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2018年8月26日(日)

32年ぶりの金メダル!勝利のウラにあった3つのポイント

アジア大会の男子マラソンで日本選手として32年ぶりの快挙を果たした井上大仁選手。勝利の裏には勝負に徹した「冷静さ」、暑さに対する「周到な準備」、そして勝ち切るという「熱い気持ち」がありました。

①勝負に徹した「冷静さ」

この日のジャカルタは午前6時のスタートの時点で気温は26度、湿度は80%近い蒸し暑さと予想されていた厳しい条件のなかでのレースでした。

タイムが期待できないなか狙いは“勝つこと”。「超スローペース」とも言えるレース展開のなか、井上選手は集団の中でじっと「その時」を待っていました。

井上大仁選手(左)

井上大仁選手

中盤までの遅いペースでもイライラせずよけいな動きはしなかった。自分のスタミナを温存して仕掛けどころで一気に仕掛ける。そう思い描いて走っていた。

自分から仕掛ける前に37キロすぎ、バーレーンの選手が飛び出しました。ここが勝負どころと、井上選手は温存していた体力を一気に使ってついて行きました。

「ラストスパート勝負なら勝つ自信はあった」。“勝つこと”だけを考え、しっかりと勝負どころを見極める作戦がラスト200メートルの勝負を制したことにつながりました。

②暑さ対策の周到な準備

時間を追うごとに上昇する気温と東南アジア特有の湿度。そんなジャカルタの気候への対策も実りました。5キロごとに水とスペシャルドリンク、そして保冷剤を1つの袋に入れて置きました。袋は取り逃さないようにワイヤーをつけたのはみずからのアイデアでした。

レース中の井上選手は、ドリンクを飲んだり体にかけたりしたのはもちろん、この保冷剤を手に持って時に足に当てながら走りました。

さらに30キロすぎにはその袋に帽子も入れていました。「あまり好きではない」という帽子ですが、日がさしてくる時間帯を計算して必要最小限、かぶりました。さらにウエアにみずから小さな穴を複数あけて、少しでも通気性を確保しようとしました。

レース後の井上選手は「暑さ対策をずっとしてきたので、中盤くらいまではむしろ涼しい感じで走ることができた。成功したかな」と胸を張りました。

③熱い気持ち

最後のトラック、バーレーンの選手との「デッドヒート」を制したのは熱い気持ちでした。「何が最後に勝負を分けたのか」という質問に「相手の気持ちも強かったと思うが自分の気持ちの方が強かったと思う」と答えた井上選手。

大会前も「金メダルを取る」と公言、そこには「自分に負荷をかける」という狙いがありました。「持ちタイムではアドバンテージがあるのでこの中で一番強いのは自分」と最後まで気持ちで負けることはありませんでした。

井上大仁選手

すごくうれしい気持ちで一杯だ。自分のスタミナを温存して仕掛けどころで一気に仕掛けることを思い描いて走った。(トラック勝負は)すごく神経が削られた。ただ日本から来てくれた人たちのものすごい応援のおかげで勝つことができた。(東京オリンピックに向けては)ここからまた1つ1つのレースをしっかり積み重ねて、さらにレベルアップして迎えられたらいい。

同じ8月、同じ「高温多湿」の中で行われる東京オリンピックのマラソン。井上選手のジャカルタでのレースが”モデルケース”となり、日本マラソン界の復活につながることが期待されます。

佐藤滋記者

スポーツニュース部記者

                   
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