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2018年2月9日(金)

上村愛子さん応援! 頑張れモーグル日本代表!

モーグル日本代表としてオリンピック5大会連続入賞の経験を持つ上村愛子さん。このたびNHKピョンチャンオリンピック放送ナビゲーターに就任、現地から感動や興奮を伝えてくれます!そんな上村愛子さんが、モーグルの見どころについて話してくれました。

上村愛子(うえむらあいこ)

1979年12月9日生まれ
1998年長野オリンピックに高校3年生で出場。7位に入賞し一躍注目を集め、日本のエースとしてメダルを期待される存在になる。
2002年ソルトレイク 6位、2006年トリノ 5位、2010年バンクーバー 4位、2014年ソチ 4位と5大会連続でオリンピックに出場し、全て入賞。
日本人初のワールドカップ年間総合優勝を果たすなど、世界トップ選手として日本勢の成績を数々塗り替えた。
2008年、紫綬褒章を受章。
2014年4月1日に現役引退を表明。

24年ぶりに「観戦する」オリンピック

今回のオリンピックはもう、ただただ、本当に楽しみですね。中学2年生のときにリレハンメルオリンピック(1994年)をテレビで観戦しましたが、次の長野大会から選手として出場するようになったので、オリンピックというスポーツの祭典がどのように世の中で盛り上がるのか、楽しまれているのか、私にとってもそういうことを久しぶりに見られる機会になります。

もちろん、夏のオリンピックは合宿地などで見ていましたが、あくまで選手として、自分にヒントとなるものを見ようとしていましたから。大会の様子や競技者としての自分の姿を番組の中でどのように伝えていただいていたのかも、実はあまり知らなかったんです。

今回は24年ぶりに観戦する側として楽しむことができます。といっても伝える側として深く関わることになっちゃいますが(笑)

テレビでモーグル観戦を楽しむポイント

テレビで楽しむためのポイントは、選手が滑り降りてくる正面からの映像ですね。選手の頭が上下左右に動いていないか、に注目してみてください。モーグルというのは実は、スタートからゴールまで頭がほとんど動かずに滑り降りてきた選手の点数がとても高いんです。

フォールラインといわれるもので、スタートからゴールまでこぶが続く斜面を一直線に滑ります。その際に頭が左右にブレたり、衝撃で上下に大きく動く選手は、ターンの点数が伸びない傾向にあります。

頭の上下運動については、選手を横から映したカメラアングルでも確認できますね。その際は、頭の前後の動きやお尻の落ち方もチェックしてみてください。もちろん、大きく動かない方がいいです。ついつい選手の膝がクッションのように衝撃を吸収するシーンに目が行きがちですが、膝を使ってうまく吸収するのは、頭を動かさないためといってもいいくらいなんです。


それから、もう1つ注目していただきたいのが、エアーのランディング。空中で難易度の高い技を決めようが、簡単な回転技をしようが、着地での失敗は大きな減点になります。

腕を下げず、しっかり足を閉じて、何事もなく着地して滑り始める選手の得点が一番高い、と見ていただいてかまいません。選手の技術の差がすごく出るポイントです。

今の男子モーグルで最も強いとされているのが、カナダのミカエル・キングスベリー選手。前人未到のワールドカップ総合6連覇を達成した選手ですが、彼はスタートからゴールまでずっと頭が動かずに滑ってきます。

難易度の高いエアー、そしてランディングも含めて、やはり強い選手というのは完ぺきです。モーグルは採点競技でもあるので、ジャッジのポイントや視点で競技を見ていただけると、今までと違った面白さを感じられると思いますよ。

”モーグルは女子”を覆した男子チーム

前回のオリンピックから大きく変わったのはやはり男子チーム!モーグルはこれまで、私や里谷多英さん(1998年長野で金メダル、2002年ソルトレイクで銅メダル)がいることで「女子ばかり強い」と言われていました。

前回のソチオリンピックも男子は2人しか出場できなくて…。でも「日本のモーグルは男子!と言われるように僕たちが頑張ろう」と彼らは切磋琢磨してきました。そして、4年後。日本男子は、ピョンチャンオリンピック代表派遣推薦基準を6人の選手がクリアしました。

オリンピックイヤーを迎えた1月6日のワールドカップ第4戦カルガリー大会では、ファイナルに5人(遠藤尚4位、堀島行真12位、西伸幸13位、原大智15位、四方元幾16位)も入りました。これまでなかなか自分たちがモーグル日本代表を引っ張って来られなかったというもどかしさを、この4年間で本当に塗り替えたんです。

男子は女子と比べて、スピードやエアーの難易度がものすごく高い。その中でさらに完成度を上げなければトップには行けません。そんな厳しい中でも、世界を相手にトップを狙えるような、オリンピックの舞台でもいい勝負ができる男子選手が出てきているので、ぜひ期待して見ていただきたいです!

