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2019年4月15日(月)

#サーフィン 世界トップサーファーによる技と駆け引きの攻防戦!

世界中で若者を熱狂させているサーフィンが、東京オリンピックの競技に加わりました。世界の愛好者3500万人、アメリカやオーストラリア、ブラジルで特に人気が高く、50万人を超える観客が詰めかける競技大会もあります。

そうした世界ツアーでしのぎを削るトップサーファーの男女それぞれ20人が集うのが、東京オリンピックです。世界最高峰の技の共演、一体どんなドラマが繰り広げられるのでしょうか、サーフィンの見どころをご紹介します。

波と対話して、その波に合った最高の技を繰り出す

サーフィンは、サーフボードを使って波に乗り、そのライディングテクニックを競う採点競技です。他の採点競技と違うのは、競技が行われる条件がそのつど異なること。

海の波は、風の強さや方向、潮の満ち引きなどによって刻々と変わるからです。運を味方につけながら、いかに良い波をつかみ、最適な技を決められるのか、それがサーフィン競技です。日本サーフィン連盟の広報副委員長で、サーフィン放送の制作にも携わる岩波重之さんに聞きました。

日本サーフィン連盟 広報副委員長の岩波重之さん

岩波重之さん

選手はその日の風向き、潮の満ち引き、そして波が来るリズムを見極めながら、波を選びます。サーフィンでは「セット」と言いますが、大きな波はある程度、まとまって押し寄せるんです。


どのくらいのペースで、その「セット」がやって来るのか。「セット」のうち、今日は何本目の波が大きいのか、刻々と変化する海の状態を観察してイメージトレーニングをしながら待っています。

サーフィン競技では選手が波乗りをするたびに3〜5人のジャッジが技の難易度や創造性、スピードやダイナミックさなどを10点満点で評価・採点します。一組4人の選手が20〜25分の間に10本前後のライディングを行い、点数の高かった2本の合計点で順位が決まります。

しかし、フィギュアスケートのような明確な技の採点基準はありません。刻々と変化し2つとして同じ波がない中、選手がその波に合った最高のパフォーマンスができたのか、総合的に評価されるからです。波と対話しながら、ベストな波乗りをした人が勝者となります。

岩波重之さん

波は浜に近づくにつれて小さくなって同じ技でも難易度が下がるため、大きくて角度がある波のうちにアクションを成功させれば、難易度が高く高得点が出ます。ターンならどれほど鋭利に曲がったのか、波の底だったのかてっぺんだったのか、など総合的に判断されます。


ですから、サーフィンでは、その海の波を知り尽くしている地元の選手が有利です。東京オリンピックでは日本の選手にも十分に世界と戦える余地があります。

サーフボードが作り上げる世界最高峰の波の芸術

2つとない波の特徴をつかんで、その波に合った最高のパフォーマンスを披露するサーフィン競技は、時に激しく、時に美しく、時に気高く、見るものを魅了します。まさに人間が自然と一体となって作り上げる瞬間の芸術です。

その一度限りの圧巻の光景を生み出すサーフボードには、長さ275㎝以上で丸みをおびた「ロングボード」と180㎝ほどで先端のとがった「ショートボード」、その中間の「ファンボード」があります。

オリンピック競技で使われるのは、「ショートボード」。操作性が高いためより華麗でアグレッシブな演技が期待されます。サーフボードを使って繰り出される数々の技の中から、特に人気の高い技を2つご紹介しましょう。

エアリアル

スピードをつけて、波の壁を一気に駆け上がり、空中へ飛ぶ技、「エアリアル」。スケートボードの「パーク」種目やスノーボードの「ハープパイプ」のような華麗な空中技です。エアの高さや回転を加えるアクションが見どころです。

チューブライド

波が巻くことでできる空洞の中を疾走する技「チューブライド」。頭の上から波が覆いかぶさってくるかのよう。まさに人間と波が一体となって生み出されるサーフィンらしい美しい技です。

ハワイのような高くて大きな波ならではの技ですが、オリンピック会場となる釣ケ崎海岸でもチューブができることがあるので、この技が東京オリンピックで見られたら最高です。

波の上で静かに繰り広げられる激しい心理戦

サーフィン競技には、もう一つ見逃せない見どころがあります。それは、対戦する4人の間で繰り広げられる駆け引きです。サーフィンでは1つの波には一人しか乗ることができません。そのため4人が平等に波に乗れるように優先権を決めるルールがあります。

選手は、自分の優先権を把握しながら波を待つ場所を決め、波の高さや大きさ、形などの波質と自分が繰り出せる技を勘案し、どの波に乗るのか瞬時に判断しているのです。

誰も乗らない波をあえて狙って総合点を上げたり、優先権が回ってくるのを虎視眈々(こしたんたん)と狙って一発逆転の大技に挑戦したり。波の上では激しい心理戦も繰り広げられているのです。

日本サーフィン連盟 広報副委員長の岩波重之さん

岩波重之さん

競技の終了時間が迫ってくると選手同士の攻防は激しさを増します。得点が低い選手に良い波を渡してしまうと逆転される可能性もあるので相手をブロックするために必要がなくても波に乗り、他の選手のチャンスを潰そうとすることもあります。


波の上で展開される一つ一つの技の華麗さに加えて、優先権を巡る選手同士の駆け引きも、ぜひ見ていただきたいと思います。

東京オリンピックのサーフィン競技は、7月26日(日)〜8月2日(日)のうち波の良い4日間を選んで開催される予定です。世界最高峰の戦いが、日本の海で繰り広げられます。

                   
※NHKサイトを離れます

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