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2019年3月19日(火)

W杯優勝のカギは「若きベテラン」が握る!岩渕真奈&横山久美~日々野真理さんによる注目なでしこ連載 第1回~

2019年6月7日〜7月7日にフランスで開催されるFIFA女子ワールドカップ2019。前々回は優勝、前回は準優勝と、輝かしい成績を残してきた「なでしこジャパン」ですが、その頃とはメンバーも大きく入れ替わり、今大会は新監督のもとでの新たな船出と言われています。

現在のなでしこジャパンには、どんなメンバーが選ばれているのか?主力選手の特徴やその思いとは?──なでしこジャパンの密着取材を15年以上にわたって続け、その“歩み”と“思い”を知るスポーツジャーナリスト・日々野真理さんに紹介していただきます!今回のテーマは「2人のエース」です。

スポーツジャーナリスト/フリーアナウンサー 日々野真理

短大卒業後、アメリカに語学留学。帰国後、OLからフリーアナウンサーに転身し、1999年よりJリーグのリポーターとしてサッカーに携わる。2003年からは「なでしこジャパン」の密着取材を行い、女子ワールドカップでは4大会連続で日本担当のリポーター、インタビュアーを務める。2011年の優勝の際にも、優勝インタビューを担当した。代表選手との親交もあり、選手たちからの信頼も厚い。

新生なでしこジャパンをけん引するのは、世界が認める2人のエース

2019年6月、フランスでFIFA女子ワールドカップ2019が開催されます。

2011年になでしこジャパンがワールドカップドイツ大会で優勝してから、早いもので8年が経とうとしています。あの時の興奮を、皆さんは今でも覚えていらっしゃいますか?

その後、2012年のロンドンオリンピックで準優勝、2015年のワールドカップカナダ大会で準優勝と、世界大会で3大会連続ファイナリストという成績をあげたことで、日本の女子サッカーは世界中から一目置かれる存在となりました。

しかし、2016年にリオデジャネイロオリンピック出場を逃し、佐々木則夫監督は退任。現在は、再び世界の頂点を目指し、高倉麻子監督のもと、新たなチーム作りが進められています。

2019年3月シービリーブカップ

新チームは今年、初めての世界大会に臨みます。若い選手も多く、実力は未知数とも言えますが、その中でぜひ注目してほしいのが、このチームには欠かせないフォワードの2人。現在25歳、身長156センチの岩渕真奈選手(INAC神戸レオネッサ)と、同じく現在25歳で身長155センチの横山久美選手(AC長野パルセイロ・レディース)。ともに、世界が認める逸材です。

U-17 W杯でMVPを獲得! 世界屈指のドリブルテクニックを誇る岩渕真奈

岩渕真奈選手

まずは、25歳の若さで、代表入りから早10年の岩渕真奈選手。16歳から代表入りしていることもあり、多くの人が彼女の存在をご存じのはず。日本国内のみならず、女子サッカー界では、世界でも知られる存在です。2008年、17歳以下のワールドカップに15歳で出場しMVPを獲得したことで、その存在を世界に知らしめました。

「あの頃は、やんちゃでしたね」と振り返る岩渕選手ですが、「でも、日本に帰ってきてしばらくして思ったのは、自分はまだまだで、チーム(当時は日テレ・ベレーザ)にはもっとうまい人がたくさんいるのに、マスコミから注目されている状態に、なんか違うって思ってしまいました」と、若くして注目を浴びることに苦しんでいた時期もありました。

2011年にワールドカップで優勝した時は、わずか18歳。これまでを振り返りながら「いろいろな大会を経験してきましたけど、先輩たちに引っ張ってもらって、背中を押してもらって、もうお世話になりっぱなしでした。今だからこそわかることが、たくさんありますし、本当に感謝しています」と話しています。

女子サッカーが、なかなか注目されなかった時代。そのときに道を切り拓いてきた先輩たちの思いも知る岩渕選手。「だからこそ、リオデジャネイロオリンピック予選で敗退したことへの悔しさは募りました。それからは、自分たちが引っ張っていかなくてはという思いが、より強くなりました」と話します。

その悔しさから立ち上がろうとした岩渕選手は、2017年に、それまでプレーしていたドイツからなでしこリーグに復帰。体重を5キロ落としたことで動きのキレがアップし、そこからの2年間、代表戦で24試合・12ゴールをあげる活躍を見せ、数字でもその成長を示してきました。

