NHKスペシャル

巨樹 生命の不思議 ~緑の魔境・和賀山塊~

奥羽山脈の一角に和賀山塊(わがさんかい)と呼ばれる、知られざる秘境がある。
秋田・岩手県境に3万ヘクタールもの広さを持ち、樹齢100年以上の樹木で覆われた天然林の面積が、確認されているだけで1万6千ヘクタールも占めている「巨樹の聖域」だ。谷は深く険しく、山は道もなく幾重にも連なる。あまりの奥深さのため、これまでマタギたちのほかは、ほとんど誰も足を踏み入れるものはいなかった。

その和賀山塊で近年、国内でも有数の巨樹たちの存在が、次々に明らかになってきた。「日本一のブナ」をはじめ、クリやミズナラ、クロベ、シナノキなど、どれも日本で1、2の大きさを争うものばかりだ。過酷な自然の中で、他の樹々たちとの絶え間ない生存競争を繰り広げた結果、全身こぶだらけの異様な姿になった巨樹、自らの腐った部分に根を張り、今なお成長し続ける巨樹・・・。

番組では、秘境和賀山塊の密林に分け入り、日本1、2位の巨樹たちの姿を、四季を通した定点撮影で克明に記録する。そして、緑の魔境のなかで、巨樹たちがどのように数百年という時間を生き、生命の最後を迎えようとしているのかを描く。

  • ミズナラの巨樹
  • 日本一のブナ
  • 日本一のブナ