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2018年12月21日(金)

密着 池江璃花子 「自分を追い込む」練習!練習!練習!の日々

競泳の池江璃花子選手。ことし、アジア大会で日本選手初の6冠を達成。日本記録も次々と更新しました。

アジア大会の後、休む間もなく国内、さらに海外で練習を続ける池江選手。東京オリンピックの前哨戦となる来年の世界選手権を見据えて、自らを徹底的に追い込んでいます。その日々に密着しました。
(サンデースポーツ2020 12月16日放送から)

高地合宿で見せた涙

12月。池江選手はアメリカで3週間の合宿を続けていました。場所は標高2100メートルの高地にあるアリゾナ州・フラッグスタッフ。

ある日の練習後、突然、池江選手が涙を見せました。その涙は、世界のトップを目指す強い覚悟が秘められた涙でした。

世界女王に異例の出稽古!

涙を見せたアメリカ合宿からさかのぼること2か月。

10月、6冠を達成したアジア大会を終え、池江選手は世界のトップ選手の練習に参加していました。そのトップ選手とは、スウェーデンのサラ・ショーストロム選手、25歳。バタフライと自由形で4つの世界記録を持つ、「女王」とも呼べる存在です。

2年前のリオデジャネイロオリンピックの女子100mバタフライで、二人は対戦。このレースでショーストロム選手は、世界新記録をマークし金メダルを獲得。池江選手は、圧倒的な強さを見せつけられました。

自分と女王との差はどこにあるのか。異例の「出稽古」を申し込んだのです。

池江璃花子選手

ひとつ言えるのは、ここには「強化」ではなくて「経験」をしに来ているということです。世界のトップスイマーがどんな練習をしているのか、経験として肌で感じたいと思って、ここにきました。

ショーストロム選手の体幹トレーニング

まず感じたのは「パワー」の差でした。体幹を鍛えるトレーニングでは、ショーストロム選手は重いボールを足に挟み負荷をかけながら、両足を顔まで引き上げます。

池江選手の体幹トレーニング

一方の池江選手は、負荷がない状態でも、胸まで上げるのがやっとです。

ショーストロム選手の身長は、池江選手より10センチ高い1メートル82センチ。「女王」は、その恵まれた体を、さらに徹底的に鍛え上げているのです。

突き付けられた精神力の差

そして、プールに入っての練習。パワー以上に、女王の強さを支えているものがありました。それが「精神力」です。

ショーストロム選手と並んで、100メートルを5本。徐々にペースを上げ、5本目は全力で泳ぐことを繰り返す練習。体力を消耗していく中で、強い気持ちが必要とされるメニューです。全力で泳ぐ最後の5本目。池江選手はショーストロム選手についていくことができず、2秒の差をつけられます。
ここぞの場面でしっかりと力を出し尽くす。女王の強さの本質がそこにありました。

池江選手は女王に練習で圧倒された

池江璃花子選手

本当に頑張らなきゃいけない、一回をすごくいいタイムで泳がなきゃいけない練習で、彼女は強いなって。
まだまだ自分はそこに到達していないんだと、すごく感じました。

一方のショーストロム選手。7歳年下の池江選手の泳ぎについて、こう語りました。

サラ・ショートストロム選手

ショーストロム選手

池江選手はまだ若いので、改善すべき点はたくさんあります。トップスピードで泳ぐことが最も重要ですが、それは、精神的な挑戦でもあるんです。

池江選手にとって、これまで話をしたことさえなかった女王と過ごした2週間の合宿は、東京オリンピックで勝つために、超えなければならない存在の大きさを肌で感じた時間となりました。

力を出し尽くして泳げるか

ショーストロム選手との合宿を終え、池江選手は12月、アメリカに高地合宿に向かいました。

池江璃花子選手

今はサラ選手を追いかける立場にいるけど、今の自分がどういう立ち位置にいるのかも理解してきたので、これからどんな練習をすれば強くなっていくのか、いい感じの流れが気持ちの中にあります。

合宿中盤、池江選手は最もきつい練習に取り組もうとしていました。酸素が薄い高地で50メートルを全力で8本。さらに泳ぐ間隔を徐々に短くしていきます。50メートルの設定タイムは27秒。実際のレースの終盤を意識したペースです。

中盤までは、26秒台で設定タイムを上回ります。池江選手は、「しっかり力を出し尽くす」と考えていました。

「深呼吸!しっかり深呼吸して!」

コーチから大きな声が飛びます。体力の限界が近づく中、最後の1本。ショーストロム選手のように、強い気持ちで泳ぎ切れるか。

タイムは…。

29秒7。
目標よりおよそ3秒遅れました。

コーチは積極的な姿勢を評価しましたが、池江選手は「自分はもっと力を出せたはず」と悔しさがあふれ出ました。

池江璃花子選手

自分の無力さとか、なんで頑張りたいところで頑張れないんだろうって。普通に考えたら、高地だし、きついし、ばてるのはわかってるんです。その中でも自分の思っていた練習やタイムが出なかったのが、すごく悔しかった。

さらなる高みへと

世界のトップを知り、自分自身を高みに引き上げるきっかけをつかんだ池江選手。流した涙は、さらなる飛躍につながると信じています。

池江璃花子選手

辛い練習をしても苦じゃないし、きついことはきついですけど、それ以上にこのきつさがあるからこそ自分が速くなれると思うから、そういう楽しみっていうのもあって、自分の中の支えになっている。ショーストロム選手を、じわじわ追っていきますよ、これから。

池江選手は来年大学生になります。4月に日本選手権。東京オリンピックの前哨戦といえる世界選手権は、来年の7月です。

                   
※NHKサイトを離れます

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