NHKスペシャル

9秒台へのカウントダウン 密着 日本男子スプリンター

日本の陸上短距離が今、世界を驚かせている。今年6月時点の男子100m上位10傑の平均タイムは10秒134。3位イギリスに肉薄し、アメリカに次ぐ2位ジャマイカにも迫ろうとしている。こうした中、日本陸上界の悲願である「9秒台到達」が現実味を増している。98年に伊東浩司さんが10秒00を出してから19年。今月、ロンドンで行われる世界選手権に出場するサニブラウン アブデル・ハキーム(自己ベスト10秒05)、多田修平(10秒08)、ケンブリッジ飛鳥(10秒08)に、かつてない期待が集まった。これまで記録で先行してきた桐生祥秀(10秒01)と山縣亮太(10秒03)も含め、日本人選手はなぜ同時に、これだけ急成長したのか。取材を進める中で、日本の陸上を取り巻く環境の変化、トレーニング理論の画期的改革、これまでの常識を打ち破る選手たちの前例なき挑戦が見えてきた。番組では、9秒台目前、わずか100分の1秒の更新がなぜ叶わなかったのか、先駆者たちの証言から「10秒の壁」の真相に迫ると同時に、待ち望んできた“9秒台”に向けた戦いを描く。