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2018年11月21日(水)

錦織圭 "さらなる進化を印象づけた1年"

テニスの男子ツアー最終戦、ツアーファイナルでの戦いを終えた錦織圭選手。

右手首のけがから復帰した今シーズン、一時は39位まで落ちた世界ランキングも終盤には9位となってトップテンに返り咲き、けがからの復活だけに留まらず、さらなる進化を印象づけた1年となりました。

復帰戦となったATPチャレンジャー・ニューポートビーチ

錦織選手は、右手首のけがの影響でおよそ5か月ぶりの実戦となった今年1月のシーズン初戦で世界238位の選手に1回戦負けしましたが、4月には、四大大会に次ぐ格付けのマスターズ大会で2シーズンぶりに決勝進出。

モンテカルロマスターズ

7月にはウィンブルドン選手権10回目の出場で自身初のベストエイトに、さらに9月には全米オープンでベストフォーに進みました。

ウィンブルドン選手権

強さの秘密は"忍耐力"

今シーズンの錦織選手の強さを裏付けるデータの1つが、ATP=男子プロテニス協会が9回以上のラリーの勝率や勝った試合で選手が走った距離などの数値を元に算出した「忍耐力」というデータです。

ジョコビッチ選手(左) フェデラー選手(右)

錦織選手は、比較対象となったセルビアのノバク・ジョコビッチ選手やスイスのロジャー・フェデラー選手など、年間成績の上位8人の中でトップになりました。

さらに、ブレークポイントを握られたときのブレークの回避率やタイブレークの勝率など数値で算出された重圧に強い選手を示す「アンダー・プレッシャー」で、すべての選手の中で世界1位になりました。

忍耐力や重圧への強さは、けがからの復帰の過程で取り組んだサーブの改善で生まれた自信に伴う精神面での成長や、フィジカル面の強化に支えられたものでした。

右手首のけがを受けて重点的に取り組んだトレーニングで、錦織選手は安定したショットを粘り強く繰り出せる軸のぶれない体を手に入れ、相手との長いストローク戦や長時間に及ぶ接戦にも負けない体力も身につけました。

そしてフィジカルの強化により、数々のけがに見舞われた体がシーズン終盤になっても悲鳴を上げず、錦織選手自身も「これまでと違って、けがをしそうな気配や痛みがほとんど出ない。これまでは試合が続くと自然とどこかに痛みが出てきていたが、特に最近は全く出ない」とその効果を実感しています。

錦織選手はシーズン最終戦を終えたあと「いろいろなことを乗り越えたおかげでメンタルも体も強くなった。本当に十分すぎる一年だった」と充実したシーズンを振り返りました。

来シーズンは大切な1年に

一方で、勝ちきる強さという点では、2016年2月以来、2年9か月あまり遠ざかっているツアー優勝を今シーズンも実現できず、決勝に3回進みながらいずれもストレートで敗れ、ツアーファイナルも1次リーグで敗退するなど課題が残りました。

けがを乗り越えた心身の進化を、悲願の四大大会とマスターズ大会の初制覇につなげられるか、「30歳になる前に大きな大会で優勝」を掲げる錦織選手にとって、来シーズンは大切な1年となります。

西村佑佳子

平成23年入局 スポーツニュース部
東京オリンピックに向けた組織委員会などを取材。
現在はテニス、バレーボール担当。

                   
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