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2019年4月17日(水)

ハワイ生まれの"マーメイド・サーファー" 前田マヒナの素顔!

日本人の両親のもとハワイで生まれ育った前田マヒナ選手は、世界各地を転戦するサーフィンのプロツアー、「WSL」(ワールド・サーフ・リーグ)で活躍する実力派。アメリカと日本の両方の国籍を持っていますが、日本人として東京オリンピックに挑戦をすると宣言、日本サーフィン連盟の強化指定選手として練習に励んでいます。ハワイで生まれ育った健康的な小麦色の“マーメイド・サーファー”前田マヒナ選手、インタビューでその素顔に迫ります。

パワフルでダイナミックな“マヒナ・スタイル”

─前田選手の高い「スプレー」(波を蹴り上げたように広がる水しぶき)は、世界のトップサーファーの間でも高く評価されています。大きな波を自在にコントローするパワフルでダイナミックなサーフスタイルは前田選手ならでは、“マヒナ・スタイル”ですね?

前田マヒナ選手

生まれ育ったオアフ島の北側の海「ノースショア」には、大きくて激しい波が押し寄せる「パイプライン」と呼ばれるポイントがあります。6歳でサーフィンを始めてからずっとパイプラインの強烈な波で練習してきたので、パワーがある大きな波が得意です。大きな波では、力強くボードを踏み込んで波にレール(サーフボードの端)をしっかり入れないと「スプレー」が小さくなってしまい、高得点につながる良いパフォーマンスはできません。強い波に負けないパワーが大事なんです。

─ハワイの海は海底の地形が岩礁やサンゴ礁の「リーフブレイク」ですが、東京オリンピックが行われる千葉県の九十九里浜は砂地の「ビーチブレイク」です。ハワイに比べて波は小さく、波の発生ポイントや波質が刻々と変化します。九十九里浜の波は、難しいですか?

前田マヒナ選手

ビーチブレイク」は波に力がないので、レールが入りづらいんです。ハワイで長年過ごした私は経験が足りません。慣れるまでは、サーフボードを変えたり、サーフボードの動かし方を変えてみたりしながら、コツをつかむ必要があります。苦手意識はないですが、日本で練習して自信をつけたいです。

海との「リレーションシップ」があれば「ギフト」がもらえる

右から二人目が前田選手

─サーフィンは、刻々と変化する波に順応して、波と一体になれるかを競う競技とも言われます。前田選手は、どのように波に順応しているのですか?

前田マヒナ選手

このスポットだと今は良い波が来ないから、次に移動しようって動いて波を探して、良い波がきたら気持ちよく乗ることが大事です。「ミスしちゃった」「負けちゃった」なんて過去のことを考え過ぎると前に進まないので、いつも今のことを考えています。エンプティマインド(無心)で来た波に自然な気持ちで乗る、その方が良い点が出るんです。

右から二人目が前田選手

─前田選手は、サーフィンだけでなく、洞窟で海に潜ったり、ビーチで遊んだり、海と共に生きてきたそうですが、そういう経験が波に順応することに生かされているのでしょうか?

前田マヒナ選手

いつも海にいると「これがいい波」ってわかるようになるんです。考えるより、感覚的に。サーフィンは海と自分とのリレーションシップが一番大切なネイチャースポーツです。すぐにできるようになるものじゃない。時間をかけて海とリレーションシップ(信頼関係)を作っていくと、波のリズムとか潮の流れがわかるようになります。リーションシップがあれば海からギフトがもらえるんです。

しなやかで強い筋肉を生み出す「柔術×ヨガ」のトレーニング

─前田選手のパワフルでダイナミックなサーフスタイルは、卓越したボディーバランスと強靭(きょうじん)な下半身があってなせる技ですが、最近は新しいトレーニングを取り入れているそうですね?

前田マヒナ選手

「ジナスティカ・ナチュラル」というヨガの呼吸やブラジリアン柔術、人間の自然な動きなどを組み合わせたトレーニングをやっています。インストラクターの資格も持っているんですよ。毎回、形も、高さも、強さも、崩れ方も違う波に乗るので、順応するためには瞬時に体を動かせるしなやかで強い筋力が必要です。このトレーニングは、自分の体重で負荷をかけながら、柔軟性と筋力を高めることができるんです。

─「ジナスティカ・ナチュラル」を取り入れてから、メンタルの面にも変化が現れたそうですね?

前田マヒナ選手

以前は、波のコンディションが悪いとすぐにネガティブになっていましたが、他の選手が乗れるなら、私だって乗れるはずって思えるようになりましたね。練習についても気持ちが入らないなら休んでもいい、今日はおやすみして明日やろう、という風にフレキシブル(柔軟)に考えられるようになりました。前よりリラックスしていますし、楽になれました。

日本の「ネクストジェネレーション」に「ギブバック」したい

─前田選手は、アメリカと日本の両方の国籍を持っていますが、日本人として東京オリンピックに挑戦すると宣言しました。練習拠点も日本に移して、日本の「ビーチブレイク」に順応しようとしています。どのような目標を持っていますか?

前田マヒナ選手

私がサーフィンを続けられるのは両親をはじめ、周りのサポートや応援があってのことです。だから将来、私はサーファーとして培ってきたテクニックやマインドを日本のネクトジェネレーション(次世代)にギブバック(恩返し)したいと思っているんです。日本ではサーフィンのコーチはまだ少ないですし、サーフィンのコミュニティーも小さいですから。

─東京オリンピックが、そのきっかけになるといいですね?

前田マヒナ選手

日本では「マヒナって誰?」って感じでしょ? だから、東京オリンピックで多くの日本人に私を見てもらえたらと思っています。日本の方々にサーファーの前田マヒナを知ってもらうことで、私のサーフコミュニティーを作ることから始めたいと思っています。

目を輝かせながら、「日本で次の世代をインスパイア(感化)したい」と語る前田マヒナ選手。1998年生まれの“ハワイアンジャパニーズ”の脳裏には、確かなビジョンが描かれています。

                   
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