読み込み中です...

2019年1月11日(金)

どこまでも貪欲 サッカー・堂安律Road to Tokyo/Qatar 第1回

いよいよ開幕したサッカー・アジアカップ。日本サッカーの未来を担う青きサムライたちをサンデースポーツ2020では、2020年の東京オリンピック、そして2022年のワールドカップ・カタール大会まで追いかけていきます。

第1回は、20歳のMF堂安律選手(フローニンゲン)。東京オリンピック世代のエース候補です。高校生の時、ガンバ大阪でJリーグデビュー。おととしからはオランダ1部リーグでプレーし、日本代表でも頭角を現しています。

ヨーロッパのビッグクラブでの活躍もにらむ堂安選手。その「貪欲」な挑戦の日々に密着!

“欲の塊”

去年12月。雪の舞うオランダ・フローニンゲンのスタジアム。
ピッチを眼下に臨むインタビュールームで、堂安律選手は今の心境を語り始めました。

サッカー日本代表 堂安律選手

堂安律選手

やっぱりどんだけいいプレーができても、もっと得点が欲しいとか、もっとアシストしたい。
どんだけいいクラブでプレーしてても、もっといいクラブでプレーしたい。
最近本当に、自分自身「欲の塊」だなって怖くなるくらい、欲に飢えている状況ですね。

「堂安ゾーン」 そして“The Doan”

ガンバ大阪からフローニンゲンに移籍した昨シーズン。堂安選手は初の海外挑戦ながら9ゴールをあげ、いきなりサポーターが選ぶチームのシーズンMVPに輝きました。

今シーズンもすでに4ゴール。1部リーグ残留を目指すチームにとって、欠かせない存在となっています。

右サイドでボールを受けてドリブル、ゴール前にカットインし、利き足の左足でシュートを狙う。これが堂安選手の得意の形です。中でも、去年11月にあげたゴールは自分でもかつてない感覚をつかんだほど、理想的な形だったと振り返ります。

堂安律選手

意図したとおりに相手も味方も動いて、意図したとおりのところにシュートを打てて、「そりゃ点が入るやろ」ってイメージどおりでした。3歳からサッカー初めて、17年間サッカーやってきたものを凝縮させたゴール、自分の中ではそういう感覚でした。

トップアスリートたちはしばしば、自分の理想的なプレーができた時、「ゾーンに入った」という言葉で形容することがあります。堂安選手の語った感覚は、まさにこのゾーンに入ったということではないか…。

「つまり、『堂安ゾーン』じゃないですが、そういうゾーンに入ったということですか?」

そう聞くと、堂安選手は同じ「ゾーン」という言葉でも違った意味だと解釈して答えました。
かつて、ゴール前左のエリアは、そこから数多くのゴールを決めたイタリア代表フォワードの名前を取って、「デルピエロ・ゾーン」と呼ばれていました。堂安選手は自らがゴールを決めたゴール前右のエリアを、この「ゾーン」に例えたのです。

堂安律選手

ちっちゃい子どもたちが、あのゾーンを「堂安ゾーン」って言ってくれたらうれしいなと思いますし、今まであった自信が確信に変わったなっていうのは、自分の中で強くあります。
だから、「The Doan」ってしていけたらいいなと思います。

当たり負けないことが当たり前

堂安選手の進化の秘密はどこにあるのか。取材班はオランダで、試合中の堂安選手の動きを追い続けることにしました。そこで見えてきたもの。それは、1メートル72センチと小柄ながら、決してピッチに倒れない姿でした。

「体格の大きな海外選手にも、絶対に当たり負けない」。

それは、堂安選手の大きなこだわりでした。

堂安律選手

もっとハイレベルになると、多少のファウルであったり、プレーの中での引っ張り合いなんて、正直当たり前のことなんですよね。その中で簡単に倒れてファウルをもらうよりも、そこでひとつ我慢して、相手のマークをひとり「はがす」ことによって、ゴールにもすぐつながりますし。

相手に当たられても倒れない走りを磨き続けるために、堂安選手が指導を受けている人がいます。
フィジカルトレーナーの杉本龍勇さん。陸上短距離でオリンピックに出場した経験を持ち、岡崎慎司選手などトップ選手の指導を手がける「走りのスペシャリスト」です。堂安選手は杉本さんに定期的にオランダに来てもらい、トレーニングを受けています。

