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2018年9月26日(水)

ラグビーW杯まで1年 日本代表ジョセフヘッドコーチ インタビュー

ラグビー日本代表の今後の展望は?ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが語ってくれました。

新しい選手を発掘し育てる必要があった

ーー9月20日でワールドカップまで1年となりますが、今の心境をお伺いします。

自分としては、まだ現時点では結構リラックスした状態です。というのもまだW杯までは、かなり時間があるからです。実際に今私が集中していることは、11月に向けて選手やチームの準備を整えていくことです。

なぜならオールブラックス(ニュージーランド)、イングランド、そしてロシアと対戦する大事なテストマッチが控えているからです。ワールドカップはまだ少し先の話ですから、あまり考えていません。

ーー前回もインタビューの際に伺いましたが、日本代表の強化、ここまでの現状をどの様に評価していますか? 

予想通りに進んでいると思います。自分は前回のワールドカップで日本代表が非常に素晴らしい成功を収めた後、2015年から就任しました。自分はその時から常々、チームとしてはしばらく苦しい時期を迎えるだろうと思っていました。

なぜなら引退したり、あるいはインターナショナル(代表)ラグビーの舞台から退くという選手が出てきたからです。

新人コーチであった自分にとって、特に最初の2016年の遠征などは非常に苦労しました。

しかし、そこから我々のチーム、選手たちはもの凄く向上していくことが出来たと思います。自分がその様に判断している理由の1つは、日本代表でプレーする新しい日本人選手が出てきてくれたということです。

彼らは非常に素晴らしい選手たちであると感じていますし、また実際テストマッチにも勝てる様になっていきました。

ラグビー テストマッチ 日本対イタリア(2018年)

特にイタリア戦やジョージア戦、あるいはフランスでのここ最近のいくつかのテストマッチに関しては、我々にとって良い兆候が見受けられたと思います。

ーーここまではジョセフヘッドコーチの計画通りということでしょうか?

計画通りとは言っても我々としては毎回勝利を目指してプレーしているわけですし、実際我々は、毎回勝てているわけではありませんからね(笑)。

ワールドカップに関して言えば、この先どの様な日程で始まるかは既にわかっていて、それに向けて取り組むべきプレーなどもわかっているわけです。ただ最初の年は選手の入れ替えなどもありましたし、引退した選手もいました。

ですから新しい選手を発掘し、育てる必要があったわけです。そうした選手たちがようやく頭角を現すようになって来ましたし、チームに大きく貢献してくれるようになってきています。

(左から)姫野和樹選手 流大選手 具智元選手

例えば姫野だったり、流だったり、具だったり、彼らは2015年には全く(代表には)いなかった選手たちです。

自分としても彼らが選手として成長していくのを見て、大きな自信をつかむことができています。それと共にチーム全体も向上していっているからです。ある意味では計画通りに進んでいるとも言えるでしょうね。

相手チームも絶えず変化し続けている

ーー1年後のワールドカップの1次リーグではアイルランドやスコットランドなど強豪国と戦うことになりますが、それぞれどんな特徴のチームだと分析していますか?

相手チームも絶えず変化し続けています。というのも2年前、自分が京都でワールドカップのプールが発表されたのを聞いた時、我々日本代表側としては「良い条件や組み合わせに恵まれた」と自信をもっていました。

当初はプールAに入ったことによって、比較的良い(楽な)プールに入ることが出来たと思っていたのです。

アイルランド代表

しかしその後、アイルランドはオールブラックスに勝って、現在は世界2位のチームとしてランキングされています。

スコットランド代表

また、スコットランドも50点以上を取ってワラビーズ(オーストラリア代表)に勝っていますが、我々日本はそのワラビーズに50点以上を取られて負けました。

この2年間で2つのチームは、ワールドラグビーの中でも非常に強いチームになってきています。

ですから現在は、我々のプールに関しては、「非常にタフで強い相手が揃っている」という印象を持っています。それに加えて、ロシアとサモアもいるわけですからね。

ただ自分としては、これらのチームと互角に戦えるチャンスがあると思っています。それに我々には、ホームでプレーできるという大きなアドバンテージがありますから、それを上手く活用していければと思っています。

ーーアイルランドとスコットランドで特に気になる選手はいるのでしょうか?

