さん。これまで広島からは、球界を代表する左ピッチャーが出てきました。

しかし平成13年の高橋建さんの10勝を最後に、日本選手の左ピッチャーで2桁勝利がなく、チームにとって左の先発は大きな課題の1つとされてきました。

それだけに床田投手にかかる期待は大きく、NHKプロ野球解説の大野さんも「度胸がよく、打者にどんどん向かっていく姿勢が頼もしい」と高く評価しています。

床田投手も「今ずっと左ピッチャーがいないと言われているが、僕が少ないチャンスをものにすれば、『左はジョンソン投手だけ』と言われなくなる」と自覚。

チームが、そして広島ファンが長年待ち望む左のエースとなれるか。今シーズンの活躍から目が離せません。

松山 翔平

スポーツ新聞社の営業職から平成22年に入局。大分局・千葉局を経て現在広島局。4月からプロ野球・広島を担当。元高校球児。ストレス解消法はジム通いとカラオケ。

                   
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