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2019年4月4日(木)

増田明美が注目!女子マラソン オリンピック有力候補は?

いよいよ来年に迫った東京オリンピック。今年の9月15日に開催されるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の優勝者(※)はいち早くオリンピック代表に内定します!

※2位、3位のうち「MGC派遣設定記録」を突破した最上位者も代表に内定。
「MGC派遣設定記録」突破者がいない場合は、2位の選手が自動的に代表に内定。

とにかく見逃せないMGCの注目すべき女子選手を、”細かすぎる取材力”でおなじみ、スポーツジャーナリストの増田明美さんに教えていただきました!

「おとぼけ秀才ランナー」鈴木亜由子

マラソングランドチャンピオンシップでの最有力選手は、鈴木亜由子選手です。

2018年に出場した北海道マラソンで優勝した際のタイム“02:28:32”(鈴木選手の自己ベスト)は抜きんでて速いわけではありません。しかし、鈴木選手は暑さ・湿度が得意という武器があります。「暑い大会じゃないと力を発揮できない」というほど。

加えて、鈴木選手にはマラソン転向前はトラック競技経験があり、リオオリンピックの5000メートルと10000メートルに出場しています。マラソンよりも速いペースで走れるという余裕も結果につながると思います。

そんな彼女を一言で表すなら「おとぼけ秀才ランナー」

名古屋大学卒業の才女なのですが、なんと言っても本番の集中力に秀でています。

マラソンというのは2時間半弱自分と向き合い続ける競技ですが、その中でも鈴木選手はペース配分や勝負どころを外しません。この本番の集中力は鈴木選手の頭脳明晰さからきていると思います。

鈴木選手の座右の銘は、「失意泰然(しついたいぜん)・得意淡然(とくいたんぜん)」。スランプでうまくいかない時も、逆に調子がよくて注目されても、淡々としていようという意味ですが、まさに体現できている選手です。

こんな難しい言葉を知っている秀才な選手ですが、本当に庶民的で少し抜けているところもあり、親しみやすいという意味をこめて、“おとぼけ”秀才ランナーです。

「元気印の腹筋女王」松田瑞生

次にご紹介する有力選手は松田瑞生(まつだ みずき)選手。彼女はおもしろい選手ですよ。

とにかく元気で、腹筋はシックスパック。そのまま「元気印の腹筋女王」ですね。

元気だからこの腹筋も見せるために、冬の寒い中お腹の出るセパレートのユニフォームで走っていたこともあります。でもそのあとお腹が痛くなってしまい、その後の冬の大会はユニフォームで走っています(笑)。

座右の銘は、彼女が高校生のときお母様がはちまきに書いた「やる気!根気!元気!瑞生!」で、レース前には呪文のように唱えて自分を高めてスタートするんです。

彼女のマラソン選手としての魅力に、最後の勝負どころを外さないスパート力がすごいところがあります。

先ほど紹介した鈴木亜由子選手にもトラック競技時代の10000メートルで、最後の最後でせりで勝ったことがあります。

それを支えているのも彼女の腹筋です。なんと腹筋の声が聞こえるらしく、走っている間に腹筋のずれを聞いて、修正しながら走っているんだそうですよ。

「マラソン研究者」福士加代子

福士加代子さんにも注目しています。

長らく日本長距離界を引っ張っている日本の大エースですから。トラックの女王であり、ハーフマラソンの女王であり、マラソンの女王でもありながら、飾らない性格で後輩からも好かれているんです。他のマラソン選手に、「尊敬する人は誰ですか?」と尋ねると、福士さんの名前を上げる方が多いですね。

トラック競技のときには、レース中に後輩たちを叱咤激励しながら一緒にゴールするという熱い一面はもちろん、優勝インタビューでは青森の方言で答えるチャーミングな一面もあるからですね。

そんな福士加代子さんは「マラソン研究者」です。というのも、自分や他人のマラソンのDVDを本当に何度も何度も見ているんです。自分がどういう動きのときにスピードが出るのかを、腰の位置や上半身のリラックス感やちょっとした角度を見て研究しています。

それから粘り強さも福士さんの強さです。まるで彼女の競技人生そのもののようです。

結婚したあとに競技を離れましたが、また一から始めたり、大阪国際女子マラソンで転倒してけがをしてしまっても、6週間後にはまた走っていたり。転んでも立ち上がる強さが、福士さんを支えていると思います。

大阪国際女子マラソン(2019.1)で転倒し、途中棄権

「昭和の苦労人ランナー」野上恵子

最後にご紹介するのが野上恵子選手。我慢強く、いい意味で堅実で本当に昭和っぽい女性です。苦労人というのは、チームを移籍したり、けがをして陸上を諦めそうになったときも「やり残したことがある」と陸上を続け、29歳で初マラソンを走って遅咲きながらアジア大会では銀メダルを獲得したほどだからです。これまでの苦労が花咲いていく、そんな気がします。

ペースメーカーがいない!MGCの見どころ

2018年大阪国際女子マラソン 右端がペースメーカー

通常、日本のレースはペースメーカーがついていることが多く、ペースメーカーがいる30kmを超えたあたりからレースが始まるといっていいほど。

しかしMGCではペースメーカーがいません。ですので、自分たちでレースを作って勝負できるかがカギになります。誰がペースをつくっていくのか、誰が主導権を握るのか、誰がどこで勝負をかけるのか…私は考えちゃいますね。

さらにオリンピックを意識すると、暑さと湿度のある東京なので、アフリカ勢もベストなコンディションは出せないはず。メダルを、金メダルを狙いに行けるとさえ思います。

それを踏まえてMGCのレース展開に注目すると良いですね。

長年選手たちを見ている増田明美さんだからこそ、選手の走りだけではなく、性格的な部分まで含めてMGCの見どころを語っていただきました。

MGCでは、どんなドラマが生まれるのか、9月15日が楽しみですね!

                   
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