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2018年8月27日(月)

陸上男子100メートル・山縣 "あと7センチ"に迫った9秒台

アジア大会は陸上の男子100メートルで日本選手団の主将、山縣亮太選手が銅メダルを獲得しました。この種目、日本選手20年ぶりの金メダルはなりませんでしたが、それでも自身初の9秒台まで、“あと7センチ”でした。

明暗が分かれた準決勝

男子100メートルの準決勝には、ことしの日本選手権で、桐生祥秀選手を破って優勝した山縣亮太選手と、2位のケンブリッジ飛鳥選手が登場しました。

山縣亮太選手

日本選手団の主将、山縣亮太選手は「手応え」があったと好スタート。最後までスピードが落ちず、全体トップの10秒10のタイムをマークし決勝に進みました。

ケンブリッジ飛鳥選手

一方、別の組のケンブリッジ飛鳥選手はスタートで出遅れ、10秒36でこの組3着。全体11位のタイムに終わり準決勝敗退となりました。

ケンブリッジ飛鳥選手

スタートに立った時にいい走りをして決勝につなげたいと思っていたが、そのとおりにならなかったので残念だ。体の状態は悪くなかったが、今シーズンは自分のイメージする走りができておらず、ここでもできなかった。同じ思いをしたくないので日本に帰ったあと、しっかりトレーニングをして、もっと強くなりたい。

9秒台、20年ぶりの金メダルをかけて

決勝に進んだ山懸選手は初の9秒台、そして日本選手として伊東浩司さん以来となる5大会・20年ぶりの金メダルを目指しました。最大のライバルは中国の蘇炳添選手。9秒91のアジア記録保持者です。

アジア大会 陸上男子100m 決勝レース

山縣選手は、スタートを横一線で勢いよく飛び出し加速しましたが、後半、スピードに乗った蘇選手に離されると、最後はカタールのトシン・オグノデ選手とも競り合いとなりました。

競り合いでわずかに敗れた山縣選手は、自己ベストに並ぶ日本歴代2位の10秒00のタイムで銅メダルを獲得しました。金メダルは中国の蘇炳添選手でした。

山縣亮太選手

気持ちの中では7割が悔しさだ。自己ベストに並ぶタイムが出せたという点で3割はうれしいが、9秒台に届かなかったこと、蘇選手の素晴らしい走りに完敗したこと、さらに最後はオグノデ選手にも負けてしまったことがすごく悔しい。(9秒台まで再び0秒01に迫ったことについて)今のところは思った以上に、まだ遠い0秒01だと思う。ただ、ケガをせずに練習を重ねていけば、またチャンスが出てくると思うので、しっかり頑張りたい。

金メダル・蘇炳添選手(中国)

予選はいいコンディションで臨むことができず、走った後、実は心配していた。準決勝では落ち着いてコンディションもよくなっていたが、あえて力をすべては出さず、『決勝で持っている力を出し切ろう』と考えていた。これまで大きな大会では、金メダルを獲得できなかったが、いい記録で勝つことができ、目標を達成できた。自分にとって価値のあるレースだった。

9秒台まで、あと7センチだった!?

このレース、3位の山形選手と2位のオグノデ選手のタイムは同じ10秒00でした。発表された差は、わずか0秒002、1000分の2秒差で山縣選手は銅メダルでした。ここで注目を集めたのは2人の詳細なタイムでした。

アジア大会 陸上男子100m 決勝レース結果

陸上では選手のタイムを0秒001、つまり「1000分の1秒」まで計測しています。ただ公式記録上、1000分の1の位は切り上げられるため「9秒99」のように100分の1秒の位までで発表されます。

この日の山縣選手のように同タイムで並んだときに、順位をつけるため1000分の1秒の差までタイムが発表され、決勝の山縣選手のタイムは9秒997でした。9秒台が出たと思われがちですが、陸上では1000分の1の数字を切り上げるため公式記録上は10秒00になります。

言いかえると公式記録で「10秒00」と発表されたレースのタイムは、実は9秒991から10秒000の間にあるわけです。今回、山縣選手のタイムは「9秒997」、9秒台まではわずか1000分の7秒、距離にしておよそ7センチまで迫っていたことになります。

「すばらしい経験になった」

銅メダルを獲得した山縣選手の走りについて、北京五輪400メートルリレーのメダリスト、高平慎士さんに聞きました。

高平慎士さん

全体を通してすごいのひとこと。負けはしましたけど、内容がすばらしいものになりました。ターゲットとしている9秒台を目指した上で10秒00という結果でした。レースの内容も山縣選手らしく前半から飛び出して後半も持ち続けたという、いいレースになったなと思います。

山縣選手が蘇選手と高いレベルで真剣勝負をできたことが、2年後の東京五輪に向けて大きな財産になると高平さんは考えています。

高平慎士さん

蘇選手に勝つことができれば、アジアの頂点9秒台というのが当たり前ということにもなりますし。いいライバル関係にどんどんなれるような実力が、今回、山縣選手のステータスに加わったのかなというふうなイメージはありますね。

勝負の中では負けてしまいましたけど、10秒00を出して本人も言っていましたけど、蘇選手の9秒92は案外遠くなかったという経験を得られたこと、すべてにおいてすばらしい経験になったと思います。山縣選手の今回の走りをさらに磨いていけば、十分東京五輪の男子100メートル決勝の8人に、日本人がいるという、全然夢ではない、現実的なレベルに来ていると感じています。

                   
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