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2018年7月11日(水)

ウィンブルドン錦織 成長の3つのワケとは

テニスの四大大会、ウィンブルドン選手権で、10回目の挑戦で初のベストエイト進出を果たした錦織圭選手。右手首のけがから復帰した今シーズン、成長を遂げた背景には、「心・技・体でそれぞれレベルアップした3つの理由がありました。

技は「サーブの向上」

ウィンブルドン男子 4回戦 (2018年)

まず1つは、球足の速い芝のコートで大きな鍵となる「サーブ」のフォームの変更です。

錦織選手は去年8月、サーブの練習中に右手首のけんを脱臼するけがをしておよそ5か月間、大会に出場しませんでした。

ウィンブルドン前の単独インタビュー時

「何がけがの原因だったのかわからないので、原因と考えられる要素をできるだけつぶしたい」と、「サーブ」のフォームの変更を決断します。

今シーズンから右腕の振りをこれまでよりコンパクトにして、腕を引いてからショットを打つまでの時間を短くした新たなフォームに変えました。振りをコンパクトにしたことで打つ際の後ろ側の足の動きもこれまでより小さくなり、体のバランスが保ちやすく、トスをあげる位置やサーブの打点のばらつきが少なくなりました。

打点が安定することで、無理なくボールをとらえることができ、右手首への負担が減りけがのリスクを減らすことができます。

実は、このフォームの変更で、ファーストサーブの平均スピードが、昨シーズンより6キロ速い、180キロに上がっていました。錦織選手は「打点が安定し、自分の力がうまくボールに伝わる、力の入りやすいフォームになったから、スピードも上がっているのだと思う」と手応えを感じています。

体は「ぶれない軸」

ウィンブルドン男子 4回戦 (2018年)

2つめは、フィジカルの強化です。芝のコートは、足元が滑りやすく不安定で、ボールが弾まず、低い姿勢にもなりやすいため、錦織選手は、でん部や左脇腹などで度重なるけがに悩まされてきました。

芝では、体を痛めることが結構あったので、それにむけてトレーニングしてきた。右手首のけがから復帰してフィジカルを強化する期間が長くあったので、色々トレーニングを変えて準備してきた。

今大会、強力なサーブの持ち主に対しても軸のぶれないフィジカルから繰り出される鋭いショットをリターンやストローク戦で次々と見せるなど、けがを受けてさらに取り組んできたフィジカル面での強化も効果を見せています。

心は「自信が生んだ強気」

ウィンブルドン男子 3回戦 (2018年)

3つめは、精神面での変化です。

サーブが安定し、新たな武器となったことが、芝のコートの今大会での自信につながっています。4回戦では時速200キロを超える強力なサーブが次々に打ち込まれる相手のサービスゲームでも、焦らずストローク戦に持ち込み、要所ではリターンエースを奪うなど冷静な姿勢を貫けました。
錦織選手は今大会、サーブに「一球入魂」で臨みたいと、サーブの際、これまでと違い、ボールをポケットに入れず、1つずつ受け取る「面倒な方法」にわざと変え、なんとかファーストサーブの確率をあげようと工夫しています。

また、芝のコートの大会シーズンに入ってからは、試合前のコイントスに勝利した際には、サーブを受ける方ではなく、みずからのサービスゲームを選択するようにしました。これは、好調な「新サーブ」への自信の現れと、サーブが重要な芝のコートでは、「強気な気持ちが必要だと思ったから」と話しています。

自分のサービスゲームから試合が始まれば、相手にブレークされない限り、「1-0」、「2-1」とリードしたままゲームカウントが進みます。錦織選手は「リードした状態で、相手のサービスゲームに臨めるのは気持ち的に違う」といい、自身が四大大会で唯一、4回戦を突破していなかった芝のコートの大会に様々な工夫をこらして臨んだことが、結果にあらわれています。

ウィンブルドン男子 4回戦 (2018年)

大会前、錦織選手に今シーズンの目標を尋ねた際、返ってきたのが、「なるべく早くトップ10に入りたい」という言葉でした。
錦織選手は、昨シーズンのけがから「心・技・体」をレベルアップして、トップ10に返り咲くための道のりを着実に進んでいます。

西村佑佳子 記者

スポーツニュース部記者

                   
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