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2018年2月18日(日)

スピードスケート王国オランダ 何でそんなに強いの?

スケート王国として知られるオランダ。ソチオリンピックでは、スピードスケートで23個ものメダルを獲得しています。ピョンチャンオリンピックでも2月17日の競技終了時点で金6、銀3、銅2のメダルラッシュ。

女子3000mではメダルを独占、日本のダブル表彰台となった女子1500mでも、小平奈緒選手、髙木美帆選手を押さえて金メダルを獲得したのはオランダのヨリン・テル モリス選手でした。

その強さの秘密とは?オランダ・ハーグ在住の神井さんにリポートしていただきました。

身近にある「天然」スケートリンク

オランダには山がないのでスキーは出来ません。冬の娯楽といえば凍った運河や池でのスケートです。

オランダの全国紙、アルゲメーン ダッハブラッドの調査によると、オランダの4歳から12歳までの子どもたちの69%、その親たちの80%がスケートが出来るとのこと。

どこでスケートを習ったのか?との問いには子どもたちの40%、親たちの81%が凍った運河や池、すなわち「自然のスケートリンク」でした。

さらに、教えてくれた人で一番多かったのは親、祖父母でした。

1909年に始まったスケート競技会「エルフステーデントフト」。「エルフ(11)、ステーデン(都市)、トフト(巡り)」という意味。

オランダ北部、フリースラント州にある11都市、200kmにも及ぶ凍った運河や池を利用して行われます。

エルフステーデントフトの模様

もちろん全てのルートが完全に凍らないと開催は出来ないのですが、近年では1997年に開催された大会で、1万人以上の人たちが参加しました。

バランス感覚を養う秘密兵器 いす!

オランダでは小さな子どもたちが初めてスケートを習う時、必ず使う道具があります。

それはなんと、どこの家にもある食卓のいす。氷の上に立つ子どもはいすを支えにバランスをとるのです。

練習用のいすも進化を遂げています。開発に携わったのは、今回のピョンチャンオリンピック、男子5000mで五輪3連覇を果たしたスベン・クラマー選手。

クラマー選手自身も凍った運河、池で父親にスケートを習ったそうです。

スベン・クラマー選手(ピョンチャンオリンピック スピードスケート男子5000m)

クラマー選手はその時の経験を生かし、「ハイテクスケートチェアー」というスケート練習用のいすをオランダの企業と共同開発しました。

椅子に設置されたセンサーが子どもの動きに反応し、備え付けのスピーカーからクラマー選手の声で子どもたちにアドバイスをするというものです。

スケートを子供の頃から自然の中、そして日常生活の中で楽しむ事を経験しているオランダ人だからこそ「スピードスケート王国」を築けたのではないでしょうか。

この「ハイテクスケートチェアー」を使ってスケートを始める子どもたちの中からクラマー選手のようなスピードスケート世界チャンピオンが育っていくのでしょう。

神井 宣子(かみい のりこ)

京都生まれ。アメリカ、ドイツ滞在を経て1988年、渡蘭。以後、オランダの政治の首都であるハーグ市に住む。1997年よりフリーランスとして通訳や翻訳、ヨーロッパ企業と日本企業を繋ぐビジネスアシスタントを勤める。

                   
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