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2019年4月23日(火)

両角友佑が振り返るカーリング世界選手権!そして本人の今後は?

女子の中部電力、男子のコンサドーレがカーリング世界選手権に出場し、惜しくもメダルには届かなかったものの、どちらのチームも予選リーグから快進撃を見せ、4位という輝かしい結果を残しました。

世界の強豪を相手に、なぜこれだけの躍進を見せることが出来たのか?メダル獲得まであと一歩、わずかに手が届かなかった要因は何だったのか?

日本代表のスキップとしてピョンチャンオリンピックに出場し、現在は中部電力のコーチを務める両角友佑さんに、今年の世界選手権を振り返ってもらいました。

そして、ピョンチャンオリンピック後に表明していた新チーム発足についてのお話も伺いました。

日本カーリング界のレベルアップを実感した大会

――今回の世界選手権では中部電力、コンサドーレともに4位。世界の強豪を相手にこの結果は大きな躍進だと思いますが、両角さんからみていかがでしょうか。

どちらのチームも頑張りましたよね。男女ともに世界選手権は初めてですが、日本のレベルが上がってきているのを実感します。

世界選手権で戦うコンサドーレ

――一方で、メダルまではあと一歩及ばすといった結果でした。要因は何だと思いますか?

どちらのチームも世界選手権での経験がなかったことだと思いますね。実際、どちらの3位決定戦も勝てたかもしれない試合でした。その中で勝ち切れなかったのは相手が強かったのもあり、自分たちが追われる状況になったときに弱かったのもあります。

――つまり、メダル獲得のために必要なのは……。

世界での経験ですよね。海外ツアーは基本的に3敗すると終わりなんですが、世界選手権は結果が出るまで試合を続けていかなければいけないので、そのあたりは違いますね。

――長期間にわたって戦い抜くためのスタミナや計画が重要ということですね。

そうですね。世界選手権やオリンピックでしか積むことが出来ない経験というのが間違いなくあって、日本のチームはそこが足りていません。女子はここ4年で3回世界選手権に出場しているのに、3回とも違うチームです。なかなか安定して同じチームが行けていないので、経験は積みづらいですよね。
日本のレベルが上がるのはいいことなんですが、逆に国内の競争が激化しているからこそ世界には出づらいという面もあるんです。

世界選手権での中部電力

――今回の世界選手権は選手たちにとってどういう位置づけだったのでしょうか。

北京オリンピックを目指す上での第一歩でもありますし、その一方で、(オリンピック出場権をかけた)ポイントがつかないので気負わずに挑めた大会でもあったと思います。第一歩としてみると、いいスタートをきれた大会と言えますね。

――両角さんは今回の大会をどう捉えていますか?躍進した大会?それとも悔しさの残る大会?

どちらもですね。日本以外でもメンバーが入れ替わるなどの変化があったチームが多く、世界中が手探りの状態でした。そんな中でよくやったなという思いと、みんながチャレンジしている中であと一歩だったなという両方の印象があります。

中部電力にみえてきた課題

世界選手権での松村千秋選手

――中部電力のコーチという立場から振り返ってみるといかがですか?

中部電力の中で世界選手権の経験があるのはサードの松村(千秋選手)だけだったので、残りの3人にとってはとてもいい経験を積めたと思います。日本選手権よりも開催期間が長くて、さらに対戦相手が多くレベルも高い。休む余裕がない中で強い相手と戦い続けるというのはすごくいい経験でしたね。

――チームメが変わった実感はありますか?

実際に世界を見て、自分たちがどの位置にいるか分かるようになったと思います。そして、試合の中で自分の課題を実感することで、今まで僕が指導してきたことが腑に落ちるようになったと思います。気持ち的な変化は大きい……と思いたいです(笑)。

――今大会で見えてきたチームとしての課題はありますか?

純粋に、長い試合を戦い抜く体力が足りなかったです。僕ができるのは技術的な指導だけなのですが、そもそも体力がないと技術を習得できない。今後さらに力を伸ばしていくためには土台の部分(体力)を強化する必要がありますね。

――さきほど、日本は長期間にわたって戦う経験が少ないことが課題という話がありましたが、大会中のペース配分ではなく、体力そのものをアップさせる必要があるということですか?

