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2018年2月10日(土)

恐怖を超えて 前人未到"連続4回転"への挑戦!平野歩夢の決意

前回のソチオリンピックでは、日本選手として冬季オリンピック史上最年少15歳で銀メダルという快挙を達成した、スノーボードハーフパイプの平野歩夢選手、19歳。

しかし、彼は昨年の競技中、選手生命を脅かすほどの大けがを負いました。その困難を乗り越え、恐怖やトラウマと戦いながら復帰した平野選手は、ピョンチャンオリンピックで金メダルを目指します。

地上13メートルの大ジャンプを繰り出すハーフパイプ

ハーフパイプとは、半円状にくりぬいた全長180メートル、斜度18度のコースで行われる競技です。
7メートルもの高さがある左右の壁を、5回もしくは6回振り子のようにジャンプを繰り出し競います。このジャンプの最高到達点はなんと6メートルにもなります。

採点基準は3つ
1.ジャンプの高さ
2.技の難易度(回転数)
3.技の完成度(空中の姿勢や着地のなめらかさ)

これを審判が100点満点でジャッジします。2本滑って、より高いスコアを採用し競い合うのです。

“人と違う滑りがしたい” 平野歩夢の生き方

平野選手は4歳のころからスノーボードを始めました。小学生で既に頭角を現し、小学校4年生でプロ契約。その圧倒的な滑りで世界戦デビューを果たし、15歳で出場したソチでは銀メダルを獲得しました。

目指すのはただ勝つことではなく「自分にしかできない滑りで、周りを圧倒して勝つ」こと。

そんな平野選手の最大の武器は2017年12月時点では国際大会で彼を含めて世界でたった3人しか成功させていない「ダブルコーク1440」。縦横にひねりながら4回転する大技です。

ダブルコーク1440

“平野のオリンピックは終わった” 順調だった平野に最大の危機

2017年3月の大会中、平野選手は自身最大の武器である4回転の大技に失敗し転倒。
左ひざの靭帯を損傷し、全治3か月の大けがを負ってしまったのです。

ピョンチャンオリンピックまで一年もない時期に、スノーボーダーの命ともいえる膝を負傷してしまった平野選手。
平野のオリンピックは終わった」ともささやかれました。

“悔しさを強みに変えるしかない”復帰への強い決意

それでも平野選手は、オリンピックをあきらめませんでした。
2か月もの地道なリハビリで、一度は完全に動かなくなった膝も痛みを感じずに動かせるように。

リハビリの間に他の選手が変わらず練習しているという悔しさを強みにする

平野選手は意気込み、初心者用の坂から練習を再開します。

しかし不安や恐怖はなかなか拭えません
2か月ぶりのジャンプ台では柔らかいマットをひいて、膝への衝撃を1本1本確認するところから行いました。

4回転が飛べない――恐怖との闘い

膝の痛みもなくなり、コースでの練習を再開した平野選手。半回転、1回転、2回転、3回転…と以前の感覚を取り戻していきます。

しかし、いざ4回転を飛ぼうと思うと、襲い来る恐怖。
クラッシュした瞬間のそのシーンだけが、頭にぱっと出てくる
平野選手はどうしても、4回転を飛ぶことができませんでした。

平野の背中を押した、若手ライバル「戸塚優斗」

いよいよけがから半年後、初の大会。
結局、練習では4回転は成功せず、今大会では4回転を飛ばずに挑むことに。しかし4回転を飛ばずとも、平野選手の技術の高さが評価され、1本目を滑り終えるとたちまち首位に立ちます。

しかし、平野選手の記録を越え、1位になった日本人選手がいました。
15歳、高校1年生の戸塚優斗選手です。

もうやるしかない
追いつめられた平野選手は、2本目の滑走で、いまだ不安定な4回転に挑戦。結果は、着地に失敗し尻もちをついてしまいます。

しかし強力なライバルの存在は、彼の背中を強く押し、恐怖でためらっていた4回転への挑戦に再び向かわせたのです。

夢は“オリンピックで憧れのショーンに勝って金メダル”

平野選手の憧れは、オリンピック連覇のショーン・ホワイト選手
最大のライバルとして、常にその姿を追いかけ、青春をスノーボードに捧げ、スノーボードに打ち込んできました。

けがから復帰した2戦目のワールドカップで、平野選手はショーン・ホワイト選手と顔を合わせます。実はショーン選手は、この大会の3か月前にジャンプの際に転倒し、顔面を62針も縫う大けがを負っていました。

しかしショーン選手はSNSで「私はすぐ戻る さらに強くなって」とのメッセージを発信。その言葉どおり、けがを乗り越え、この大会でも高難度の技を決め、高得点をマークしたのです。

そのショーン選手を見た平野選手は、再度ボードを調整し「攻め」の姿勢を作り上げます。

挑んだ1本目、彼はついに4回転を成功させたのです!

“常に上回れる滑りを”平野歩夢の復活と進化

大成功の1本目を終え、優勝は確実と言われた平野選手。
それでも彼の集中は途切れません。

2本目、平野選手は前人未踏である連続での4回転ジャンプに挑戦したのです。それは彼が完全に復活したことをあらわすと同時に、どこまでも自分の滑りを追求する攻めの姿勢による進化でした。

着地に失敗し、連続4回転の成功にはならなかったものの、「やっと自分の感触が戻ってきた」と語る彼の表情には、攻めのスタイルを貫き続けた頃の闘志が戻っていました。

ショーン選手も、若きライバル、平野選手について、こう語りました。
オリンピックで優勝するためには絶対倒さなくてはならない相手。闘志がわいた

人がたどり着けないようなことを自分の夢に

その後のワールドカップでも優勝を飾った平野選手。ピョンチャンオリンピックでの金メダルも見えてきました。

周りに何も言わせないような滑りがしたい
そう語る平野選手は、ピョンチャンオリンピックでは世界でまだ誰も成功したことのない連続4回転に挑戦する決意です。

                   
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