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2018年7月20日(金)

バドミントン桃田 挫折からの復活

バドミントンの桃田賢斗選手は、2018年7月8日にインドネシアのジャカルタで行われた国際大会「インドネシアオープン」の男子シングルス決勝で、世界ランキング1位(当時)のデンマークのアクセルセン選手を破って3年ぶりに優勝を果たしました。
“若き天才”として注目を浴びたバドミントン桃田賢斗選手。挫折から復活し見据えるのは、初のオリンピックとなる東京大会です。

“若き天才”メダルの有力候補

バドミントン インド・オープン 男子 シングルス優勝 (2016年)

“若き天才”として注目を浴びたのは2015年。力強いスマッシュ、強気の攻撃スタイル。シャトルを自由自在に操り、相手の裏をかくプレーは世界トップクラス。

21歳で世界ランキング2位。リオデジャネイロオリンピックではメダルの有力候補でした。

いい服を着て、いいところに住んで、いい車に乗るっていう、誰もがあこがれるそういう選手になりたい。(当時のインタビュー)

最大の挫折を味わう

しかし、リオオリンピックの4か月前。桃田選手は最大の挫折を味わいます。先輩に連れられ、違法なカジノ店で賭博をしていた過去が発覚したのです。

処分は「無期限の出場停止」。日本代表を外され、オリンピックの出場も叶いませんでした。

成績が出るにつれて、やはり心のどこかで浮ついてしまっている自分もいたと思います。しっかり自分と向き合えずに、どこかすきであったり甘さを見せてしまった、自分の弱さかなと思います。

バドミントンが大好きなんだと再確認できた

積み上げてきたキャリアをすべて失った桃田選手。バドミントンが出来たのは、所属先でのわずかな練習のほかボランティア活動だけでした。
東北から九州まで全国を回り、バドミントンをはじめたばかりのこどもたちとともに、シャトルを追い続けた桃田選手。指導した子どもたちは1700人にのぼりました。

初心を取り戻したというか、自分はバドミントンが大好きなんだなというのを再確認することができました。

バドミントンに取り組む姿勢が認められ1年で復帰

日本ランキングサーキット バドミントン 男子 シングルス優勝(2017 年)

バドミントンに取り組む姿勢が認められ、処分は1年で解けました。
復帰戦は、世界と戦ってきたかつてとは比べものにならないほど小さな大会でした。
1年ぶりの試合。緊張が見える桃田選手は、会場からのエールに支えられ戦い抜きました。

応援してくれる方々の声もすごく届いていましたし、そういうのが見えない力となって、体を少しでも前に動かしてくれた、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

完全復活を期した大会 まさかのベスト8

バドミントン 全日本総合 男子 シングルス 準々決勝 (2017年)

迎えた日本一を決める2017年12月の全日本総合選手権。桃田選手は2年前のチャンピオンです。「感謝の気持ちを形にしたい」と優勝を目指しました。準々決勝。相手は社会人になってから一度も負けたことのない選手。

しかし、チャンスボールをスマッシュで返しません。桃田選手らしい強気なプレーが影を潜めます。目の前の球も、空振り。気負いすぎた心が、“若き天才”のプレーを狂わせていました。完全復活を期した大会にも関わらず、まさかのベスト8。

所属チームの須賀隆弘監督

指導してきた須賀監督。見かねて声をかけました。

いろいろなことを自分で背負いこんでしまったのですかね。どうしても保守的なプレーになってしまって。
もう感謝の気持ちであったりとか、ありがたさというものは、十分にわかっているから桃田らしいプレーを是非コートの中でやってくれと、もっともっと声を出してやってくれと伝えた。

日本を背負う立場として

遠征先(高知)の強化合宿の様子

この大会の後、日本代表に復帰した桃田選手。不祥事のあとから徹底して取り組んできた、苦手の筋力トレーニングに黙々と取り組んでいました。
日本代表として再び過ごす日々。桃田選手は、日本を背負う立場としての自覚とプライドを取り戻していきました。

臆することなくどんどんどんどん踏み込んで強気なプレーというか、自由な発想と、自分らしさを前面に出してプレーしたい。

復活の桃田 真価はこれから

敗戦から4か月後の2018年4月。桃田選手は、強豪が一堂に会する、アジア選手権に臨みました。

バドミントン アジア選手権 男子 シングルス 決勝 (2018年)

決勝に勝ち上がり、対戦するのはリオオリンピックの金メダリスト。これまで一度も勝っていない相手です。

バドミントン アジア選手権 男子 シングルス 決勝 (2018年)

相手の力強いスマッシュにもしっかり踏み込みました。桃田選手らしい自由な発想で相手を前後にゆさぶったり、裏をかくショットを打ったりしてストレート勝ちで金メダリストを圧倒しました。

アジア選手権の優勝は、不祥事の前にも無し遂げていなかった成果です。

バドミントン インドネシア・オープン 男子シングルス 決勝 (2018年)

さらに、7月8日にインドネシアのジャカルタで行われた国際大会「インドネシアオープン」の男子シングルス決勝では世界1位(当時)のデンマークのアクセルセン選手と対戦。
序盤から鋭いスマッシュなどで連続してポイントを奪い、ここでもゲームカウント2対0のストレート勝ちで3年ぶりの優勝を果たしました。

今回は、特に勢いに乗ってたまたま勝ったのではなくしっかりラリーして勝てたという印象なので、そこは自分の中で手応えを感じた。
ことし(2018年)8月のアジア大会もこの会場で開かれるので、いい収穫になったんじゃないかと思う。

挫折を味わった“若き天才”が見据えるのは、初のオリンピックとなる東京大会です。
かつての姿を取り戻したのか、それとも新しい強さを身につけたのか。桃田選手の真価が問われるのは、これからです。

酒井紀之 記者

スポーツニュース部記者
バドミントン担当。桃田賢人選手をはじめメダルラッシュが期待される日本代表を徹底取材

                   
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