正直言って、日本は対戦相手に関して特定の1〜2人の選手だけに焦点を絞り、彼らを封じ込めるという様な戦い方は出来ないと思っています。

そうではなく、我々はこうした自分たちよりもランキングがかなり上のチームに対しては、チーム一丸で戦う必要があるし、絶えず自分たちのベストを尽して、自分たちの能力を全て出し切ってプレーする必要があると思います。

アイルランド (左から)コーナー選手 セクストン選手

ただアイルランドに関して言えば、コーナー選手とセクストン選手のコンビネーションが非常に強力です。

シックスネーションズでも、彼らがアイルランド代表のゲームをコントロールしていたし、あのチームに関しては彼らが重要な役割を担っています。

スコットランド (左から)リッチー・グレイ選手 ジョニー・グレイ選手

またスコットランドに関しても、フォワード陣を警戒する必要があると思います。我々は他のインターナショナル(代表)チームと比べるとフォワード陣が小柄ですし、スコットランドにはグレイ兄弟などがいますしね。

ですから、それぞれのチームとの対戦にはそれぞれのチャレンジがあるわけです。しかし先ほども言った様に、我々がこれらのチームと対戦するのは1年後です。

その前に、まず我々にはオールブラックス戦だったり、イングランド戦に関して警戒すべき(対策すべき)選手がいるわけですからね。

タフなラグビーを体験できている

ーー国内に目を移すとトップリーグが始まり、2次スコッドも発表されました。ここまで代表候補たちのトップリーグでの動きを、どう見ていらっしゃるのでしょうか?

自分が見ていて感じているのは、現在のトップリーグとこれまでのトップリーグとの一番の違いは、選手たちが非常にタフなラグビーに触れて、それを体験することができているということです。

例えば今年の日本代表の選手たち。そのほとんどがワールドカップのトレーニング・スコッドの選手たちでもあるわけですが、彼らはスーパーラグビーのシーズン中はそこに参加して、そこでプレーしていました。

また彼らはスーパーラグビーのシーズン前半、6月のテストマッチでもプレーしていました。そしてこれは過去にはなかったことですが、その後は比較的長い休みの期間がありました。

ですから選手たちは現在、リフレッシュした状態でトップリーグでもラグビーがプレーできる状態にあるわけです。また今年のトップリーグでは、これまでよりも多くの外国人選手がプレーしていますので、ラグビーのレベルも上がっていると思います。

以前よりもかなりフィジカルな部分が求められるようになっていますし、タイトな(接戦となる)試合が多くなっていると思います。こうした競い合いは、選手たちにとって11月に向けた準備としては良い事だと思います。

とは言ってもスーパーラグビーほどではありません。言うまでもなくトップリーグでのラグビーはスーパーラグビーほどのプロフェッショナルなレベルによる競い合いではありません。

しかし、確実にレベルは上がってきていると思います。ですから、昨年の同時期と比較した場合、我々は現在の方が良い状態にあると思います。

世界のベストの選手たちとプレー出来る環境を

ーーこの秋のテストマッチ、ニュージーランド、イングランドも含めて4試合ありますが、それぞれの試合の位置づけをどの様にお考えですか?特にニュージーランドとイングランド戦については?

こうしたタフなチームと対戦することを決める時に、自分自身に問いかけたことは、「ワールドカップでどの様なラグビーをしたいと思っているのか?」そして「どの様にすれば選手たちに最善の準備をさせることができるのか?」ということでした。

こうして世界のベストなチームと対戦することになったわけですが、ワールドカップに向けたプレーの準備という意味で言えば、我々の選手たちはこうしてオールブラックスとアウェイでプレーするという、またとない機会を得ることが出来たと思っているわけです。

トゥイッケナムスタジアム

更に我々はイングランドに行って、トゥイッケナムでプレーする機会も得ました。これは、全てのラグビー選手が体験してみたいと思うことです。

幸運なことに、自分自身も過去にそうしたことを体験させてもらいました。その体験から言えるのは、イングランドのホームでのプレーは当然注目度も大きいのと同時に、そこで良いプレーが出来ればとても大きな自信となるはずだという事です。

我々の選手たちには、絶えず世界のベストの選手たちとプレー出来る環境を整えてあげたいと思っています。そうすれば、ワールドカップで必要以上に気負わなくても良くなりますからね。これが、ワールドカップの前にオールブラックスやイングランドと対戦しておきたかった大きな理由でもあるのです。

イングランド代表

ーー9月下旬には和歌山で合宿があり、続いて宮崎、東京でも合宿があります。この秋、どの様に強化する計画なのでしょうか?

