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2019年4月23日(火)

#スケートボード日本の主役は"ティーン" 大躍進の秘密に迫る!

東京オリンピックから正式競技に採用された「スケートボード」。日本には世界トップレベルの選手が揃っていて、メダルの獲得が期待されています。強豪国のアメリカやブラジルは20代の選手が中心ですが、日本はそのほとんどが10代、“ティーン”が主役なのです。東京オリンピックの種目として採用された「ストリート」と「パーク」、その最前線でしのぎを削る若き精鋭たちの躍進の秘密に迫ります。

世界を席けんする日本の若き“トップスケーター”

スケートボードでは、選手のことを「スケーター」と呼びます。お椀を組み合わせたように湾曲したコースの「パーク」と、街中にある階段や縁石、手すりなどを模したコースの「ストリート」の2種目があり、難易度やメイク率(成功率)、スピードやオリジナリティなどを競います。まずは、日本の若きトップスケーターを5人、ご紹介しましょう。

日本人初の“ミリオネア・スケーター” 堀米雄斗(ほりごめ・ゆうと)

2018年、世界ツアー3連覇するという日本人選手初の快挙を成し遂げ、世界のトップスケータに名乗りを上げた日本男子の絶対王者。高校を卒業した2016年に単身渡米、世界の舞台でしのぎを削っています。「ストリート」の選手で、ボードを360度回転させる超ハイレベルのテクニックは見逃せません。1999年1月、東京都出身。

“ノリにノッてるオールラウンドスケーター” 池田大亮(いけだ・だいすけ)

「ストリート」と「パーク」の2種目両方で戦える数少ないオールラウンドスケーター。日本国内に練習基盤を置きつつ、世界大会でメキメキと頭角を現している “ノリにノッてる”スケーター。堀米選手に続く“ミリオネア・スケーター”に最も近い選手といわれています。得意技は、“スピントリック”と、体とボードを同時に回転させる大技。2000年8月、東京都出身。

日本女子の絶対エースで“ファッションアイコン” 西村碧莉(にしむら・あおり)

キュートでポップなスケーターファッションが人気で、世界中のガールズスケータ―から注目されている“ファッションアイコン”。男子顔負けの強気なプレイスタイルが持ち味の「ストリート」の選手で、2019年の世界選手権で優勝。階段や手すりを模した構造物の上から難易度の高い技を決められる数少ない女性スケーター。2001年7月、東京都出身。
所属先:木下グループ

スケートボード界の“インフルエンサー” 中村貴咲(なかむら・きさ)

インスタグラムを使って、毎日のようにメイクやファッションなど10代ガールズのティーンライフを配信している、同世代に人気の“インフルエンサー”。2016年、アメリカのテキサス州で開催された世界最高峰の大会「X-GAMES」でアジア人初の世界一に輝いた「パーク」の女王。世界トップレベルと言われるジャンプの高さは必見。2000年5月、兵庫県出身。所属先:木下グループ

華麗なる “舞姫スケーター” 四十住さくら(よそずみ・さくら)

東京五輪のメダルを目標に2018年から世界大会に参戦。いきなりアジア大会、世界選手権と立て続けに制覇し、華々しくデビューした新星。くぼ地状のコースの縁を使った技が魅力の「パーク」種目で、世界で数人しか出来ない「バックサイドノーズブランド180アウト」が決め技。三重や大阪のスケートパークに数時間かけて遠征し、技を磨いています。2002年3月、和歌山県出身。

驚異的なスピードで成長を遂げる日本の“ティーンスケーター”

日本の10代スケーターは、なぜ強いのでしょうか。日本ローラースポーツ連盟スケートボード日本代表コーチを務める早川大輔さんによると、10代スケーターの人口の多さが背景にあると言います。日本国内のスケートボードの愛好者はおよそ40万人、そのうち選手として競技大会に出場している選手は1,000人以上、そのほとんどが10代なのです。

早川大輔さん

スケートボードは1990年代、音楽やファッションと結びついた若者のストリートカルチャーとして広く浸透しました。特に流行に敏感な中学生や高校生が熱中したんです。競技としてのスケートボードが日本で本格化したのは21世紀に入ってから。90年代に熱中した世代が親になって、親子で楽しむうちに子どもがスケートボードの選手として大会に出場するようになったというケースが結構多いんです。

それにしても、これほど短期間に世界トップレベルにまで大躍進を遂げられたのはなぜでしょうか。早川さんは、失敗を恐れず果敢に挑戦する姿勢が急成長の引き金になっていると見ています。

日本ローラースポーツ連盟 スケートボード代表コーチ 早川大輔さん

早川大輔さん

10代の選手は、失敗を恐れず難易度の高い技に果敢に挑戦します。たとえ失敗しても、トライを繰り返す姿勢を讃え合い、励まし合います。怖いもの知らずと言いますか、守りに入っていないんです。そもそも10代の選手は体重が軽くて体が柔らかいですから、どんどん新しいテクニックを吸収して技を習得していきます。とにかく成長するスピードの速さにはいつも驚くばかりです。

インスタで「トリック」を習得!?“スマホネイティブ世代”の流儀

さらに、肌身離さず持ち歩いているスマホにこそ、大躍進の秘密があると早川さんは指摘します。実はスマホアプリのインスタグラムには、スケートボードで「トリック」と呼ばれる技の動画がたくさんアップされています。選手はそれを見てトリックを学び、自分も練習して新しいトリックを完成させると、その動画を同じように投稿して披露することがスケートボード界の常識になっているというのです。

織田夢海選手

日本代表強化指定選手の一人、2006年生まれの織田夢海(おだ・ゆめか)選手もスマホでトリックを学んでいます。織田選手が見ているのは、女子世界ナンバーワンの実力者、ブラジルのレティシア・ブフォーニ選手など、海外のトップ選手の動画です。

ブラジルのレティシア・ブフォーニ選手

織田選手は学校が終わってから母親と一緒に練習場のスケートパークに行き、ほぼ毎日夜9時まで、スマホで何度もトリック動画を見ながら練習に励みます。

織田夢海選手

練習時や寝る前にも動画を見てイメージトレーニングするようにしています。見てるうちに自分も出来そうな気持ちになってくるんです。スマホならいつでもどこでも、繰り返し見られるし、映像を止めたり拡大することもできる。海外のトップ選手のインスタを見てトリックを勉強している選手は多いです。

日本ローラースポーツ連盟 スケートボード代表コーチ 早川大輔さん

早川大輔さん

日本の10代の選手はスマホを当たり前のように使っている世代。そして、自分の動画を見て欲しいというモチベーションがとても強いんです。みんなに見てもらうためには、難しいトリックを成功させる必要があります。そうすると自然と練習量も増え、誰もやっていないトリックに果敢に挑戦するようになるのです。その結果、選手の技術力は急速にアップして、次第に大会でもいい成績が出るようになる、こういう好循環ができているんです。10年ほど前までは日本のスケートボード界は世界から10年も遅れていると言われていたのですが、スマホが普及したことで差が急速に縮まっているんです。

“ティーン”の後には、幼児や小学生の“キッズ”選手がたくさん控えています。スケートボードは東京オリンピックを皮切りに、2024年のパリ五輪や2028年のロサンゼルス五輪で、日本の新たなお家芸になるかもしれません。

                   
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