読み込み中です...

2018年8月10日(金)

白山高校 部員5人から5年で甲子園出場できたワケとは

白山高校の武器は強力打線です。1試合平均7得点以上の破壊力で数々の強豪校を退けました。その白山高校、実は5年前には部員が5人まで落ち込み、大会の出場すら危ぶまれたこともありました。おととしまで、10年連続で夏の県大会初戦敗退という不名誉な記録まで残した高校が、どうやって甲子園までたどり着いたのでしょうか。

白山高校 初の快挙

栗山選手(写真 右から3番目) 辻宏樹主将(写真 右)

甲子園への出場を決めた翌日。選手たちもまだ、興奮冷めやらぬ様子でした。

辻宏樹主将「興奮してます」。

ー 優勝した時ぎこちなくなかった?

栗山選手「めっちゃ言われましたそれ」。

辻宏樹主将(写真 右)

辻宏樹主将「優勝が決まった後にみんなが集まってこなかったから、あれ?おかしいみたいなと思って。でもしばらくしてみんなが集まってきて」。

東拓司監督

ー 一夜明けて実感というのは?

東拓司監督

いや、まだないですね。まだないです。甲子園ですもんね、考えられない。

白山高校初の快挙に地元もわきました。

地元の人

もうめちゃくちゃ嬉しかったです。もう最高ですね。少しでも子どもらに応援の気持ちを届けれたらいいなと思って。今はメッセージを入れたボトルを作って、差し入れしたいと思っています。

手作りの立て札で選手たちを祝福する人も・・。

地元の人

この田舎町で甲子園行けたってことは、素晴らしいことやと思います。何でもいいんでおめでとうだけ言いたかったもんで。

"野球部集合!"「え?5人!」

実は甲子園までの道のりは、苦労の連続でした。

通学に使う電車はおよそ2時間に1本しかありません。生徒数が減り、野球部も5年前に5人にまで減少しました。

用具を買い換える余裕もなく、他の高校から譲り受けたバッティングマシンは故障。満足な練習が出来る環境はなかなか整いませんでした。

東拓司監督が就任したのは5年前。その厳しい環境に当初は気持ちが萎えかけました。

東拓司監督

東拓司監督

正直へこみましたね。4月1日に来て、おーい野球部集合みたいな。それで走ってきたのが5人で。練習試合やるにしても、うちは9人そろってても、休んだりして、相手から選手借りてやったりとか、そういうこともほんとにあったんで。

まずは雑草取りから始まった!

それでも、チームの力を1歩ずつでも向上させようと気持ちを立て直したといいます。

東拓司監督

今年よりも来年、来年よりも再来年と上がっていきたい。あきらめないでやる。

まずは、荒れ放題だったグラウンドに生えた雑草を取り除くことから始めました。選手と一緒になって、少しずつ環境を整えていきます。苦しい中でも目標は高く掲げました。

選手やコーチと立てたオレンジのポール。ホームベースからの距離を、甲子園球場と同じにしたのです。

東拓司監督

いつか甲子園目指せるようなチームになればいいなと思って。あの広さだけは、甲子園と一緒の広さにしようっていったんですけどね。

その監督の思いは、選手たちにも伝わりました。選手は今やフェンスを超える打球を打つまでに成長。強力打線の礎を築くことができました。

辻宏樹主将

辻宏樹主将

最初はちょっと遠く感じましたけど、1年冬越してからですね。冬越したら打球全然変わりました。コツを教えるのが本当に上手で、僕もそのおかげでバッティングも良くなって。本当に良い先生です。

市川選手(右から5番目) 栗山選手(右から2番目)

市川選手「教えるのはうまい。まあ怒ると怖いけど、一番好きな先生やな」。

栗山選手「教えるのが上手い。怒ると怖い。なんやもう1個ぐらい出そう。野球の先輩としては、すごく尊敬できる人なんじゃないですかね」。

東拓司監督

僕がひっかき回しても、ひっかき回すというか。連れ回しても、それについてきた子らかなと思うんですけどね。結構やっぱり思い入れありましたね今回。

監督の思いに応えたエース

山本朔矢投手

夏の三重大会、監督の思いに応えたのがエースの山本朔矢投手(さくや)です。

兄・庸真さん(左から2番目) 山本朔矢投手(右から2番目)

山本投手には追いかけ続けた兄がいます。4年前、夏の甲子園で準優勝した三重高校のメンバー、兄・庸真(ようま)さん。

活躍する兄の姿に憧れ、同じ三重高校で甲子園に立ちたいと思うようになりました。

山本朔矢投手

ー お兄ちゃんの応援には行きましたか?

山本投手「はい全部いきました。かっこいいと思ったし、僕も将来はあそこに立ちたいと思いました」。

しかし、進学は叶わず、東監督に誘われて白山高校に入学。練習中にかけられた言葉に支えられたといいます。

山本投手「お前はコントロールがいいから、そこのところは自信を持って投げろって。最後はお前に任すぞ言われたんで。強くなったのも東先生のおかげでもある」。

東拓司監督

これは本音ですけど、山本がうちに来てくれてから、うちの学校が勝てるようになった。

そして決勝。甲子園への切符がかかった最終回のマウンドを託されました。

山本朔矢投手

無失点の好投で、起用に応えチームを甲子園へ導きました。

東拓司監督

やっぱりそういう劣等感があったんですね。練習の成果が実を結んだことが僕もうれしいし、よかった。

今度は甲子園で旋風を

不屈の指揮官に育てられ苦難を乗り越えてきた選手たち。今度は甲子園で旋風を巻き起こそうとしています。

東拓司監督

東拓司監督

草だらけで道具もなかったですし、あのゼロからっていうかマイナスからのスタートかなと自分では思ってたんですけど。1つ1つやっぱり、1年1年階段を上って行きたいなと思っていたので。
まさかこんな甲子園までとは思ってませんでしたけど。今まで通りやってきた野球を甲子園でも思う存分やってほしいなと思ってます。

白山高校は、西愛知代表の愛工大名電高校と大会7日目の第4試合で対戦します。

原英輔ディレクター

平成26年入局。のど自慢、ドラマ制作などを担当。第100回全国高校野球三重大会の準決勝・決勝の中継も担当。高校・大学ともソフトボール部。野球も大好き。プロ野球はヤクルトスワローズファン。宮本慎也さんの大ファン

                   
※NHKサイトを離れます

関連記事

    人気の記事ランキング

      記事ランキングをもっと見る

      最新の記事