NHKスペシャル

絶滅から救えるか アムールヒョウ ~ロシア沿海地方の森~

国際自然保護連合が定める絶滅の危機に瀕する野生動物のリスト「レッドデータブック」の中に、絶滅が非常に危惧される動物がいる。ロシア沿海地方のタイガ森に潜むアムールヒョウだ。現存するのはわずか30頭。地球上から絶滅するのは時間の問題だ。
アムールヒョウは、ヒョウの仲間では最も北に棲み、地球上で最も大きくその毛皮は美しい。しかし森林破壊や乱獲、餌不足のため生息数が激減している。生態も満足に調査されないうちに、アムールヒョウは絶滅の淵に追いやられている。
ロシア政府は、ヒョウを保護する目的で自然保護区を設置したが、森は荒れ自然も破壊され、保護区は島のように孤立している。周辺から入り込む密猟者や火災、違法の森林伐採が原因だ。ヒョウの生息状態を性急に把握し、保護しなければ10年で絶滅するとロシア科学アカデミーの研究者らは指摘しており、目下WWFロシアらが保護区の周辺の広大な森に植林などを施し、立ち入り禁止区域に設定し、ヒョウの棲む森を再生しようとしている。
ヒョウの棲む森は復活するのか。番組では、ロシア沿海地方のタイガ森を舞台に、現存しているアムールヒョウの生息環境を把握し、絶滅に瀕するヒョウの生態を見つめることを通して、かつては豊かだったタイガの森の現状とその危機を描く。

  • アムールヒョウ
  • アムールヒョウの母子