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2018年9月12日(水)

新体操フェアリージャパン さらなる進化へ元日本代表・畠山愛理がリポート

9月10日からブルガリアで開催されている新体操の世界選手権に臨む、日本代表・フェアリージャパン。彼女たちは今、新しい試練に直面しています。
今シーズン、新体操ではルールが変更され、団体での2分半の演技の「難度点」が、これまでの10点満点という上限が撤廃され、青天井になったのです。
より難しい技を数多く取り入れなければ高得点を狙えない、新しいルールに対応するには、より高い技術とチームワークが求められます。

フェアリージャパンは、その試練にどう立ち向かっているのか。
2年前まで日本代表メンバーだった畠山愛理リポーターの報告です。
(サンデースポーツ2020 9月9日放送から)

畠山愛理 リポーター

1994年生まれ
中学3年生で新体操日本代表「フェアリージャパン」入り。 ロンドン五輪で団体7位、続くリオ五輪でも8位入賞に貢献。自身の経験をいかし、リポーターとしてスポーツの魅力とアスリートの本音に迫る。

かつての仲間たちをたずねて

たずねたのは、国立スポーツ科学センタ-。かつて私も1日8時間、汗を流した場所です。
フェアリージャパンは、ロシアでの合宿を終え、世界選手権に向けた最終調整に入っていました。
実は日本代表メンバーのほとんどは、私も出場した2年前のリオデジャネイロオリンピックで共に戦った仲間たち。

元チームメイトのふたり

キャプテンの杉本早裕吏(さゆり)選手に話を聞くと、
「取材っていうより、普通に話してるみたい」
と、普段プライベートで会っている時と同じように迎えてくれました。

難易度の高い技を、テンポ良く

しかしここからは「取材モード」に。まず今シーズンの課題について聞きました。

キャプテン・杉本選手

杉本早裕吏選手

難しい技をテンポ良くやるということですね。
今シーズンの演技は、攻めてます!

取り組んでいるのは、新ルールに対応するための演技構成です。2分半の演技時間の中で、より難しく、より多くの技をこなさなければ海外勢と戦えません。
フェアリージャパンを10年以上指導する山﨑強化本部長もこう指摘します。

山﨑強化本部長がチームの進化を導く

山﨑浩子 強化本部長

どの国も、技をどんどん詰め込んでいるわけです。そこに置いて行かれないようにしないといけない。
例えば、複数投げをするボールを2個3個投げるとか、キャッチするときに、視野の外、見えないところで取るとかして、点数をアップさせていかないと。

世界選手権へ 新たな技に挑戦

新ルールに対応するため、フェアリージャパンは今シーズンから新たに難易度の高い技を演技に取り入れています。

まずは、ロープ2本を「土踏まず」で投げるこの技。
柔軟性に定評のある鈴木歩佳選手に任されました。

そして、キャプテン・杉本選手の大技。
フープを足に3本かけて体を回転させ、同時に投げます。
得点は0.7。最も簡単な0.1点の技の7つ分を一気に獲得できます。

技の合計点は、去年の10点から14点台後半に。一方で体力的にはハードな演技構成になりました。


杉本選手

5人みんなが体力的に大変なので、2分半の演技で本当に休む暇がないです。
しんどい時に大技が来るので、きつい時ほど、その技に集中してやるというのを、一番心がけてやっています。

高得点のため ミスをどうカバーするか

4月 ワールドカップ 種目別 ペサロ大会

難しい技を増やして臨んだ、ことし4月のワールドカップ。
しかし、ロープをつかみ損ねるなどミスが相次ぎ、種目別で8位に終わりました。
その他の、ミスが出なかった大会では上位に入れているだけに悔やまれる結果でした。

ミスが相次ぎ、肩を落とすフェアリージャパン

ミスの原因はなんだったのか。
山﨑強化本部長は、それは「技のつなぎ目」にあると言います。技の数を増やしたため、ひとつの技が終わったあと、準備が整わないまま次の技を迎えてしまっていたのです。

山﨑強化本部長

技のつなぎ目に、次の準備をするときに、時間もすごく短いし、かなり複雑な準備をしなければいけない。
そこで流れを壊さないようにするというのが、一番難しいんです。

チームでは、演技のつなぎをより意識するようになりました。

たとえば杉本選手は、投げられたロープが空中で乱れていたとき、落としてしまわないように瞬時に判断して取り方を変え、次の演技につなげられるよう、練習から取り組んでいます。
こうした対処する力が、杉本選手は優れています。

また、輪の状態にして投げられたロープを受け取り、くぐり抜ける大技では、もしきれいにロープを広げて輪が作れないと判断した時は、輪を作らずにロープを体の下を通すなど、臨機応変に対応しています。

練習から、ミスした場合の対処の仕方を考えながら演技をしていることで、選手たちも「難しい技でも大丈夫」だという気持ちで演技に取り組めているのではないかと感じました。

メンバーの心をひとつに

連日の猛練習で世界選手権、そして五輪へ

この日の練習時間も、8時間以上。何度も演技を繰り返し、体に覚え込ませていました。

難易度の高い技を増やして、ミスをなくす。

メンバーの心をひとつに、フェアリージャパンは進化を続けています。

キャプテン・杉本選手

杉本選手

1日1日の練習が、2年後の東京オリンピックにつながっていると思います。
前向きにやるのが一番大事だと思うので、チームのみんなで、盛り上げてやっていきたいです。

畠山愛理リポーター

取材を通して、ルール変更によって選手たちにとって体力的にも精神的にもハードになっていると感じます。
私が現役だったころも、「もう息が出来ない!」と思うほどハードだと感じていましたが、2分半の演技のなかで、曲調にあわせてメリハリがあって、激しくやるところと落ち着けるところがありました。

でも今は最初から最後まで「全力疾走」のような演技。
体力がきつい中で、どれだけ集中力を切らさずに演技できるかが重要になっていると感じました。

世界選手権では、私も現地ブルガリアに取材に行き、15日からの団体に出場するフェアリージャパンの「進化」を見届けてきたいと思います。


                   
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