中電に関してはそう思います。他のチーム、とくに北海道銀行やロコ・ソラーレはかなり体力がある印象なので。日本選手権は勝つことが出来たので認識しづらかったですが、今回は体力面での問題が顕在化するいい機会でした。だいたい3日目あたりが一番きつくて、それが結果に現れたのが予選の韓国戦やデンマーク戦。日本選手権でも同じタイミングで調子が悪くなりました。

――それでは、オフシーズンにどう過ごすかが大切になってきそうですね。

そうですね。世界選手権が終わった後のミーティングでも、来シーズンに向けての話が出るようになったのはチームとしてプラスといえます。もうちょっと練習量を増やしたいという話が出たので、僕が変えてあげられたらなと。

――実際のところ、練習量は足りていないのですか?

企業のチームなのでいろいろな面で恵まれている一方、カーリングに割ける時間は他のチームと比べてもかなり少ないです。そんな中で世界選手権4位という結果はすごいと思いますし、これまで積み重ねてきた確かな技術は元々あったものの、それをチームとして上手く発揮できていなかったのかもしれません。

――“コーチとしてできるのは技術的な指導だけ”という話がありましたが、それは両角さんのコーチとしてのスタンスですか?

そうですね。僕はコーチとして技術面と作戦面での指導に専念すると決めていたので、チームの目標などは選手自身に決めてもらい、その達成のためにサポートをするという立場です。
とくに大会中になるとコーチができることはほとんどないので。試合前に話すのと、試合後に気になることをフィードバックするくらいです。試合中に1回だけコーチがリンクに降りることができるんですが、寂しいくらい呼ばれないですし(笑)。あくまでも選手の主体性を尊重したいなと思っています。

――メンバーとの関わり方はコーチをしていく中でみえてきたのでしょうか?

ちょうどいい距離感はつかめるようになりました。技術や普段の生活についても「これくらいは言っていいんだな」というのが分かりましたし、「こういうこと言うと怒るんだ」とか……(笑)。ただ、基本的に伝えることは(どの選手に対しても)平等に伝えますし、ダメなことはしっかりダメと言うようにしています。

新チーム発足!北京オリンピックに向けて始動

――両角さん自身の今後の予定を教えてください。北京オリンピックまで中部電力のコーチは継続するのですか?

そうです。ただ、僕は来シーズンから新しいチームを作る予定だったので、それでもよければということでコーチになりました。

――コーチとしての経験が、選手としての今後の活動に生きてくることはありそうですか?

ひとりの選手としてではなくチーム全体を見ることができるようになったので、チームを強くするための能力は伸びたんじゃないかと思います。新しく作るチームでもきっと生かせるはずです。

――新しいチームは今どういう状況ですか?

日本選手権が終わった頃から少しずつ声をかけはじめて、メンバーはほぼ固まっています。北京を目指したいので、即戦力になり得る人を集めていますね。5月の連休明けには発表出来たらいいなと。「あいつ本当に(現役選手として)やるのかな?」と思われているかもしれませんがちゃんと発表します!やるやる詐欺ではありません!(笑)。

――新チーム発足を表明してから続報がなかったですからね。不安に思っている人も多いと思いますよ。

ははは、大丈夫です(笑)。ちゃんと活動はするし、頑張ります!

――となると、ライバルでもあるコンサドーレの今回の活躍は、見ていて悔しくなったりしませんでしたか?

それはとくになかったですね。普通にすごいなって思っていました。最後の1試合は本当に悔しかったですし、「これは勝った!」と興奮する感情を抑えながら解説をしていたくらいです。

今年に関しては、コンサドーレでなければあそこまでいけなかったと思うので、まずは次の日本選手権でどう倒すかを考えたいと思います。そもそも、日本選手権に出るところから始まるので……試合をしてもらえるように頑張ります(笑)。コンサドーレ、SC軽井沢クラブに並ぶ3強という構図を作りたいですね。

世界選手権で大健闘したコンサドーレ

――来季はどんなシーズンになりそうですか?

今は世界選手権から帰ってきたばかりで……とりあえず休みたいです(笑)。
今シーズンは、来シーズンがどういう風になるかを想定して動いてきたつもりなのでその答え合わせですね。コーチと選手を両立させると決めてやって来たので、それがうまくいくかどうかの答え合わせをするシーズンになるんじゃないかと思います。



日本におけるカーリングのレベルが上がっている今だからこそ、男子カーリング界に新たな風を巻き起こそうとしている両角さん。北京オリンピックに向けた戦いはすでにはじまっています。今後の日本カーリングに要注目です!

                   
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