先輩たちへの恩返しの思いも胸に、再び世界で戦う姿が楽しみです。世界でも屈指のドリブルテクニックで、相手を翻弄してゴールに向かって突破する姿と、大舞台になればなるほど輝きを放つ彼女の勝負強さにも、ぜひご注目ください。

U-17 W杯で驚異の6人抜き! 決定力の高さがウリの横山久美

横山久美選手

そして横山久美選手も、若い頃から世界の注目を集めてきたひとりです。2010年、17歳以下のワールドカップでのこと。準決勝の北朝鮮戦で、ドリブルで相手6人を抜き去りゴールを決め、世界に強いインパクトを与えました。その5年後、2015年になでしこジャパン入りしてから、わずか4年間、35試合で16得点という決定力の高さを見せています。

所属の長野パルセイロでは、今年からキャプテンを務めることになった横山選手。「長野は、ビッグクラブとか強豪クラブじゃないけれど、苦しいなかでもみんなで力を合わせて勝つという喜びを味わえるようにしてきたいです」と、思いを語ります。リーダーとしてチームを引っ張る経験をすることで、彼女自身の成長にも期待できそうです。

かつて、代表に選ばれたばかりの頃。「ちょうど同世代が就職活動中なんです。だから、私ががんばる姿を見せることで“自分もがんばろう”って思ってもらえるような、エールを送れる活躍ができたらうれしい。少しでも、みんなの力になれたらいいな」と、真っ先に友達のことを口にする友達思いなところも彼女の魅力。

やんちゃな見た目ながら、先輩たちにいじられながらかわいがられるキャラクターも持ち合わせています。「見た目はあんな感じだけど、繊細なところがあるし、かわいいところもあるんですよ」と語るのは、先輩の鮫島彩選手。ピッチ内の頼もしさの一方で、ピッチ外でのキャラクターも、愛されるゆえんなのかもしれませんね。

鮫島彩選手

横山選手にとっては、なでしこジャパンでの初めての世界大会となるワールドカップ、そして来年の東京オリンピック。「まずは、所属の長野でしっかりがんばって代表メンバーに選ばれるように。世界のトップの選手と戦えるのは、本当に楽しみです。フォワードとして、チームのために、日本のためにがんばりたい。そして、信頼して任せてもらえるような存在になっていけたらいいなって思っています」と、日々努力を重ねています。日頃の食事やトレーニングで体重管理をしっかりすることで動きのキレが増したことに加え、「世界で戦うならば、左右両足でゴールを狙えれば」と、利き足の右に加えて左足でのシュート練習を黙々と続ける姿もあります。

フォワードにもっとも求められる、ゴールやアシストという“結果”。持ち前の決定力で、代表でも結果を出し続けてきた彼女には、ワールドカップでも豪快なゴールに期待したいですね。

偶然にも2人がそろって口にした、1つの思い

2人が共通して口にする言葉があります。それは、「このチームで一番、得点をとる」ということ。

これは「自分が得点をとれればそれでいい」ということではなく、「チームの勝ちにつながる仕事がしたい」という思いが共通しているからこそ。エースとしての責任と自覚をもって戦い、チームを勝たせる存在でありたいという思いが伝わってきます。

良きライバルであり、相性の良いチームメイトでもある2人

そのことを横山選手に尋ねてみると、「真奈も同じこと言っていたの?お互い、いい刺激をしあえている存在だと思っています。でも、なんかライバルって感じではなく、一緒にプレーするのが楽しい選手なんです。真奈は本当にうまい。ドリブルもうまいし、やりたいプレーがわかりあえるし、信頼しあえています」と笑顔を見せる横山選手。

一方の岩渕選手も「横山の魅力は、まず得点力があるところ。そして、キープ力がすごい!!お互いに違うものを持っているし、お互いの力がチームの力になれたらいいなって思います。ライバルという部分も当然あるけれど、それ以上に、お互いを生かしあっていきたいという思いのほうが強いです」と、認め合う関係です。

2人の才能、積み重ねてきた努力、そして日本女子サッカーを強くしたいという強い思いは、必ずや実を結び、世界を舞台に輝く日がくると信じています。これから日本の女子サッカーをけん引していく2人のフォワードに、ぜひ注目していてください!

                   
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