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2019年4月17日(水)

日本は競歩王国!?完歩すら厳しい過酷な競技に迫る!

オリンピック種目である競歩。じつは日本、“競歩王国”だったんです! 2018年の世界トップ10には日本選手が5人もランクイン。

その強さの秘密を、2018年のアジア大会で優勝した勝木隼人選手と、2017年の世界選手権で銀メダルを獲得した小林快選手にクローズアップしてひも解きました。

2つの厳しいルール!

ご存じの方も多いかもしれませんが、競歩は同時に両足が地面から離れてはいけません。これを『ロス・オブ・コンタクト』といいます。競歩未経験の人でも、この動きには注意できそうです。

もうひとつのルールが、『ベント・ニー』と呼ばれるもの。前の足が地面についてから体の真下を通るまで、膝を曲げてはいけないのです。

このルール、いざやってみようとするとなかなか難しい……。

競歩って、想像以上に技術力が必要なスポーツなんですね!

心技体 究極の戦い

20キロと50キロの距離で競い合う男子競歩。その中でも50キロは、もっとも過酷な陸上競技と呼ばれています。前回のリオデジャネイロオリンピックでは、熱中症などにより80人中19人が途中棄権したくらい。それにはコースの内容も影響しているのだそう。50キロに対し、コースは2キロ。つまり同じコースを25周、約4時間歩き続けるのです!

さらに、コース上には9人の審判がいて、『ロス・オブ・コンタクト』と『ベント・ニー』の2つのルールを守っているか、厳しい目でチェックされます。

黄色の札は注意、赤い札は失格となりレースはそこで終了です。そんな空間で選手は反則ギリギリのところを狙い歩き続ける。競歩は“審判と選手のかけ引き”という側面もあるんだとか!

これじゃ、精神的にもかなり追い込まれてしまいますよね。これだけ厳しいレースなので、リオデジャネイロオリンピックで完歩できたのは、80人中49人! 完歩できただけでも、すごいことなんです!!

ちなみに、レースは約4時間という長時間。ただただ歩くことに集中しているとかなり疲労がたまるそうで、小林選手は観客席をチェック、特にきれいな女性を見つけることで自身を鼓舞しているそうですよ(笑)。

美を極める!

競歩には“歩く世界遺産”と呼ばれるレジェンドがいます。その選手の名はジェファーソン・ペレス(エクアドル)。

22歳で挑んだ1996年のアトランタオリンピックで金メダルを獲得し、2008年の北京オリンピックでは銀メダル、オリンピックと世界選手権で6個のメダルを獲得した歩く伝説。ペレス選手の特徴は、圧倒的なスピードを出しながら、違反にならない美しい歩きです。体の上下動を極限まで減らした地をはうような歩きで、頭の位置はほとんど動きません。審判も指摘するポイントがないくらい一切無駄のない体の動きです。

“早くて美しい”、これこそが競歩選手が追い求める究極の美! 勝木選手は以前スーパーモデル・冨永愛さんのウォーキングを参考にして練習を重ねたそうですよ♪

冨永愛さんのウォーキング

日本勢の急成長!

かつての日本選手は、今ほど強くありませんでした。転機となったのは2003年にパリで行われた世界選手権でのある事件。5人が出場した日本勢、そのうち3人が歩型違反で失格になってしまいます。これは“パリショック”と言われ、日本競歩界で語り継がれているんだそうです。

その原因は日本国内の審査基準が世界レベルではなく、国内試合での判定が甘かったから……。

それから日本陸上競技連盟が、競歩専門の審判資格を作り審判の育成に乗り出したのです。特に力を入れたのが、実際の試合をビデオで見て、歩き方を判定するテスト。難しい事例をそろえることで、審判の目を鍛えました。

さらに、年に1回は世界で活躍する競歩審判を招き勉強会。その内容は選手とも共有され、世界で活躍する選手(そして審判)が育っていったのです!

興味がなかった競歩で世界と戦う勝木&小林!

もともとは長距離選手で、競歩には興味がなかったという勝木&小林両選手。

勝木選手は大学のコーチに声をかけられ断り切れず始めたそう。

そんな勝木選手ですが、持ち前のやると決めたらひたすら突き進む性格で競歩に取り組み、「練習量は誰にも負けない」と誓ったその距離は多い月で1,000キロ!!集中して3時間腕を振り続け…なんとろっ骨をけがしていたことも…!

そして、どんな状況にも動じないハートの強さを持つ小林選手。長距離選手として箱根駅伝を目指していましたが、タイムが伸び悩んだ3年生の春に監督から「マネージャーになるか、競歩をやるか陸上部を辞めるか選べ」と究極の選択を迫られます。

そこで渋々競歩を選んだそう。そんな小林選手は「今一番得意なのが競歩だったので競歩で世界を目指そうと思って仕事として、と言ったら言い方が悪いですけど、そういう風にやっています」と話します。

こんなきっかけで競歩の選手になった2人は、共に「難しい競技だからこそ、研究する楽しみがある」と言います。

「ぜひ競歩を生で観戦して、そのスピードや面白さを感じて欲しい」と勝木選手・小林選手ともに話します。

2人が一緒に東京オリンピックの表彰台に立つのも夢じゃないかもしれません!

                   
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