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2018年12月26日(水)

躍進!コンサドーレ札幌 ~チーム改革の秘密に迫る~

北海道コンサドーレ札幌の活躍に魅了された方々は、多いのではないでしょうか。J1で4位となったのは、チーム創設22年で初の快挙です。

Jリーグ初参戦した1998年から、J1J2を行き来し、これまでの最高順位は11位でした。そこから4位へと大躍進。チームを劇的に変えたのが、就任わずか1年のミハイロ・ペトロヴィッチ監督です。旧ユーゴスラビア出身の61歳。愛称はミシャ。就任当初から打ち出したのは、「超攻撃的サッカー」。

これまでコンサドーレが行っていた守りを固め、少ないチャンスを生かす守備的スタイルから一転させました。ペトロヴィッチ監督が導入した新たな戦略に迫ります。

チームを変えた!超攻撃的サッカー

超攻撃的サッカーを実現するため、ペトロヴィッチ監督が、繰り返し訴えてきたことがあります。

ペトロヴィッチ監督

ひたすら走れ!サッカーでは走らなくていい試合などない!

すべての選手が、ゴールを目指し走ること。守りを担当するディフェンダーも攻撃に参加するよう求めました。

進藤亮佑選手

そのひとりが、ディフェンダーの進藤亮佑選手です。最大の特徴は、1試合平均11キロ以上を走る、チーム1の豊富な運動量です。

ディフェンダーながら、攻撃にも積極的に参加し、4得点を記録。今シーズン、フィールドプレーヤーでチーム唯一の全試合フル出場を果たしました。

進藤亮佑選手

攻撃的な組み立ての部分で成長を感じるシーンというのは、増えてるかなと思います。

さらに重要なのは、選手同士の“連動”。

何人もの選手がテンポ良くボールをつなぎ、5本以上パスをつないで決めたゴールは昨シーズンの2倍以上。

選手の“連動”を高めるために行っていたのが、独特なミニゲーム。ボールに触れるのは1回だけ。

しかも、パスを出した人に戻すのは禁止です。素早い判断力を養い、テンポ良い攻撃につなげようという狙いです。

駒井善成選手

頭と体が両方疲れるサッカー。日本一難しい練習してると思っている。

ペトロヴィッチ監督

選手が一丸となって動くという考え方が大切なんです。選手はボールを追い続ける姿勢を忘れてしまいがちです。


だから、あえて動かざるをえない状況を作って、全員を一つのボールに関わらせるという意識づけを行っているのです。

コンサドーレの超攻撃的サッカーを象徴するシーンがあります。9月のサガン鳥栖戦です。後半25分、最終ラインを守る進藤選手の動きに注目。相手のボールを奪うと、コンサドーレは、一気に攻め上がります。進藤選手は、ハーフウェーラインを超えて相手の陣地まで上がってきました。進藤選手を起点に、ワンタッチでボールを素早く繋ぎます。

ディフェンダーの福森選手のクロスに飛び込んできたのは、進藤選手でした。選手同士が“連動”しながら、パスをつなぐ。そして、ディフェンダーも積極的に攻撃でチャンスを作る。ペトロヴィッチ監督が目指してきたサッカーの形でした。

ペトロヴィッチ監督

ディフェンダーの福森がクロスをあげ、進藤がヘディングを合わせました。後ろの位置で守るはずの2人が、決定的なチャンスを作った、とても面白いシーンです。これが、私の理想とする展開でした。チームはより攻撃的なサッカーに向かって、大きく前進しました。

“戦う心”植えつけた 監督の人心掌握術

ペトロヴィッチ監督は、誰よりも早く練習場に姿を見せます。

選手を出迎え、スキンシップも欠かしません。そこには、ある信念がありました。

ペトロヴィッチ監督

大切なのは、リスペクトです。選手を尊重しなければ、監督も尊敬されません。


会社も同じです。社長が敬意を払わなければ、社員から尊敬されないでしょう。

選手との信頼関係を重んじるペトロヴィッチ監督。選手の悩みにも進んで耳を傾け、サッカーに集中できる環境をつくろうとしていました。

ペトロヴィッチ監督

社長がもっと話をすれば、社員は仕事を愛するようになりますよね。


だから、選手の個人的な悩みにも耳を傾けるべきです。悩みがあると仕事にも影響が出ますからね。

駒井善成選手

家族、大丈夫かとか。この前のオフはちゃんと休めたかとか。


練習に100%もっていけるように、プライベートのとこからやってくれるのはありがたいことだし、そういうこと長けた監督だなと思います。

石川直樹選手

ファミリーって言葉を監督はよく使うんですけど、本当に自分たちが、あの人の子どもなんじゃないかなって感じるくらい愛されてるのを感じるんすよね。

ときに感情をあらわにするペトロヴィッチ監督。しかし、やみくもに怒っているわけではありません。

たとえミスをしたとしても、積極的なプレーは褒めます。

ペトロヴィッチ監督

選手が挑戦した結果なら、失敗に終わっても、私は“ブラボー”と称えます。指示に従うだけではダメです。自分自身で考えなくてはいけません。

福森晃斗選手

“ブラボー”を求めてやっている部分もありますから。


攻めて攻めて相手を圧倒するという気持ちの部分と、技術面と戦う部分ということろは、より植え付けてもらいました。

選手と信頼関係を築き、その意思を尊重する。これが、コンサドーレ飛躍の原動力となった積極的なプレーを生んでいたのです。

細井 拓

平成24年入局 北見、釧路放送局を経て、平成29年から札幌局。プロ野球からサッカー、ウィンタースポーツまで幅広くスポーツ取材を担当。趣味は体を鍛えること。座った姿勢から倒立できます。

                   
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