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2018年9月7日(金)

データで明らかになる 吉田輝星投手の「ストレート」

今年の夏の全国高校野球で準優勝した金足農業の吉田輝星投手。

甲子園6試合で奪った三振は「62」。その最大の武器は「ストレート」。
多くの空振りを取り、「キレがある」、「伸びがある」と評される吉田投手のストレートとはどんなものなのか。データ解析により、そのすごさが明らかになりました。
(サンデースポーツ2020 9月2日放送から)

投球データ解析の専門家も驚いたストレート

吉田投手自身、自らの持ち味はボールの「キレ」だと語っています。

吉田輝星投手

自分は球の「キレ」とかで勝負しているので。
高めの球で三振を取っていきたい。

なぜ、吉田投手はこれほど三振を奪えるのか。その秘密を研究している人がいます。
国学院大学の神事努准教授です。
神事さんは18年間にわたって、国内外のピッチャー500人以上の投球データを研究・分析してきました。

国学院大学 神事努 准教授

ボールの「キレ」とか「伸び」とか、よく語られている一方でよくわからないものを、客観的な数字を使って明らかにしています。

去年11月、神事さんは秋田県が行う強化プロジェクトで吉田投手の投球を調べました。
レーダーやカメラが内蔵された特殊な機械を使って、ボールの回転数や回転する向きを計測します。

神事努 准教授

実際に計ってみて、吉田投手のストレートは、すごかったです。

データで明らかになる「キレ」と「伸び」

野球でよく言われる、ボールの「キレ」「伸び」

神事さんによると、それはボールの「回転数」「回転軸」で決まるといいます。

投球の際、投げられたボールは重力の影響を受け、わずかに落ちながらキャッチャーミットに向かっていきます。

このとき、ボールに回転をかけることで、上下で気圧の差が生まれ、「揚力」という上向きの力が発生。

すると、ボールが落ちにくくなります。
「回転数」が多いほど、「揚力」は強くなるといいます。

「キレ」のあるボールを投げるもう一つの要素が「回転軸」です。

地面に対して、軸を傾けず、垂直方向にボールを回転させる「バックスピン」のボールになれば、より強い「揚力」が生まれるのです。

吉田投手の投球フォームを見てみると、ボールを話す瞬間、吉田投手は他の投手と比べ、指が地面に対して垂直方向を向いています。

神事努 准教授

吉田投手は腕を縦にふっているので、地面に平行に近い形でボールが飛んでいきます。
プロに匹敵する回転数とバックスピンになっているんです。

メジャー投手をも上回る吉田投手の「揚力」

吉田投手のボールは、どれだけの「揚力」を生んでいるのか。
神事さんの分析によって、数値化することが出来ました。

高校生の平均は32センチ。
大リーグで活躍する田中将大投手は40センチ。
大谷翔平投手は41センチ。
ダルビッシュ有投手は44センチです。

吉田投手の数値は、なんと53センチ。大リーグの投手を上回る数値です。
高校生平均と比べると、21センチ、ボール3個分の「伸び」があるのです。

神事努 准教授

人の眼は、平均的なものに見慣れています。それよりも上にボールが来るとバッターは違和感を感じ、ボールが伸びたように感じるんです。

この高い「揚力」のあるボールによって、吉田投手はストレートで多くの三振を奪います。
ストライクだと思って打ちに行くと、高めのボール振って、空振りに。
低いと判断したボールが、実際はストライクゾーンに入っていて手が出せません。

これが、吉田輝星投手の「ストレート」なのです。

吉田投手は、9月9日に決勝が行われるU-18アジア選手権で、日本代表の一員として優勝を目指しています。

甲子園をわかせた「ストレート」を武器に、どんな活躍を見せてくれるのか、注目です。

                   
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