NHKスペシャル

巨大災害 MEGA DISASTER 地球大変動の衝撃
第2集 スーパー台風 "海の異変"の最悪シナリオ

MEGA DISASTER第2集は、通常の台風を遙かに上回る破壊力をもつ「スーパー台風」。アメリカを襲った「カトリーナ」(2005)、900万人近くが被災したシドル(2007)、フィリピンで観測史上最速の暴風・風速90m/sを記録した「ハイエン」など、通常の台風を遙かに上回る破壊力をもつ「スーパー台風」が近年多発している。地球上で最も多くの台風が生まれているのが、日本の南3000kmの太平洋上。暖かい海面水温と東西からぶつかり合う大気の流れが、直径1000kmを超える台風を次々と発生させ、「ハイヤン」も生み出した。海上の観測ブイのデータから浮かび上がったのは、通常より深くまで広がっていた暖かい海水の存在だ。台風に水蒸気を供給し続け、急激に気圧が降下する「急速強化」が起きていたのだ。さらにアメリカでは、航空機による長時間観測によって風速が一気に30m/s強まる「急速強化」の過程がとらえられた。通常の台風の2倍以上の上昇気流「対流爆発」が発生し、加速度的に風速が強まっていた。台風は、熱帯の海にたまった熱エネルギーを温帯に循環させ、均衡を保とうとする地球の巨大なシステムの一部でもある。しかし、今後も海水温が上がり続ければ「スーパー台風」が頻発し、日本を襲う可能性が高まる。暴風によって送電網の鉄塔が倒れ大規模停電が発生、高潮で都心まで浸水・・・、最新のシミュレーションからは大都市の新たなリスクが見えてきた。大気や海水のダイナミズムが生み出す、地球最強の気象災害「スーパー台風」の脅威に迫る。