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2018年8月15日(水)

競泳 中村克 "自由形短距離"にこだわるワケとは

8月18日にインドネシアで開幕するアジア大会。自由形短距離に出場する中村克(かつみ)選手、24歳。中村選手は、ことし100メートルで47秒87という日本記録を出しました。これは去年の世界選手権銀メダルに相当する記録です。

自由形短距離といいますと、日本人には体格の面で不利と見られてきました。中村選手も身長183センチ、80キロとアスリートとしては特別大きいわけではありませんが、”自由形短距離”にこだわって勝負をしています。その思い、そして中村選手がなぜ世界トップレベルの記録を出せたのか。

希望を与える泳ぎをしたい

リオデジャネイロ五輪 競泳男子400mリレー 決勝 (2016年) 中村克選手 (写真 右) 

中村選手は、リオデジャネイロオリンピックの400メートルリレーで、日本選手としては初めて47秒台で泳ぎ、チームの48年ぶりの決勝進出に貢献しました。

リオデジャネイロ五輪競泳男子100m自由形 予選 (2016年)

しかし、続く個人種目の100メートルでは、リレーの疲れが残り予選敗退に終わりました。中村選手は海外選手の”速さ”だけではなく”強さ”を痛感しました。

中村克選手

昔、小さいころ『日本選手は短距離は戦えない。自由形は難しいからその種目じゃない方がいいよ』と言われたことがあって。
その時はそうなんだぁくらいにしか思わなかったが、日本代表になって世界で初めて戦ったときに、ああ、こういうことが言いたかったんだと思った。

でも、そう思ってそこで挑戦をあきらめてしまったら何も変わらないし、かっこ悪い。同じ思いをしてやめちゃう人が多いのでは。自由形短距離をやっている子どもたちが道を変えなくても済むように、希望を与えられるようなパフォーマンスができるように、自分がなりたいなと思っている。

その後、タフに戦い続けたいと取り入れたトレーニングが、ボクシングのミット打ちです。

中村克選手(写真 左) 米川琢コーチ(写真 右)

中村克選手

ボクシングを選んだのはシンプルにかっこいいから。ボクシングはパンチを打つときに、余計な力が入っていたら、良いパンチはできないっていうのがあるので、力を抜く動作が似ていると思った。去年、水泳も体重、筋量を増やして世界選手権に臨んだが、筋肉を付けすぎて力んでしまい、余計な力を使ってバテていたっていう原因があったので。


ー 力を抜くのは逆転の発想ですね!

中村克選手

僕自身もその考えは全然なかった。今までラストスパートになったら力をぐわっといれていたが、その時に余計な力が入って思った以上にうまくできなかった。ボクシングの動作を取り入れたらラスト粘ることもできて、レース全体でエネルギーを温存できるようになったのでトレーニングは成功した。

トレーニング成功の裏に新コーチの存在

中村克選手(写真 左) 米川琢コーチ(写真 右)

このトレーニングの成功の裏には、新しいコーチの存在があります。中村選手の子どものころからのライバルで、指導経験のなかった米川琢(よねかわ・たく)コーチです。

中村克選手

コーチとトレーニング方法を2人で話し合ってやっている。コーチの固定概念がないからこそ、取り入れられたトレーニングにも挑戦できた。ときにはめちゃめちゃなトレーニングもあって、きつすぎて、ふざけんなよ!となることもあるが、それは年が近いからこそ。
お互いライバルで泳ぎ続けていた、小さいころからお互い信頼関係があるからできること。さぐりさぐりで苦しいときもあるが、その作業って、本当に楽しくて仕方がない。

リオデジャネイロオリンピック後、2人は他の競技のトレーニングも研究するなど、スタミナを維持させるための方法を模索し続けました。

コナミオープン2018 100m自由形で日本新記録

そして、去年の世界選手権予選敗退という大きな挫折も乗り越えての日本新記録。

中村選手

オリンピックが終わってからコーチを変えたので、その後の世界選手権でうまくいかなくて。やっぱり中には、知識がないコーチにしたからうまくいかないんだよって言葉をかけられたこともあり、そうじゃないんだけどな、、、というもどかしさもあった。

でもそれは結果でしか見せられないので、僕はいいにしてもコーチ自身が辛いのかなと思った。だから去年のシーズン明けからすぐにトレーニングをして。あ、ちょっとまって、やばいですね、感極まってしまって、涙出ちゃうんだよな、これ。

自分ががんばらないとと思ってやってて。自己ベストを更新できたときには、やっとコーチを認められるような結果が出せたと思った。その時は僕自身もそういう面ですごい嬉しくて、抱き合って、やったぜ!って感じだった。

アジア大会 すべての種目で優勝を

中村克選手

アジア大会では、50メートル、100メートル、リレーの出場種目すべてで優勝することを目標に掲げています。

中村克選手

次は国内だけじゃなく世界の舞台で結果を出すことが、よりコーチが認められ、そして自分自身、自由形短距離が認められるのかなと思っていて。そこをしっかりはずさないで頑張りたいと思う。

中村選手の出場するアジア大会競泳は19日からはじまります。

柴原紅リポーター

平成16年入局
盛岡局、仙台局を経てラジオセンターへ。ラジオ特集では、競泳、新体操、ボクシング、フィギュアスケート、パラスポーツなど幅広く取材。現在担当する「ちきゅうラジオ」では海外で活躍するアスリートもインタビュー

                   
※NHKサイトを離れます

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