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2018年11月27日(火)

過去最強!?佐々木クリスが語るバスケットボール男子日本代表

2019年8~9月に開催される男子バスケットボールのワールドカップ。
日本代表チームはワールドカップの出場権をつかむため、アジア地区予選に挑んでいます。このアジア地区予選において男子日本代表は、序盤に苦戦した後、目覚ましい復調を遂げます。ファンも驚くほどの快進撃を見せると同時に、日本代表に名を連ねる選手が田臥勇太選手以来2人目となるNBAデビューを果たしたことでも話題になりました。

そこで気になるのが、男子日本代表の実力!“過去最強”との呼び声も高いチームですが、本当の実力はどれほどなのか…。プロバスケットボール選手としてプレーした経歴を持ち、バスケットボールアナリストとしてBS1の『熱血解剖!Bリーグ』にも出演されている佐々木クリスさんにお話を伺いました!

1次予選敗退の危機から一転 強豪国に大金星!

──ワールドカップに向けたアジア地区予選に挑むバスケットボール男子日本代表。11月30日(金)と12月3日(月)に日本で開催される2連戦は“負けられない戦い”とも言われていますが、そもそも男子日本代表の実力は世界と比較するとどのくらいなのでしょうか?

正直、少し前までの男子日本代表は弱小と表現されても仕方のない状況でした。アジア地区予選は1次予選と2次予選の2ラウンド制ですが、2017年11月から行われていた1次予選では、日本はまさに崖っぷち。選手たちは魂のこもったプレーを見せてくれながらも初戦から4連敗し、「このまま敗退か」と危惧されたほどです。

しかし、そこからがすごかった。4連敗の崖っぷちから、5戦目となるオーストラリア戦で勝利。現在、日本の世界ランキングが49位なのに対し、オーストラリアは10位ですから大金星です。この勢いのまま、日本代表は1次予選を突破。2次予選に進出してからはアジアの強豪と称されるイランを70-56の大差で破っています。

日本を勝利に導いた世界レベルの選手

──まるで何かから目覚めたような快進撃ですね!崖っぷちから一転、ジャイアントキリングを成し遂げられたのはなぜだったのでしょう?

理由はずばり、世界に通用するプレーヤーの加入です。まず1人目が、アメリカ出身のニック・ファジーカス選手。NBAでのプレー経験もあり、今年4月に日本へ帰化した選手です。彼は川崎ブレイブサンダースに所属し、Bリーグの初代得点王であり初代MVP。安定した得点力があります。ケガのリハビリのため、代表入りが延びていましたが、オーストラリアに大金星を上げた試合から合流し、その試合では両チーム最多の25点を記録しています。

オーストラリア戦でのニック・ファジーカス選手(右)

次に、ファジーカス選手と同様にオーストラリア戦から合流した八村塁選手。高校時代に出場したU-17の世界選手権では大会得点王に輝き、現在はハイレベルなプレー環境を求め、アメリカの大学に留学中です。得点への嗅覚としなやかなシュートに定評があり、NBAのスカウトにも彼を知らない人はいません。さらにキャラクターも抜群。良い意味でのふてぶてしさがあり、国際大会の舞台でも、臆することなく観客をあおります。

大柄ながら器用さも併せ持つ八村塁選手

取材中にクリスさんが披露してくれた八村選手のあおりアクションがこちら!

そして3人目が、2次予選から合流した渡邊雄太選手。10月27日にNBAデビューを果たし、田臥勇太選手以来、14年ぶりの日本人NBA選手となったプレーヤーです。2メートル6センチの身長を生かしたシュートや鋭いひらめきによるパス、長い腕から繰り出される3ポイントシュートに加え、献身的なディフェンスもこなすオールラウンダー。知性が光り、瞬時の判断から、チームメイトの引き立て役にもなれる存在です。今後も大いにNBAを湧かせてくれると期待しています。

NBAデビュー当日の渡邊雄太選手(左)

迫る2連戦! 渡邊選手と八村選手は欠場…!?

──すると11月30日(金)のカタール戦、続く12月3日(月)のカザフスタン戦でも、この3選手が出場するならかなりの期待ができそうですね。

それが…残念なことに八村選手と渡邊選手に関しては出場しないことが濃厚です。彼らは2人ともアメリカで活躍する選手。アメリカのシーズンを優先させる必要があります。彼らの存在は貴重ですが、日本におけるバスケットボールそのものが徐々に進化していることも間違いありません。

この進化に直結しているのが、2020年に開催される東京オリンピック。自国開催のオリンピックに出場したいという思いは、代表選手はもちろん、ファンを含む日本バスケットボール界全体の願いです。この明確な目標に向け、選手全体に強い結束感が生まれたと感じています。

取材が進むに連れ、クリスさんのバスケ愛もヒートアップ!

