NHKスペシャル

核は大地に刻まれていた ~“死の灰” 消えぬ脅威~

旧ソ連時代、巨大な核実験場があったカザフスタン東部の町・セミパラチンスク。1949年からの40年間に450回を超す核実験が繰り返され、大量の放射性物質がまき散らされた。

広島の科学者らによる長年の現地調査で、これまで解明されなかった『残留放射線』の脅威が明らかになってきた。セミパラチンスク周辺で被害に遭った住民は、150万人にものぼると見られる。その多くが実験後 “死の灰”を浴びたことによる『残留放射能被ばく』と体内に放射性物質を取り込んだ『内部被ばく』だ。いずれも核保有国により、「人体への影響はない」として、これまで切り捨てられてきた。それが今回の調査で、その影響は、爆裂による放射線を浴びた『直接被爆』にも匹敵することがわかってきた。

長年に渡って人体を蝕み続ける残留放射線。番組では、セミパラチンスクの大地に刻まれたまま見過ごされてきた“核”の脅威を明らかにするとともに、今なお核開発にしのぎを削り、核拡散を続ける世界に警告を発する。