NHKスペシャル

原発メルトダウン 危機の88時間

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世界最悪レベルとなった原発事故から5年。東京電力福島第一原子力発電所では、事故の後処理、廃炉の作業が日夜続けられているが、今なお溶け落ちた核燃料の状態を直接見ることさえできず、事故の全貌は明らかになっていない。あの日、現場で何が起きていたのか?なぜ、放射能を封じ込めることができず、大量放出に至ったのか?NHKは事故直後から、「メルトダウン・シリーズ」として、専門家とともに独自の事故検証を行い、内外に高い評価を得てきた。非常用の冷却装置を使えず、一気にメルトダウン・水素爆発した1号機。原子炉冷却の“切り札”とされた消防車による注水に死角があり、メルトダウンを食い止められなかった3号機。そして、故・吉田所長が死をも覚悟したという2号機の危機…。今回、そうしたこれまでのスクープを網羅し、新たに東電関係者など500人を超す当事者たちの証言を加え、事故を決定づけた、震災発生からの88時間を映像化する。最新の解析結果から再現された原発を襲う津波の全貌。「まるでミサイルのような」と現場が証言した水素爆発の精細なCG。88時間を、時間軸に沿いながら、中央制御室や免震重要棟など現場が何を目撃しどう行動したのか、密室の緊迫したドラマを詳細に描いていく。これは、これまでの科学調査報道に「ヒューマンファクター」を加えた、震災5年目における「メルトダウン」の決定版である。