放送した内容・リスクチェック結果

自覚症状がなく、健康診断でも分からない“隠れ脂肪肝”。肝硬変や肝臓がんなどの肝臓病をはじめ、他の臓器のがんや脳卒中、心筋梗塞、認知症など全身の深刻な病につながることが明らかになってきました。どう予防・対策すれば良いのでしょうか?

健康診断ではわからない?“隠れ脂肪肝”とは

肝臓に過剰な脂肪がたまった状態の「脂肪肝」。血液検査の肝機能の値は正常なのに、実際には脂肪肝という“隠れ脂肪肝”の人が多くいることが分かってきました。番組で、健康診断で問題がない20代から70代の50名の肝臓を最新の超音波機器「フィブロスキャン」で測定したところ、およそ3割の人が「脂肪肝」と判定されました。
脂肪肝になると、肝臓の細胞は脂肪を蓄積する一方、細胞が傷つきやすくなります。進行して、傷ついた細胞が硬い組織に変わると「肝硬変」となり、健康な肝臓に戻ることはできなくなります。だからこそ、「脂肪肝」の間に対策し、健康な肝臓を取り戻すことが大事なのです。

「脂肪肝」と「肝硬変」の顕微鏡
脂肪肝の肝臓では細胞に蓄積した脂肪が白い風船状に見える
肝硬変では硬くなった組織が青い筋状に見える」
(画像提供:川崎医科大学 川中美和准教授)

脂肪肝は全身の深刻な病を招く

「脂肪肝」を放置すると、「肝硬変」や「肝臓がん」など深刻な肝臓病に進行するだけでなく、全身の病につながることが最新の研究で分かってきました。2018年に発表された研究では、「脂肪肝」は全身のあらゆる臓器でがんのリスクを高めることが明らかになりました。特にリスクが高いとされているのは肝臓がんのほか、胃がん、すい臓がん、肺がんで、健康な人に比べてリスクは2倍以上です。

リスクが高まるがん部位

そのメカニズムと考えられているのが、脂肪肝によって壊れた肝臓の細胞を排除するために放出される「炎症性サイトカイン」という物質です。この物質が血管を通って全身をめぐり、他の臓器の正常な細胞を攻撃、炎症を引き起こしがん細胞ができやすくするのです。同じメカニズムで、脳卒中や心筋梗塞、アルツハイマー病のリスクを高めることも分かってきました。

どう見極める“隠れ脂肪肝”

健康診断の血液検査では見つけることができない“隠れ脂肪肝”。自分に起きているか、どうすれば分かるのでしょうか?番組で“隠れ脂肪肝”を見つけるのに使った最新の超音波機器は、設置している医療機関が限られています。


最新の超音波測定機器「フィブロスキャン」

そのため、自分が“隠れ脂肪肝”になりやすい状態かどうかを調べるには、普段の生活習慣などをチェックすることが最良の方法です。
今回、NHKでは専門家の協力を得て、自分の“隠れ脂肪肝”危険度を調べられるチェックリストを作成しました。もし、このテストでリスクありと出た場合、ぜひご自身の生活習慣を見直してみてください。

どう対策する“隠れ脂肪肝”

まず大事なのは、“隠れ脂肪肝”の原因となる生活習慣を改善することです。中でも、「食べ過ぎ」「飲み過ぎ」「運動不足」を避けることが基本です。
番組では、専門家の監修のもと簡単にできる脂肪肝対策を考案しました。まずおすすめは、「筋トレ」と「有酸素運動」を組み合わせる運動法です。例えば、スクワットを10回した後、15分のウォーキング。スクワットをすると肝臓の脂肪をエネルギーに変えるスイッチが入り、その後、ウォーキングをすることでその効果は持続します。

スクワット、ウォーキング

さらに、最新の研究でその効果が注目されている食材として「大豆製品」と「コーヒー」を紹介しました。大豆に含まれるたんぱく質には、肝臓に蓄えられた脂肪の燃焼を促す効果があることが突き止められています。専門家は1日75グラム程度の大豆製品を取り入れることを勧めています。また、コーヒーに含まれるカフェインにも脂肪を分解する効果があり、1日3杯以上コーヒーを飲む人は脂肪肝のリスクが低いという研究も発表されています。
注)コーヒーは飲み過ぎにご注意ください。

大豆製品、コーヒー

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