和歌山に関して言えば、基本的には、6月のシリーズの終わりに選出したワールドカップのトレーニングスクワッドを呼び戻すことが狙いです。なぜなら我々はこの2ヶ月間、これらの選手と全く時間を過ごすことができていなかったからです。彼らはそれぞれのトップリーグのチームに戻ったり、休暇を取っていたりしていましたからね。

ですから我々は彼らを和歌山に再招集して、フィジカル面に関して再度評価したいと思っているのです。ですから体力テストやフィットネスのテストを行っていく予定です。また彼らと共にしっかりと6月のパフォーマンスを再確認し、復習したいとも思っています。

これが和歌山で合宿を行う大きな理由の一つです。もちろん新しい選手たちも召集しますし、自分としてもトップリーグの最初の4節は注意深く観察していました。なぜならトップリーグで輝かしい活躍を見せている選手がいれば、そうした選手たちには代表チームに参加する機会を与えたかったからです。

そうすることによって、我々も新しい選手をアシスト出来る機会を得ることが出来ます。選手たちにも「代表選手になるためには何が必要とされるのか?」を知って欲しかったのです。

10月の宮崎ではテストマッチでプレーする為の準備をしていきます。ただ、トップリーグはまだ開催中ですから、色々なやりくりが必要です。しかし、我々は世界でもベストなチーム、しかも10年以上もベストチームであり続けているチームと対戦するわけですから、その準備には可能な限り多くの時間を掛けていきたい。

我々与えられた期間は2週間。これは決して十分な時間とは言えないかもしれませんが、色々な事情がありますので、我々としてもそれでやっていくしかありません。

このオールブラックスと対戦する前の2〜3週間の間に、いかにして我々のチームスピリット、そして”ワンチーム”(チーム一丸)という哲学を構築していくかに関しては、コーチたちが良い計画を考えてくれていると思います。後は実際にプレーするだけです。そして我々はそこで再び内容を評価して、次に向けた準備を進めていきたいと思っています。

代表を保証されている選手は誰もいない

ーーニュージーランド、イングランドといったティア1の強豪国と戦うわけですが、ワールドカップのメンバーも、この戦いでほぼ決まってくる感じなのでしょうか?

仮にケガ人が出ないと想定した場合、基本的にはオールブラックスと対戦する時の我々のチームのメンバーの大半が(本番の時の)チームと同じであると思っていいと思います。

オールブラックス (ニュージーランド代表)

なぜなら、世界でベストのチームと対戦するわけですから、我々としてもベストメンバーで挑まないといけないからです。しかも我々はポジションによっては選手層があまり厚くありません。必然的に、これらのチームと対戦する時のメンバーが実際のワールドカップにも参加することになると思います。

ただ、実際その時にならないとどうなるかわかりません。選手のやる気や調子、あるいは怪我などの理由で代表落ちしてしまう選手が出てくるかもしれないからです。ワールドカップはまだかなり先の話ですし、ワールドカップまでの間にスーパーラグビーのシーズンを戦わないといけないし、パシフィックネーションズも戦わないといけません。

その間に(怪我など)色々なことが起こる可能性がありますし、そういう意味では他の選手たちにもまだ多くのチャンスが残されているわけです。選手にはとにかく日頃から(代表で)プレーできるように準備を怠らないようにして欲しいと思っています。

なぜならワールドカップの2ヶ月前から急にトレーニングを始めても間に合わないからです。選手たちとしては今から準備を開始しないといけません。あるいは既に準備を開始していないといけないのです。そしてこれが、定期的なキャンプやテストなどを行っていきたいと我々が思っている大きな理由の1つでもあるのです。

ケガ人が出たり、中心選手の調子が落ちたりした場合、その次に控えている選手たちにそのチャンスをものに出来るような準備が出来ているかどうかを確認しておきたいのです。

ーーそうしますと今回のニュージーランド、イングランド戦は、まだ日本代表資格のない外国人の選手は入らないわけですが、そういった選手を除くと、このニュージーランド戦を観ていればワールドカップで戦うメンバーが見えてくる?

