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2019年2月18日(月)

スキージャンプ 小林陵侑 "脳波"で緊張克服!

スキージャンプの小林陵侑選手、22歳。今シーズンはワールドカップで11勝を挙げて個人総合ランキングで単独トップに立っています。

昨シーズンまでは極度の緊張感に悩まされ、ワールドカップで1勝もできませんでしたが今シーズンはメンタルトレーニングで緊張を克服して急成長。その秘密は「脳波」のコントロールにありました。

緊張が"天敵"だった!

時速90キロで滑りながら、一瞬で踏み切るジャンプ競技は高い集中力とメンタルの強さが必要です。

小林選手はNHKインタビューで昨シーズンまでは極度の緊張感に悩まされ、2回のジャンプを安定させることができず、苦しんできたことを明かしていました。

小林陵侑選手

(以前は、ジャンプ前に)もう汗をすごいかいて、ジャンプに集中できないというか、『何を、何からやったらいいんだろう?』みたいな感じ。非常に簡単なことができなくなってしまっていた。


特に1回目に良い記録が出た時などは、2回目に失敗してしまうことが多かった。

メンタルトレーニングで"脳波をコントロール"

極度の緊張に打ち勝ちたい。小林選手が新たに取り入れたのが「脳波」の測定結果を活用するメンタルトレーニングです。

シーズン前の去年5月、沖縄県宮古島での合宿から取り組んできました。

指導するのはニューロセラピストの林愛理さん。アメリカで脳波を専門に学んだスペシャリストです。

林愛理さん

スキージャンプは、一瞬で気持ちと体の照準を合わせていかなければいけないスポーツ。その意味で心技一体をしっかりと図っていくトレーニング方法を実践している。


ふだんは、意識されることなく行動に影響を与えている脳波と体のつながりを意識することで、より自分の体をコントロールできるようになる。

脳波トレーニングとは!?

小林選手のメンタルトレーニングは、どんなものなのか。林さんが特別に内容の一部を明かしてくれました。

トレーニングでは、最初に特殊な機械で脳波を計測。活動的な脳波であるベータ波やぼーっとしたときに出やすいシータ波など、大きく分けて5種類の脳波を測定します。

これにより自分の脳波がどのような傾向があるのか知ることができます。林さんによると、小林選手は、ベータ波と呼ばれる活動的な脳波が強くこの脳波が活性化しすぎて、極度の緊張を引き起こしていたということです。

小林選手は、計測によって判明した傾向をもとに脳波のバランスを整え、緊張を緩和するためのトレーニングに取り組んできました。

そのトレーニングがこのゲーム。画面の中で鳥が的に向かって飛んでいます。緊張の原因となっていた活動的な脳波が弱まると、鳥が的を通り抜けることができるという設定です。

ゲームを通して呼吸のしかたや、視線をどこに向けるかなど活動的な脳波を弱めるための方法を探っていきます。林さんによると小林選手は、こうしたトレーニングでつかんだ方法でジャンプ直前に活動的な脳波を弱めているということです。

小林選手は、計測によって判明した傾向をもとに脳波のバランスを整え、緊張を緩和するためのトレーニングに取り組んできました。

林愛理さん

自分の特性をより理解して、それに応じた対策をしっかり立てていく。


脳波を自分をコントロールするためにはこのトレーニングが必要だと思います。

"成長を実感した"ワールドカップ

トレーニングの成果は、1月下旬に札幌市の大倉山で行われたワールドカップ2連戦の2試合目でも表れました。

大会前に脳波を計測して試合に臨んだ小林選手。1回目は8位と出遅れましたが、2回目は風のない悪条件にもかかわらず飛距離を伸ばして、3位に入りプレッシャーをはねのけました。

小林陵侑選手

いい緊張感で飛べている。前は緊張して、どうしようもなくなることがよくあったが、今は落ち着いて飛ぶことができている。脳波のトレーニングの成果が大きい。

小林選手が目指すのは、ワールドカップ総合優勝と2月にオーストリアで開幕する世界選手権での優勝です。みずからの脳波をコントロールすることによって緊張の克服に挑んできた小林選手。世界のトップへ着々と近づいています。

細井 拓

平成24年入局 北見、釧路放送局を経て、平成29年から札幌局。プロ野球からサッカー、ウィンタースポーツまで幅広くスポーツ取材を担当。趣味は体を鍛えること。座った姿勢から倒立できます。

                   
※NHKサイトを離れます

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