アジア地区予選はワールドカップに向けた戦いですが、実は東京オリンピックにもつながっています。国際バスケットボール連盟から「東京オリンピックの開催国枠を得るには、ワールドカップベスト16程度の成績が必要」と告げられているからです。八村選手・渡邊選手の欠場は痛手ですが、まずはワールドカップ出場に向け、日本代表は奮起してくれるはずです!

エース不在の戦いにおけるキープレーヤーとは?

──3人のエースのうち、2人を欠いた戦い。厳しい状況だからこそ、ワクワクしますね。そこで、間近に控えた2連戦のキープレーヤーとなる選手を教えてください。

まず注目したいのが、比江島慎(ひえじま まこと)選手。オーストラリアのブリスベン・ブレッツに所属するいわゆる海外組です。オーストラリアも日本同様、アジア地区予選を戦う国のため、彼は海外組であっても出場可能です。アジアでも一目置かれるスコアラーであり、相手選手をかいくぐるときに見せる彼特有の動き、通称“比江島ステップ”は必見。バスケットボールに詳しくない人でも、ギアが入ったことが一目でわかりますよ!

オーストラリアのディフェンスをドリブルで切り裂く比江島慎選手(右)

アルバルク東京に所属する33歳のベテラン、竹内譲次選手も注目のひとりです。身長は世界基準の2メートル7センチを誇り、フォワードの役割を担いますが、そこはベテラン。仲間を最大限に生かすパスを繰り出し、大金星をあげたオーストラリア戦でも、彼が陰の立て役者でした。非常にクールな選手ですが、もしもゲーム中に彼の「うぉー!」という雄叫びを聞けたなら、その観客はラッキー。熱いゲームであることの証です!

大柄な外国人選手が相手でも力負けしない竹内譲次選手(中央)

また、Bリーグでのスタメン出場の機会は少ないものの、僕が期待しているのが馬場雄大選手です。竹内選手と同じくアルバルク東京所属。卓越した跳躍力と滞空時間で、華麗なダンクを決めます。ダンクシュートはバスケットボールの花形。これが決まるだけで一気に会場が盛り上がり、味方チームに火を付けます。バスケットボールはプレーの華々しさも大きな魅力。流れもベンチからガラッと変えてくれて、ダンクは2点以上の価値がある!彼はそのことを教えてくれる選手ですね。

代名詞のダンクシュートを、まさに叩き込まんとする馬場雄大選手(右)

観客の熱い声援がオリンピック出場の実現につながる

──勝敗の行方はもちろん、選手ひとりひとりのプレーにも非常に興味が湧きました。まずは間近に迫る2連戦は見逃せませんね。

サッカーや野球に比べ、国内では注目度の低いバスケットボールですが、東京オリンピックを目指す選手やファンの思いから、盛り上がりは過去最高レベルに達しています。ぜひ皆さんも注目してください。そして少しでも興味を持っていただけたなら、ゲームを生で観戦してみてください。アジア地区予選、直近2連戦のチケットは完売していますが、Bリーグでは各地で熱戦が繰り広げられています。

プレーはもちろん、素早い展開が生む“キュッキュッ”というシューズとコートのこすれ合う音、ファンの声援や敵チームに向けたブーイングもバスケットボールの醍醐味!この魅力を体感していただき、Bリーグのファンがひとりでも増えれば、バスケットボール界全体の盛り上がりに直結します。ひいては皆さんの注目と声援が日本代表の活躍にもつながるはずです!

佐々木クリス

バスケットボールアナリスト
1980年、アメリカ合衆国ニューヨーク生まれ、東京育ち。14歳のときに観たNBAに魅了され、自身もバスケットボール選手として活躍。大学生時代にはインカレ優勝を経験し、千葉ジェッツの一員としてbjリーグでもプレー。現在はNHK BS1で放送中の『熱血解剖!Bリーグ』などのメディアに出演し、バスケットボールの解説を手がける。2017-18シーズンから、B.LEAGUE公認アナリストに就任。

                   
※NHKサイトを離れます

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