キーワード

なぜ犬は人の心を癒やすのか?
最新科学が解き明かす4つのキーワード

2019年1月28日

医療現場で活躍するセラピー犬の導入が、全国の医療機関へと広がりを見せている。セラピー犬が患者に近づくと痛みが和らいだり、回復が早まったりするという。なぜ犬には人間を癒やす力があるのか、最新科学が解き明かす4つのキーワード。

<聴覚野>
ハンガリーのエドベシュローランド大学が行った実験から、犬の聴覚野には人間の声色から感情を読み取る場所があることが分かってきた。

犬に人の笑い声やうれしい声を聞かせると、聴覚野の活動が活発になる。つぎに、不機嫌な声を聞かせると、活動は低下した。似たような仕組みが、人の脳にも備わっている。つまり、犬には人間と同じように、人の喜怒哀楽を読み取る能力があると考えられるのだ。

photo

<オキシトシン>
麻布大学の菊水健史教授による研究では、犬とその飼い主が互いに見つめあったときに、人の体内で脳の下垂体から「オキシトシン」というホルモンが分泌されることが分かった。

オキシトシンには心を癒やしたり、体の痛みを和げたりする働きもあり、犬と見つめあったときに人間の体内のオキシトシンは3倍以上に増加。これが、犬のセラピー効果の大きな理由だと考えられる。さらにこの実験では、人と見つめあうことで、犬の側にもオキシトシンが分泌されていることが分かった。
これまで、オキシトシンは同じ種の動物同士が見つめあったり、触れ合ったりしたときだけ分泌されると考えられてきたが、人と犬というまったく違う生き物の間でオキシトシンを分泌しあい、絆を深める仕組みがあることが初めて確認された。

photo

<コルチゾール>
キツネは凶暴で人にはなつかないが、ロシアの研究所が穏やかな個体だけで繁殖を続けた結果、6世代目には人に甘える仕草を見せるキツネが誕生した。

研究者がキツネの血液を調べたところ、攻撃性を生み出すコルチゾールというホルモンに変化が現れていた。普通のキツネに比べると、穏やかなキツネはコルチゾールの値がおよそ半分。犬の祖先である凶暴なオオカミでも人の手によって長い年月をかけて同様のことが起こり、人になつくようになったと考えられている。

photo

<脳の海馬>
上記の実験でロシアの研究所がキツネの脳を調べたところ、記憶や学習を司る海馬(かいば)に変化が見られた。人なつっこいキツネは、海馬で生まれる新しい神経細胞が通常のおよそ2倍。脳が若々しい状態を保っているおかげで、記憶や学習の能力が高まっているため、人の指示を理解し、コミュニケーションがとれるようになったと思われる。

photo

詳しくは、重い病の子どもたちを支えるセラピー犬 ベイリー

この記事は、2019年1月27日に放送した 「NHKスペシャル ベイリーとゆいちゃん」 を基に制作しています。

あわせて読みたい

ファシリティドッグの魅力とは

ファシリティドッグの魅力とは

2016年11月17日
おはよう日本

新着記事