トレーニングで意識していたのは、「中臀筋(ちゅうでんきん)」と呼ばれるお尻の部分の筋肉です。台の上に片足を乗せ、反対の足を腰の高さまで持ち上げます。

「しっかり中臀筋をリフトアップしよう。前傾しないでむしろ反りかえるくらい背筋を伸ばして」。

杉本さんの声に合わせ、逐一鏡でフォームをチェックしながら黙々と動きを繰り返します。脚の力を確実に「推進力」に変えられるよう、走りの技術を体に覚えこませていました。

サラーと自分の違いとは

自宅では、海外のトップ選手たちのプレーを見ながら、貪欲に自分のレベルアップにつなげられないか、模索しています。

モハメド・サラー選手

中でも今、特に目を奪われている選手が、昨シーズン、イングランド・プレミアリーグの得点王となったエジプト代表のフォワード、モハメド・サラー選手です。1メートル75センチと堂安選手と似たような体格で、世界トップクラスのリーグでゴールを量産しています。その多くが、味方のパスをワンタッチでシュートする、「ワンタッチゴール」です。

このワンタッチゴールを生む“一瞬のスピード”が、サラー選手と自分を比較したときに、決定的に差があると、堂安選手は感じていました。

堂安律選手

走るタイミングと走るコース、プラス自分の足の速さがあれば、点が取れるんだってことを改めて実感させられますね。
やっぱワンタッチゴールをとるんですよね、一流の選手って。うまくて速いって、ほんとセコいっすよね。止められないじゃないすか、うまくて速かったら。
僕自身こういうゴールがない。だからこそ二桁ゴールいってないですし、そこは強く感じさせられます

サラー選手のような一瞬のスピードを身に着けるために、堂安選手はチームでも特別なトレーニングを行っています。

取り組んでいるのは、サッカー選手が通常に行う単純な筋力トレーニングではなく、プレー中の様々な動きを想定したメニュー。実践に即した動きをトレーニング中から常に意識し続けることが、スピードアップにつながるのだと言います。

堂安律選手

チームのトレーナーの方にも、僕は筋トレはしませんって伝えてます。ただ単にベンチプレスをやるんじゃなくてモビリティー(機動性)であったり、そういう動きをやりたい。基本的にやってるのは、体幹に力を入れながら上半身下半身を動かす、スペシャルメニューです。

将来行きたいクラブは…。

去年、日本代表にデビューし10月には代表初ゴールと華々しい活躍を見せる堂安選手には、今後の去就に大きな注目が集まっています。ヨーロッパの複数の強豪クラブが獲得に興味を示すと報じられるなか、あえて直球で聞きました。

「将来的にプレーしたいチームはどこですか?」

答えは、即答でした。

堂安律選手

バルセロナかレアルマドリードです。そこでプレーしたい。
もうこれは夢なんで、言うのは勝手なので言いますけど、バルサかレアルでプレーしたいと思ってます。
ただそれは、バルサかレアルが好きだからとかじゃなくて、僕の中でバルサかレアルが、今チャンピオンズリーグで優勝できるチームだと思ってるからで、5年後6年後に違うクラブが世界一強いクラブになってるのであれば、僕は間違いなくそこに行きたいと思います。
その2つのチームが、今僕の夢に近いチームだから、それがバルサかレアルに行きたい理由です。

アジア制覇へ 唯一無二へ

貪欲に成長を続ける20歳。その最終進化型とは…?

堂安律選手

「唯一無二」です。やっぱり自分自身、だれも持っていない色になりたいと思っていますし、プロサッカー選手としてだけじゃなく、人として、唯一無二の存在になりたいと、強く思っています。

2019年、日本代表の中心選手へと成長を遂げた堂安選手。夏にはフローニンゲンから強豪のPSVに移籍。激しいポジション争いに身を置き、さらなる成長を期しています。東京、そしてカタールのピッチで「唯一無二」のプレーを見せる日のために。堂安選手は高みを目指し続けています。

                   
※NHKサイトを離れます

関連記事

    人気の記事ランキング

      記事ランキングをもっと見る

      最新の記事