若手の堀島選手に期待

堀島 行真 (ほりしま・いくま)選手

1997年12月11日生まれ
オリンピック初出場

男子選手の中でも、世界選手権で金メダルを取った若手筆頭株の堀島行真選手は注目です。スキーの技術がものすごく高く、誰よりも速く滑ることができる選手です。それだけに(ジャッジに寄せた滑りではなく)自分の滑りを貫きたいタイプでもあります。彼が貫いたものをジャッジが認めたとき、世界で唯一の選手になれる。それぐらいの技術を持っています。

20歳で若いからというわけではありせんが、とにかく「攻めて滑りたい」という気持ちが強いので、ついついアタックしすぎてしまい、スピードが出すぎてジャンプも飛びすぎてしまうほど。そのために、ターンで失敗しちゃうときがたまにあります。滑りと気持ちのバランスさえうまく取れれば、おそらく世界最高得点を出せる技術がある選手

今回のピョンチャンオリンピックは、彼にとってビッグチャンスになると思いますよ。



遠藤 尚 (えんどう・しょう)選手

1990年7月4日生まれ
2010年バンクーバー7位、2014年ソチに続く3回目のオリンピック出場

今回が最後のオリンピックということですが、これまでの2大会で学んだことや積み重ねてきた経験、技術を全部出し切ってくれると思っています。堀島と遠藤の両選手が、一緒に表彰台に上ることもあり得ると思えるくらい、完成度が高いチームです。


西 伸幸 (にし・のぶゆき)選手

1985年7月13日生まれ
2010年バンクーバー9位、2014年ソチに続く3回目のオリンピック出場

西伸幸選手は、自分なりの答えをしっかりと持って戦っている選手です。いまのワールドカップメンバーの中でも一番年上の選手になりますが、ターンの完成度がものすごく高くて、安定感もある選手なので、若い選手も参考になると思います。

逆に若い選手たちの攻めの気持ちも、西選手に対して良い影響を与えているので、お互いに切磋琢磨して高め合っていますね。


原 大智 (はら・だいち)選手

1997年3月4日生まれ
オリンピック初出場

原選手は中学卒業後にカナダにスキー留学していたんですが、そのカナダの滑りの良いところを持っている選手です。ポジションの取り方とか、まっすぐにスピードを出して滑降する滑り方を習得してきましたね。

同世代の堀島選手がすごく活躍しているので、自分もたどり着きたい!という思いで臨んでいるのではないでしょうか。ピョンチャンオリンピックでは、他の選手が高い難易度のエアーを繰り出してくる中で、いかにノーミスで戦えるかがポイントです。

女子は村田選手に期待

女子選手は世界ランキングが高くはないので、メダル獲得圏内にはいないんじゃないかと思われるんですが、そんなことはありません!

村田 愛里咲 (むらた・ありさ)選手

1990年10月17日生まれ
2010年バンクーバー8位、2014年ソチに続く3回目のオリンピック出場

村田愛里咲選手は、ここ!という時にしっかりと集中して実力を出すことのできる選手です。女子が誰もオリンピックの派遣推薦基準を満たすことが出来なかった中で、彼女だけがそれを達成できたのはその強みが発揮できたからだと思います。


身体は小さいですが、ターンの技術が高くて男まさりな滑り方をするのが特徴です。女子の中ではかなり難易度の高い技を入れることが出来るので、それをしっかりと決めることが出来れば良い結果につながると思いますよ。

村田選手は今回でオリンピック出場が3回目になりますが、この4年間で足りないところもしっかりと身につけてきたので活躍に期待しています。

オリンピックは日本がレベルアップするチャンス

2014年ソチオリンピックの頃は日本のモーグルというと女子のイメージが強かったですが、今シーズンのワールドカップを観ていて、男子も女子もまた強いチームに戻ってきたな、と感じました。
私が里谷多英さんをみてメダルを目指したように、誰かが世界のトップで戦えるようになると、他の選手も触発されてレベルが上がってくるので、今後の日本チームはもっとレベルが上っていくと思いますよ。
ピョンチャンオリンピックは、その良いきっかけになるんじゃないかと思っているので、とても楽しみにしています!

今回はモーグルを中心にお話ししましたが、モーグルに限らずオリンピックは感動の連続だと思うので、その瞬間を肌で感じてお伝えできればと思っています。喜んでいる顔も悔しい顔もあるのが、オリンピック。
力を出し切れたときの選手の表情や思い、目標に向かって積み重ねることの素晴らしさをたくさん伝えられたらうれしいです!

                   
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