NHKスペシャル

菜の花畑の笑顔と銃弾

昨年8月、アフガニスタンで殺害された伊藤和也さん(31歳)。今、ここに彼が撮影した写真3千枚が遺されている。5年に渡り撮影された写真には現地の人々と共に格闘した用水路建設、農作業の苦闘、地元の食事に招かれ共に談笑する姿、そして緑が戻った大地で一面の菜の花を駆けめぐる子供達の笑顔が印象的に写されている。写真に写されたアフガニスタンの人々は今、彼らのために働いた伊藤さんが、なぜ銃弾による非業の死を遂げねばならなかったのか、問い返す日々を送っている。「彼が遺してくれたものとは何なのか」。番組では、遺された写真やメール、手紙などをもとに、写真に写されているアフガニスタンの人々を訪ね、ひとりの青年の軌跡を克明にトレースした映像をもとに、戦乱の地の過酷な現実、救援活動の試行錯誤、国際援助のあり方を浮き彫りにする。なお、現地には外国のメディアは入ることを許されず、今回の撮影映像は、最新の状況を伝えるスクープ性の高いものである。