質問がほとんど答えになっていますね(笑)。我々はほぼ3年かけて、ワールドカップの為にチームを築き上げてきたわけですし、オールブラックス戦の為に築き上げて来たわけではありませんからね。それにオールブラックスというチームは、色々と何かを試せるような相手ではありませんからね。単純に彼らはベストなチームだからです。

我々としても、可能な限りベストなチームを組んで戦うという、マインドセットを持って挑みたいと思っています。そしてそれが、2018年11月の時点で我々のベストメンバーであるなら、その大半の選手たちがそのままワールドカップにも出場する、と考えるのが当然です。

ただここで1つ言っておきたいことは、2018年の時点では日本代表としてプレーする資格がなくても、2019年には日本代表としてプレーできる資格を新たに得る選手がいるということです。そうした選手たちにもチャンスがあり、また既に代表入りしている選手であっても安心できません。

つまり(代表が)保証されている選手は誰もいないということです。こうした状況(外国人選手による代表争い)は自分が日本でプレーしていた頃から変わっていません。

自分の役割を最大限果たしてもらいたい

ーーチームにおけるバックローの役割とは?

チームの全員に役割があります。バックロー、フルバック、ウィンガー、プロップなど、それぞれに自分の役割を最大限果たしてもらいたい。それができれば勝利につながるはずです。

魔法の方程式などなく、バックローの使い方はほかのチームと同じです。バックローにはフィジカル面での存在感が必要不可欠。守備で高い技術とパワーが求められます。

相手を封じ込めるスピードだけでなく、大柄な選手にも当たり負けしない強さも必要です。彼らは常にチャンスを作り続けなければならないし、広い視野とバックスのようなサイドからの展開力も必要です。フォワード陣にはとても満足しています。今のチームにとって、フォワードは最大の強みです。

リーチ、姫野、マフィ、布巻や西川といった選手がいますし、来年はさらに候補が増えるので、ハードルが一層高まります。

(左から)アマナキ・レレイ・マフィ選手 布巻峻介選手 西川征克選手

ーー日本のバックローには小柄な選手もいます。このことについてどう思いますか?


ほかの代表選手と比べたら、小さすぎると言えます。体重85kgから90kgのフランカーにとって、115kgの選手に対応するのは困難なことです。

何年か定かではありませんが、私が覚えているかぎり、過去4、5回のワールドカップでは、主に外国人選手が日本代表で活躍してきました。

それは攻撃でチームを勢いづけるため、または相手の勢いを止めるためにはフィジカルの強いバックローが必要だからです。しかし、私は2人の「7番」に満足しています。彼らは小柄ですが、スピードがありますし、ボールを持った選手に素早くプレッシャーをかけられます。

小柄な体格はアドバンテージです。ほかの選手の下から入り込み、プレッシャーをかけることができるからです。2019年のラインナップは興味深い顔触れになると思います。ルースフォワードの座をめぐる争いは熾烈になるでしょうね。

マイケルの理解力と経験はチームにとって大きな武器

リーチ マイケル選手

ーーキャプテンを務めた経験を踏まえて、リーチ マイケル選手はどのようなキャプテンですか?

これまでのキャリアで素晴らしいキャプテンを大勢指導してきました。マイケルは日本で長年生活しているため日本語が話せますし、日本のことをよく知っているので、日本の選手たちやスタッフの気持ちや考え方をよく理解しています。

これは外国人にとって、貴重な特徴です。彼はニュージーランド生まれで、フィジーとのハーフ。強豪チームに勝つことの大変さも理解しています。

彼の理解力と経験、さらにさまざまな文化に関する知識は、チームにとって大きな武器です。

ワールドカップを迎えるにあたり、マイケルにはさまざまなプレッシャーがかかります。彼はフィールド上ではチームのキャプテンであり、ベストプレーヤーのひとり。

それにフィールド外でも模範的な存在です。彼は家庭を大事にする成熟した大人であり、経験豊富で謙虚。優秀なキャプテンとしての素質をすべて兼ね備えています。

彼にとって課題があるとすれば、レフェリーやチームメイトにプレッシャーをかけることに戸惑いがあることです。必要な場合は、我々コーチ陣にもプレッシャーをかけてほしい。彼は優秀なキャプテンなので、こういったことについて考えていると思います。

彼が重要な場面でこういったことをするようになれば、さらに素晴らしいキャプテンになれるはずです。

堅樹は鍵となる選手のひとり

日本の選手はみな頭がよく、ラグビーを熟知しているし、自分たちの役割をよく理解しています。しかしタフな相手にプレッシャーをかけられると弱い。我々にとってはそれが最大の挑戦です。

堅樹(福岡賢樹選手)は前回のワールドカップでもメンバー入りしましたが、当時はまだとても若かったので、出場機会は少なかった。それでも実力を示し、チームの主力の座を獲得しました。

