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2019年3月12日(火)

宮崎にJリーグのクラブを!立ちはだかる壁とは?

サッカークラブのテゲバジャーロ宮崎は「宮崎からJリーグを」という旗印を掲げて4年前に結成されました。以来、階段を1歩ずつ上ってきましたが、そこには常に“宮崎ゆえの大きな壁”が立ちはだかっていたんです。壁を乗り越えようともがくテゲバジャーロの挑戦を追いました。

お金を払って試合を見る文化がない!?

宮崎県日南市で練習試合に臨んだテゲバジャーロ宮崎。練習試合にも関わらず多くの観客が集まりました。ところが…。

──誰を見に来たの?

子供たち「カズです」「カズ」「かずよし」。

この日対戦したのは、三浦知良選手らが在籍する横浜FC。ほとんどの観客が対戦相手目当てでした。キャンプシーズンになれば有名選手が次々に訪れ、間近で触れあうことができる恵まれた環境です。

ファン「タダで一流選手が見られるから、お金払って試合を見る文化がないのかな…」。

"すべてが足りない"

宮崎でプロを目指すチームが乗り越えなければならない、大きな壁です。街の人にテゲバジャーロの印象を聞いてみても…。

街の人「バジャーロって書いてある」。「知らないです」。

Jリーグの幹部がヒアリングに訪れた際も、地域での認知度の低さがやり玉に挙がりました。

Jリーグ木村専務理事

申し訳ありませんが、すべてが足りないと思います。


観客の数が500人平均に満たない中で、プロというのはいかがなものか。本当に民意があるのか。私どもとしては、気になる点があります。

Jリーグの最高峰、J1では毎試合、平均しておよそ1万9千人の観客が詰めかけます。地域を挙げて応援しようという熱気が見えないと指摘されたのです。

柳田和洋さん

チームの代表を務める柳田和洋さん。乗り越えなければならない壁の大きさを改めて認識しました。

柳田和洋さん

自分たちの立ち位置というか、地に足をつけて競技成績も、地域熱を上げていくこともしっかりやっていかないといけない。

宮崎にも『おらが街のチーム』が必要

宮崎市の中心部から5キロほど離れた住宅街に建つマンション。その1室が柳田さんが働くクラブの事務所です。

門川町で生まれ育ち、自らもJリーガーを目指していた柳田さん。ユニフォームを脱ぎ、クラブの代表に就いて4年。これまで150を超える企業にスポンサーになってもらうなど、チームの基盤づくりに奔走してきました。宮崎にも『おらが街のチーム』が必要だと長年、考えてきました。

柳田和洋さん

もともとJリーグが誕生したのが自分が20歳の時で、ちょうど大学で名古屋に行ってて。名古屋グランパスができるってなるとやっぱり興味があるから行くんですね。みんながその日に合わせてドレスコードみたいな感じで、ユニホーム着てみんなワイワイって集まるわけじゃないですか。


ああいうのを見て、おらが街のチームをみんなで応援するっていう文化に触れたのが一番大きかったですね。

もっとも悩んだ "自治体との交渉"

そんな柳田さんをこれまで最も悩ませてきたのが、試合会場をめぐる自治体との交渉でした。去年、柳田さんは15試合あるホームゲームの多くを人口の多い宮崎市で行いたいと考えていました。

ところが実際に開催できたのは、わずか3試合。この結果、都農町や串間市など人口密集地から離れた場所での開催を余儀なくされ、観客数が低迷する一因となりました。

宮崎市が保有するこのスタジアムでは毎年、J2のチームがキャンプに訪れています。市の担当者は、キャンプの時に最高の状態にするため、10月以降は一切の利用を断っていると明かしました。

宮崎市スポーツランド推進課・益元亮一課長補佐

どうしてもプロのスポーツキャンプに対応するための(芝の)養生期間(が必要)ということで、市民の方にご理解を頂いているというところはあるかと思います。

"スポーツを文化に"

そこで柳田さんが頼ったのが宮崎市の隣、新富町でした。去年9月、小嶋崇嗣町長が県内の自治体で初めて「ホームタウン」に名乗りを上げたのです。

この1年ほど、ひんぱんに話し合ってきたという2人。「キャンプだけではない、新たなスポーツ文化を育てたい」という思いを共有するようになりました。

小嶋崇嗣町長

キャンプで人が来ました。やったって、一過性で終わって。全然ただで見られるからスポーツ文化が育っていかない。スポーツビジネスは、まったく宮崎じゃ発展しません。


こんだけキャンプ来てるのに・・・。挑戦ですね。文化への。お金を払ってスポーツをみるっていうところの挑戦。

柳田和洋さん

産声をあげたらサッカーボールと、うちの白いユニフォームをプレゼントにあげて。


物心がついたら、家族でスタジアムに通うのが当たり前みたいな。愛されるよう根づいていきたい。

新富町はホームタウンになるだけでなく、4億5千万円をかけて専用スタジアムの用地も提供します。

収容人数5000人、駅や幹線道路からも近く、1000台以上の駐車場も確保する計画です。

Jリーグ木村専務理事

全国屈指の施設になる可能性はあるので、いかに盛り上がるかは市民県民の皆さま次第なので、ぜひ。

「おらが街のチーム」がある喜びを

チームとともに昇格をかけたシーズンに臨む柳田さん。「おらが街のチーム」がある喜びをファンに伝えたいと意気込んでいます。

柳田和洋さん

本当のガチンコの勝負って言うのをサッカースタジアムで、専用球場で見るっていうところでお客さんも感じ方が違うと思います。宮崎でプロの、本気度の試合をしたいというのは一番の思いになると思います。

その後、新富町に続いて宮崎市もホームタウンに名乗りを上げ、15試合のホームゲームのうち、14試合を宮崎市内で開催できる予定だということです。

松井嚴一郎

宮崎放送局記者。平成29年入局。警察担当のかたわら県内のスポーツシーンを精力的に取材。大学時代はスポーツ新聞部に所属し、自校選手の取材に駆け回った。高校はハンドボール部。

                   
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