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2018年11月8日(木)

"常識破り"の走りで日本新記録!マラソン大迫 傑

10月7日に行われたシカゴ・マラソン男子で、日本新記録を塗り替え3位となった大迫 傑(すぐる)選手。

なんと、このシカゴ・マラソンは、大迫選手にとって、3度目のフルマラソン挑戦だったのです!
たった3度の挑戦で日本記録保持者となった大迫選手、新記録樹立のカギに迫ります!

常識破り!?つま先着地での走り

大迫選手が日本新記録を樹立できた背景には、日本の常識を捨てたフォームがあります。

それは、つま先から地面をとらえて蹴りだす「フォアフット走法」です。

これまで日本選手の多くは、体重移動がスムーズだということでかかとから着地する走法を採用してきました。

右:現役時代の瀬古利彦さん 左:同じく増田明美さん

しかし今、東アフリカの選手は、フォアフット走法で世界のトップに立っています。

ケニアなどでは幼い頃から舗装されていない道を裸足で走る機会が多く、足の筋肉やアキレス腱が発達しているからこそできる走法です。

大迫選手は、世界と戦うために5年前に渡米。そこで体幹を鍛える筋力トレーニングなどを重ねました。

無意識?自然と身についたフォアフット走法

じつは大迫選手は、フォアフット走法をしようとしてトレーニングを重ねていたわけではありません。

何度も走り込み、速さを追求していくなかで自然とフォアフット走法にたどり着き、身についただけなのです。

そのため、フォアフット走法という走り方の名前は知らなかったそう。

ちなみに、大迫選手が日本新記録を樹立する半年前(2018年2月)に、日本新記録を16年ぶりに塗り替えた設楽 悠太選手もフォアフット走法だといわれています。

設楽悠太選手 2018年2月東京マラソンで当時の日本新記録を樹立

合理的!フォアフット走法はなぜすごいの?

大迫選手が、身につけたフォアフット走法。

歴代の日本選手があまり挑戦してこなかったこの走り方は体への負担が少ない走り方だと分かっています。

着地の時にどれだけ体に衝撃がかかるかを調べると、かかと着地では体重に2.2倍。つま先着地では1.6倍と、つま先着地のほうが衝撃は少なかったのです!

フォアフット走法は、足の前方をそっと置くように着地させることで衝撃を減らすことができると考えられています。

長距離走では、いかに足への負担をなくして走れるかが重要です。この先、長距離選手の多くがフォアフット走法を取り入れるようになる日も遠くないかもしれません。

進化の賜物!フォアフット走法を支えた厚底シューズ

シカゴ・マラソンの先頭集団を見てみると、どの選手もほぼ同じシューズを履いているのが分かります。

それが上の写真の右側、オレンジ色のシューズです。従来のタイプの黒いシューズよりも厚底です。

この厚底の中にはカーボン製のプレートが入っていて、それが反発力を高めているというのです。

従来の厚底シューズは、重かったり沈みこんでしまったりとランナーにとって懸念点がありましたが、進化した厚底シューズは軽くできていて、さらに沈みこんだ分を反発力に変えられるような仕組みになっています。

いまやトップランナーの多くが、この進化した厚底シューズを使っているのです!

新記録の背景には、シューズの進化も大いに関係しているといっていいでしょう。

最大のカギは「負けず嫌い」

走法やシューズと大迫選手の日本新記録のカギを解明してきましたが、やはり最大のカギは、大迫選手自身のもつ「負けず嫌いの心」です。

大迫選手はこれまで、高校駅伝で1位、トラックの3000メートル、5000メートルで日本記録を樹立するなど、輝かしい経歴を歩んできました。

しかし、その裏には、なんでも1位にこだわる姿がありました。

学校では登校や下校、ご飯を食べ始めるのも、食べ終わるのもなんでも1番!と、とにかく1番にこだわり、中学の陸上大会では3位という結果に、その場でシューズをたたきつけるほど悔しがり、表彰台の上でも喜ぶ姿は見せませんでした。

それは元来の負けず嫌いという性格だけではなく、妥協の少ない生活を心掛けるため、何事にも1番でいようという大迫選手の信念でもあります。

オレゴン・プロジェクトで強化 東京オリンピックでメダルを!

2018年のマラソン世界ランキングを見ると、大迫選手は上から14番目。

トップは9月にこれまでの世界記録を1分以上更新したケニアのエリウド・キプチョゲ選手です。

そんな選手に立ち向かうために、大迫選手はどう戦っていくのでしょうか?

長距離走トップを走り続けるアフリカ選手に対抗するためにアメリカで設立されたオレゴン・プロジェクト。アジア勢では大迫選手が唯一参加しています。

このプロジェクトでは、アフリカ選手のスピードに対抗するため、100メートルや200メートルの短距離を繰り返し走りこむなど日本の常識を覆す練習を重ねているそうです。

世界という大きな壁に対して、大迫選手はトレーニングの質やボリュームを少しずつあげていければ、いつか近づけるかもしれないという希望をもって立ち向かいます。

フォアフット走法、進化系シューズ、そして1位を取るという強い信念のもと走り続ける大迫選手。

東京オリンピックの舞台で、アフリカ選手を脅かすような走りを見せる大迫選手に期待しましょう!

                   
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