NHKスペシャル

欧州緊迫  ベルギー連続テロ事件

ベルギー・ブリュッセルの空港と地下鉄で起きた連続テロ事件。30人以上が亡くなり、日本人を含む270人が重軽傷を負った。過激派組織IS=イスラミックステートは「攻撃を成功させた」「よりひどいことになる」などとする声明を出した。パリの同時テロ事件の実行犯を逮捕した直後、当局が警戒を強めていた中で再び起きたテロ事件に、これまでにない衝撃が広がっている。 EU(ヨーロッパ連合)本部があり、“ヨーロッパの首都”とも呼ばれるブリュッセルを標的にした今回のテロ。民主主義、自由、人権といったヨーロッパが築き上げてきた理念は脅かされ、恐怖、怒り、憎悪が社会に広がろうとしている。イスラム教徒や難民の排斥を主張する声は一層高まり、今後、社会の分断が深まることが懸念される。
凄惨な事件はどのように起きたのか。厳戒の中で、なぜ防げなかったのか。そして、高まるテロリズムの脅威と、ヨーロッパは、国際社会は、どのように向き合えば良いのか。ブリュッセル、パリで緊急取材し、危機の深層を見つめる。