NHKスペシャル

シリーズ 子どもの“声なき声”
第1回  いじめと探偵
~行き場を失った“助けて”~

教室では口にすることのできない子どもたちの本音、“声なき声”に耳を傾ける2本シリーズ。第1回は、認知件数が41万件と過去最多となった「いじめ」(全国の小中高など・2017年度)について考える。
様々な対策にもかかわらず、未だ事態を打開できない中、いじめの実態調査の依頼が全国から殺到する場所がある。東京にある、その“探偵事務所”は、もともと浮気や企業の内偵調査を行っていたが、15年ほど前から、いじめの調査依頼が増え始め、今では専門のNPO法人を立ち上げるまでになった。学校や教育委員会に相談しても解決せず、行き場を失った子どもや親たちから、これまで実に6000件以上の相談が集まっているという。調査は実践的で、SNSの監視から、尾行・張り込み、情報公開請求など、あらゆる手段を駆使していじめの実態を探り、ケースごとに解決策を模索する。
探偵の調査から見えてくるのは、現代のいじめがいかに巧妙化し、見えにくくなっているか。そして、その異変に対応できなくなっている教育現場の姿だ。全国でも例のない“いじめ探偵”に密着し、どこにも届かない子どもたちの“助けて”を見つめていく。