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2018年12月14日(金)

ボクシング元世界王者・高山勝成 2020に挑む!前代未聞のプロ→アマ転向の胸の内とは

2020年の東京オリンピックに向けて、前代未聞の挑戦をする一人のボクサーがいます。

高山勝成選手。プロボクシングの主要4団体のすべてでタイトルを手にした元世界チャンピオンです。現在、アマチュアボクサーとなってオリンピック出場を目指しています。
プロのタイトルマッチが12ラウンドを戦うのに対して、アマチュアは3ラウンドなど、ボクシングはアマとプロでは競技性に大きな違いがあると言われています。短い時間で多くのパンチを充てる技術が重要になるオリンピックでのボクシングは、プロで世界王者になったからと言って、決して簡単なものではありません。

そのアマの世界に35歳という年齢で挑む高山選手。「無謀」との声もある中で挑戦を決めた胸の内に迫ります。
(サンデースポーツ2020 12月9日放送から)

「目標と決めたら最後までやり抜く」

「アマチュア」として練習に励む高山勝成選手

プロでの最後の試合から2年4か月。今年10月にアマチュア登録が認められた高山選手は、今は大学のボクシング部で学生に交じり練習を続けています。
プロ時代は持ち前の粘り強さとスタミナで4団体で世界王者に。しかし、今回のアマチュア転向に対しては冷ややかな意見が少なくありません。

全日本選手権ライトフライ級優勝 重岡優大選手

「世間が思っている以上にアマチュアの選手は弱くない。むしろアマチュアの選手の方がレベルが高い。」

全日本選手権フライ級優勝 柏崎刀翔選手

「競技の方向性が全然違うので、そんなに甘くはない。」

しかし高山選手は、真っ直ぐに自分の挑戦をやり抜く決意を語りました。

高山勝成選手

自分が目標を掲げたのであれば、最後までやり抜く。それが成功しようが、うまくいかなかろうが、自分が目指すと決めたらとことんやります。

アマ特有の速さに苦戦

この秋のアマ転向後、初めてのスパーリング。高山選手は大学ボクシングの強豪・近畿大学に出稽古に向かいました。相手は高校の全国大会で優勝経験のある2年生です。

高山選手は、ここでアマ特有のテンポの速いボクシングを知ることになりました。高山選手のパンチは相手のディフェンスでかわされ、逆に連打を食らいます。

初スパーリングで課題が明らかに

3ラウンドのスパーリングで、決定的なポイントを取ることはできませんでした。2年後のオリンピック挑戦へ、課題が明らかになったスパーリングでした。

高山選手

全体的にやっぱりダメでした。アマチュアは当たるパンチをばんばん使ってくるので、すごく勉強になります。プロは「マラソン選手」、アマは「スプリンター」。そのくらいの差がありますね。

オリンピックでのプロ出場解禁…しかし

オリンピックのボクシング競技では、前回のリオデジャネイロ大会からプロボクサーの出場が解禁されました。オリンピックを、よりレベルの高いものにするためです。

しかし、リオ大会でメダルを獲得したプロボクサーはいませんでした。去年、村田諒太選手と世界戦を行ったアッサン・エンダム選手も出場しましたが、初戦敗退に終わっています。

中学卒業後、アマチュアを経験せずにプロの世界に入った高山選手。プロ選手がアマに挑む難しさを知り、あえて挑戦を決めたのだと言います。

プロでは4団体で王座を獲得した

高山選手

簡単に獲得できるものであれば挑戦はしません。五輪を目指したいんです、シンプルに。最高の舞台でその国を背負った最高の選手たちと拳を交えて、その先にメダルという勲章がある。僕はそれに照準を定めたんです。

反骨のチャレンジャー人生

困難と思われる壁にこそ挑戦する意味がある。高山選手は「反骨のチャレンジャー」として生きてきました。

プロ時代には、当時日本では公認されていなかったIBF(国際ボクシング連盟)の世界タイトルに海外で挑戦。国内の競技団体に引退届を出しての挑戦には批判もありましたが、自らの意思を貫きました。

高山選手

知り合いの方には、「高山はアホや」、「あいつは終わった」、「そんなんできるわけないやん」とか言われました。でも、だってそのタイトルが欲しいんですもん。そこに理屈はありません。

今回のオリンピック挑戦でも、当初は日本ボクシング連盟の山根明前会長が、日本のプロ選手の挑戦を認めませんでした。署名活動やスポーツ仲裁機構にも訴えかけ、1年以上活動を続けた末、前会長の辞任をきっかけに、ようやくオリンピック挑戦が認められたのです。

下半身を重点的に強化

プロとアマのボクシングの違いも、絶対に乗り越えて見せる。高山選手は、個人トレーナーをつけ、下半身強化のトレーニングに取り組んでいます。アマの速いテンポに対応するフットワークを身に着けようとしているのです。

東京オリンピックの代表選考は来年から本格化します。残された時間は決して多くはありません。

高山選手

未来の約束された戦いはこれまでなかったですから、そういう戦いに勝ってこそ胸を張って勝ったと言える。何のちゅうちょもなくやり切るという気持ちで進んでいます。

もう一つの夢も追いかけて

高い壁に挑み続ける人生。高山選手にはオリンピック出場と並行して挑むもう一つの夢があります。それは教師となり自分の生き方を伝えること。30歳の時に高校に進学し、今は大学で一回り年下の若者たちと共に学んでいます。

無謀と言われても挑む37歳での東京オリンピック出場。反骨のチャレンジャー、高山選手に迷いはありません。

高山選手

いやなことや理不尽なことはたくさんあるけど、あきらめずに信念をぶれさせずに突き進んでいくこと。仮にダメだったとしても、マイナスにはならないんで。自分の財産になるので、それをみなさんに伝えられたらと思います。

注目のアマデビュー戦は来年春の予定。2020年へ、高山選手の挑戦は続いていきます。

                   
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