NHKスペシャル

東日本大震災 40m巨大津波の謎に迫る

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東日本大震災から9年。あの日、何が起きていたのか。巨大津波が各地を襲ったが、中でも約40mと突出して遡上高が高いのが岩手県宮古市とその周辺だ。今回発掘した映像には高台に逃げた被災者に、巨大津波が襲いかかる様子が克明に記録されていた。住民は「高台に逃げても逃げても津波が追いかけてきた」と証言する。40mの津波が町を飲み込むまでは、わずか数分。高さ10mの防潮堤を乗り越え、急速に速さと破壊力を増す“射流”と呼ばれる現象も映像に記録されていた。なぜ局所的に宮古市に巨大な津波が襲ったのか。地震動から津波高を予測する従来のシステムでは、予測困難なことも分かってきた。東北沖で地震動を伴わない海底の動きがあり、津波が増幅していた可能性が浮かび上がったのだ。“サイレント津波”と呼ばれる現象で、最新研究では東京湾や大阪湾などでも発生する恐れがある。従来の想定を超える高さの津波に襲われたり、到達時間が大幅に早まったりする危険性があるのだ。あの日の映像を徹底的に紐解き、新たなリスクにどう備えるか、最前線に迫る。