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2018年9月2日(日)

柔道総括 「選手層 底上げ明暗」

ジャカルタアジア大会で日本柔道は、過去最多に並ぶ男女合わせて8個の金メダルを獲得しました。

女子は、7階級のうち6つを制し、代表クラスの層の厚さを見せた一方で、男子は、勝ちきれない試合が続き金メダル2個と選手層の底上げが見られず明暗が分かれる結果となりました。

是が非でも金メダルを取りたい大会

ことしの柔道の日本代表は、この1年間でトップの実績を残した選手が来月(9月)の世界選手権代表に選ばれ、これを追う立場の選手がアジア大会に出場しました。

今大会で金メダルを獲得した選手には、ことし11月に大阪で行われる国際大会の出場権が与えられるため、来年の世界選手権、さらに続く東京オリンピックの代表争いに向けて選手たちは、是が非でも金メダルを取ってアピールしたい大会でした。

素根輝 研究してきた「組み手」で金メダル

女子の代表選手は、そうした思いをまさに結果で示しました。78キロを超えるクラスで金メダルを獲得した高校3年生の素根輝選手。

素根輝選手

この春、国内の大会を2回も制しながら、国際大会での実績を理由に世界選手権の個人の代表を逃した悔しさをぶつけ、外国選手対策で研究してきた「組み手」で世界選手権の銅メダリストを破って金メダルを獲得しました。

素根選手は、「世界選手権に出られなかったので絶対に結果を残してアピールしたかった」と振り返りました。

増地克之監督

素根選手をはじめ6つの金メダルを獲得した女子の増地克之監督(ますち・かつゆき)は、「東京オリンピックに向けて層を厚くしていくことが、金メダルの獲得につながっていく。今回の結果は頼もしく思う」と話し現状では、国内2番手以降の選手が実績を残したことで、トップクラスの選手層の底上げに十分な手応えを得ていました。

大野将平 ここで負けたら次は無い

一方、女子と対照的だったのが男子、金メダルは2個にとどまりました。金メダルを獲得したのは、期待された若手ではなくリオデジャネイロオリンピックの金メダリストでした。

大野将平選手(右) 

男子73キロ級の大野将平選手は休養をへて出場し今大会が東京オリンピックに向けた再スタートの場でした。

橋本壮市選手

この大野選手も現状では、去年の世界選手権でこの階級を制した橋本壮市選手を追いかける立場。

アジア大会 柔道男子 73kg級 決勝 (2018年)

決勝では、「打倒大野」を目標に掲げて並々ならぬ闘志を燃やしてきた韓国のアン・チャンリン選手を11分を超える壮絶な戦いの末に破って金メダルを獲得しました。

大野選手は、「東京オリンピックのためには、ここで負けたら次は無いと思った」と振り返りました。

絶対的な強さを持たなければいけない

その一方で、金メダルを逃した男子の4人の選手は、リードしながら不用意な捨て身技を出したり延長に入ってから 一瞬の隙を突かれて敗れるなど、勝ちきることができませんでした。

井上康生監督

男子の井上康生監督は、個人戦を終えたあと、「大野にはオリンピックチャンピオン、柔道家としての執念をみた。どんな相手、審判を含めどんな環境でもギリギリの戦いをいかに制していくか、勝ち抜いていく絶対的な強さを持たなければいけない」と大会を総括しました。

五輪に向けて課題残る大会に

今大会では、男子のほとんどの階級で世界選手権の代表を脅かすほどの存在が現れず、オリンピックを制した大野選手が誰よりも勝ちきることの重要性を認識していたと言えます。

日本柔道が世界で強さを発揮するのは、国内でのしれつな代表争いを勝ち抜いてこそですが、男子にとっては、東京オリンピックに向けて選手層の底上げに課題の残る大会となりました。

鎌田崇央記者

スポーツニュース部記者
格闘班キャップ

                   
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