NHKスペシャル

虐待カウンセリング ~作家 柳美里・500日の記録~

中村獅童さん

増え続ける児童虐待の中でも、大きな問題となっているのが「虐待の世代間連鎖」。全国児童相談所長会の調査によると、虐待する親の3割が幼少期に虐待を受けていた。虐待の連鎖を食い止めるにはどうすればよいのか…。わが子を虐待してしまうことに悩む「世代間連鎖」の親・200人以上と向き合ってきた東海学院大教授・長谷川博一さんの取り組みに密着、解決のヒントを探る。
長谷川さんは、世代間連鎖を断つには、かつて自分を虐待してきた親と「対峙」しなければならないと考えている。虐待された子どもは親から嫌われていると思いたくないため「自分が悪い」と親への怒りの感情を封印しており、それを解き放ち親に向かって感情を吐き出す必要があるという。その長谷川さんもとで一昨年からカウンセリングを受けているのが、作家の柳美里さん。柳さんは幼い頃から父親の暴力を受け、母親からは暴言を吐かれ、心の傷を負った。その後、文学作品を書くことで心の傷も癒されたかに見えた。しかし、10年前に子どもが生まれてから虐待の影が再びちらつき始めた。
両親と対峙して柳さんの「世代間虐待」の鎖は解かれるのか、柳さんの葛藤を記録したカウンセリングドキュメントである。