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2018年8月21日(火)

競泳 渡部香生子 "どん底" からの復活劇

メダルラッシュに沸く日本の競泳。こうした中、見事な復活をとげた選手がいます。競泳女子の渡部香生子選手。200メートル平泳ぎで大会2連覇を果たしました。“どん底” だったという不振から這い上がってきたという渡部選手。その背中を押したのは、日本代表への強い思いでした。

若くして世界へ

ロンドンオリンピック 競泳女子 200m平泳ぎ 予選 (2012年)

1回のストロークでよく伸びる大きな泳ぎ。そして蓄積したスタミナを生かした終盤の驚異的な追い上げ。現在21歳の渡部選手はこのダイナミックな泳ぎで、若くから世界に羽ばたきました。15歳でロンドンオリンピックに出場。さらに18歳の時には、200メートル平泳ぎで世界選手権優勝を果たすなど、実績を残してきました。

リオデジャネイロオリンピック 競泳女子200m平泳ぎ 準決勝 (2016年)

しかし、メダルを狙ったリオデジャネイロオリンピックでは、プレッシャーから泳ぎの伸びを欠いて、まさかの準決勝敗退。「すごく水泳が嫌いだというくらいになっちゃって、やめようかなと思ってたくらいだった」と、オリンピックのあと水泳から離れることも考えたといいます。

“どん底”からはい上がる

アジア大会 競泳女子 200m平泳ぎ 決勝 (2018年)

それでも仲間に励まされ、もういちどトップを目指す決意をした渡部選手。練習環境を変えたことなどで、徐々に調子を取り戻していきました。そして2年ぶりの代表復帰を果たし、この大会に臨んだのです。

奥野景介コーチ

天才肌の選手として注目された渡部選手について、指導する奥野景介コーチは「レースになるとスイッチが入るタイプで、以前は限界まで練習することは少なかった」と振り返ります。しかし、一度どん底を見たいまの渡部選手はひと味違いました。アジア大会が迫るにつれて、目の色を変えて練習に取り組んだといいます。そこには2年ぶりに勝ち取った日本代表で、自分の居場所を確かなものにしたいという強い思いがありました。

全盛期を彷彿とさせる泳ぎで

アジア大会 競泳女子 200m平泳ぎ 決勝 (2018年)

今大会、渡部選手が出場するのは200メートル平泳ぎだけ。しかし、今月はじめに39度近い熱が出て国際大会を欠場するなどアクシデントに見舞われ、決して好調とはいえない状態でのレースとなりました。予選を全体の1位で進んだ決勝。渡部選手は150メートルまで3番手と遅れましたが最後の50メートル、先行する隣のレーンの中国選手が目に入りました。

「ここで自分が金メダルを取れるかどうかでチームに大きな影響がある」

そう頭をよぎったという思いに後押しされた渡部選手は、最後の25メートルで全盛期を彷彿とさせる伸びのある泳ぎで中国の選手を抜き去り、わずか0.26秒の差で大会2連覇を果たしました。

アジア大会 競泳女子 200m平泳ぎ 表彰式 (2018年)

渡部選手はレース後、「代表チームは自分を成長させてくれる場所で、これからも仲間たちと一緒に戦っていきたい」と話してくれました。苦しい時期を乗り越えチームを勢いづかせた渡部選手、その居場所は確実にここにあると感じさせた復活の金メダルでした。

橋本剛記者

スポーツニュース部

                   
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