私が就任してから最初の遠征でのジョージアとのテストマッチでは、彼が試合の流れを変えてくれました。あれ以来、テストマッチでスタメンに定着しています。トライを決めることが彼の役割です。俊足ですし、小柄であるにもかかわらず勇敢です。相手の裏にキックでボールを入れたとき、プレッシャーをかけるのも彼の役割です。

福岡堅樹選手

彼はシーズン中、サンウルブズでも空中での競り合いに強いことを証明しました。そのためには勇気とスキルが必要です。彼はますます力をつけていますが、課題を挙げるとしたら、小柄なためタックルをミスするときがあること。さらにパニックに陥り、それまでのプレーを止めて、チームのシステムから外れてしまうときがあることです。

彼はタックルをミスすることを心配するあまり、チームメートを信頼するのではなく、ひとりでスペースを遮断しようとすることがあるのです。しかし我々はこういったことには常に取り組んでいます。それに彼は頭のいい選手なので、飲み込みが早い。

堅樹は小柄ですが、精神的にタフです。大柄な選手相手に体を張ってプレーしているので、たまにけがをすることがあります。

しかし、それについてはどうすることもできません。彼にスローダウンするようにとも言えません。彼がさらに肉体を強化すれば、けがを減らせるかもしれません。

ーーキックを多用する戦略のメリットは?

体格で勝る、パワフルなチームに我々が勝つには、相手を混乱させる必要があります。スクラムからラインアウト、モールからスクラムといったスローな展開の場合、経験豊富でパワーのあるチームには苦戦を強いられてしまいます。

それで有効なのがキックです。日本ラグビー界では新しいかもしれませんが、これは決して新しい戦略ではありません。

最もキックを多用するのはオールブラックス。しかも彼らは最も多くのトライを決めています。
キックすると相手にボールを返してしまうという見方は間違っています。

相手にボールを返すのは、プレッシャーをかけるため。そこで堅樹のような選手が重要となります。いいキックが入ったとき、彼が相手にプレッシャーをかけることが、我々のチャンスにつながります。短い説明ですが、これがキックを多用している理由です。

ーーニュージーランド戦、イングランド戦でも、福岡選手にそういった役割を期待しているのでしょうか?

もちろんです。彼は我々にとってカギとなる選手のひとりです。サンウルブズでの調子の良さと経験は、オールブラックスとの試合でも役立つと思います。

ジュリアン・サベア選手

彼はハリケーンズのジュリアン・サベア選手など、強敵をマークした経験もあるので、高いレベルの選手と対戦するのは初めてではありません。

しかしオールブラックスとの対戦は初めて。彼には特別な体験を楽しみにしてほしいです。

相手にプレッシャーをかけることができれば勝機は出てくる

ーー秋のシリーズで日本の選手に期待することは?どのような成果を求めていますか?

どのテストマッチでも、勝つために準備します。最大限のポテンシャルを発揮して、いいプレーを見せたい。しかしオールブラックスに勝つのは、かなり厳しい要求と言えます。

それでもオールブラックスとイングランドは、厳しい日程をこなさなければなりません。オールブラックスは我々と対戦する1週間前、オーストラリア代表と対戦します。さらに我々との対戦の翌週はイングランド戦が控えています。

相手は我々との試合では若手を試し、イングランド戦に向けて主力選手を休ませるかもしれません。相手が若手を起用し、新たなコンビネーションを試した場合、プレッシャーをかければ勝機が見出せるかもしれません。

ーーイングランド戦では、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチと対戦することになります。日本のファンは勝利に期待しています。試合への意気込みをお願いします。

イングランドはここ2年間、素晴らしい成績を残してきましたが、最近は負けが続いているので、チームとコーチ陣に少しプレッシャーがかかっていると思います。

とはいえ、トゥイッケナムでイングランドに勝つのは大変なことです。オールブラックスも含めて、トゥイッケナムでイングランドに勝てるチームは少ないのが現状です。

しかし勝てるという自信を選手に植えつけることが私の役割です。
相手も厳しい日程を控えています。南アフリカ戦とオールブラックス戦のほか、我々との試合の後はオーストラリア代表とも対戦します。

このため、イングランドは我々との試合で主力を休ませる可能性があります。それまでに2連勝しているかもしれませんが、2連敗していたらプレッシャーがかかるはず。

オールブラックスのように主力を温存し、新たなコンビネーションを試した場合、プレッシャーをかけて、相手を驚かせるかもしれません。どんなチームでも相手にプレッシャーをかけることができれば、勝機は出てくる。それがラグビーの面白さです。

                   
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