NHKスペシャル

シリーズ 激震 “トランプ時代” 第2集  炎上 ヨーロッパ
~広がる“自国第一主義”~

アメリカのトランプ大統領が掲げる「自国第一主義」のうねりは、海を越えたヨーロッパにも押し寄せ、世界のパワーバランスをさらに揺るがそうとしている。4月~5月に大統領選が行われるフランスでは「移民排斥」や「イスラム原理主義の脅威」を訴える極右・国民戦線のルペン党首が世論調査で首位に上昇。ボーダレス化を進めるEU(ヨーロッパ連合)に反発し、離脱を支持する声も高まっている。一方、今年秋に首相を決める議会選挙が行われるドイツ。100万人を超える難民を受け入れたメルケル首相への批判が高まり、排外的な右派政党が台頭。しかし、ホロコーストを引き起こした歴史の教訓から難民の受け入れを支持する市民も多く、各地でデモ隊が衝突するなど、激しい攻防戦が繰り広げられている。大戦の悲劇を2度と繰り返すまいと統合を進め、自由と寛容の精神を守る“最後の砦”となっているヨーロッパ。“トランプ旋風”が吹き荒れる中、中枢を担う2大国はどこへ向かうのか。選挙の動きや市民たちの現状を見つめながら、その行方を追う。